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INTERVIEW

打首獄門同好会

2019.09.25UPDATE

2019年09月号掲載

打首獄門同好会

Member:大澤 敦史(Gt/Vo) 河本 あす香(Dr) junko(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

-「なつのうた」は、お洒落なタッチとアグレッシヴなシャウトがギャップを生む曲になりましたね。

大澤:ボサノヴァやりましたね。人に"お前らラウドロックだろ?"って言われて、あとから実感するんですよ。前もジャズっぽいフレーズがありましたけど、ボサノヴァもできるんだっていうところですね。

河本:こんなにガッツリとね。

大澤:しかも、ちょっとスピードが速いボサノヴァなんですよね。この曲を披露する前に、レコーディングに備えてツアー中の音出しの段階で一緒に合わせたりしていたんです。僕がフレーズを弾いていたらローディさんに"今の曲、打首っすか?"って言われましたね。"新曲です"、"なんでもありですね"っていう。

junko:フェスでやっていても、ラウドなところからボサノヴァのパートに戻るときにお客さんが歓声を上げるのって、どういう意味なんだろうっていつも思う。

大澤:あれは"技あり!"っていうことじゃないかな。きれいに戻ったっていうところで。

junko:あれ、いつも面白いなって思う。

大澤:あの部分は、"あつい"の歌詞の"つ"と"い"の間にエフェクターを踏んでピックアップを切り替えて、指弾きにしてボサノヴァに入るんですよ。そこをきれいに弾くっていうのは、かなりこだわってますね。

河本:音量的にもマックスなところからすっと切り替わるからね。

大澤:静と動の切り替えですよね。音楽家としてそこを魅せるという。

-結果的に、ラウドロック・バンドもやらないし、かと言ってボサノヴァの人もやらないような曲になるという。

大澤:この曲は、なんかボサノヴァだなっていう感じがしたんですよね。「布団の中から出たくない」ではいわゆるカノンコードだったんです。スッチャ、スッチャっていう裏打ちの刻みで、どちらかというとレゲエ寄りなアレンジだったんですけど、「なつのうた」はボサノヴァの一番ベタなコード進行で。異文化を取り入れつつもベタっていうのが、2曲の共通項ですね。で、乱暴に静と動が切り替わるっていう。うちのひとつのメリットは、歌詞がこういう世界で確立しているので、歌詞さえこうだったら打首獄門同好会で。遊びの余地があるんです。

河本:それはよく言われるんですよね。打首節が効いてるなっていう。

-今や打首節が確立しただけに、サウンド的な余地の部分、遊びの選択肢がどんどん無限になっている状態ですよね。

大澤:ベッタベタでコッテコテのブルースにうちの歌詞を乗せても、打首だって言われると思うんですよね。どんどん幅が広がっているので、ある意味恐ろしいですけど。

-そうですね、イコール聴いている側は、どんどん期待値も上がっているということですから。

大澤:そうですよね。でも、何も起きませんよっていう(笑)。

河本:ちょっと何か言っただけで"それ曲になるんですか?"ってなっちゃいますからね。

-「なつのうた」は、「布団の中から出たくない」に続く第2弾を作ろうというのがあったんですか。

大澤:「布団の中から出たくない」が、バンドを代表するくらい人気曲になってしまったんです。で、今回の47都道府県ツアー(2019年3月から12月にかけて開催中の"獄至十五ツアー")の前半からずっとやっていたんですけど、ツアーが春から始まって夏に差し掛かろうというときに、毎回寒い寒い歌っていてもなという。これは夏の曲を用意したほうがいいんじゃないかなって気持ちが高まっていたので。

河本:そのときは暗示をかけて無理矢理歌ってましたから。

大澤:「なつのうた」ができたら、案の定夏フェスにぴったりの曲になりまして。"ROCK IN JAPAN FESTIVAL"で「なつのうた」を歌ったときは、共感の嵐でしたからね。

-この夏一番って言ってもいいくらい暑い時期でしたからね。

junko:暑かった! 過酷。まだ時間がちょっと早い時間だったから良かったと思うんですけど。

-過酷ということでは"10獄放送局"の企画で、出演する"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO"の会場まで、大澤さんと青木さん(アシュラシンドロームの青木亞一人/Vo)で、北海道を自転車で横断していたじゃないですか。なぜにそんな身体を張ってまでという企画ですよね。

大澤:あれは本当にそのツッコミを受ければ受けるほど、その価値があった、それを待ってた! というところでしたね。"RISING SUN(RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZO)"出られなかったどうするの? くらい言われましたから。500キロ走ったんですけど、1日100キロ自転車で走れるのかなっていうのが、わからないまま始めました(笑)。

-普通ならまずやりませんね(笑)。

大澤:さっきやっと時間ができたので整骨院に行ってきたんです。そしたら、まぁ身体がボロボロだと。前傾姿勢がずっと続いていたから、骨が丸まってるし、足は案の定筋肉がガチガチになっていて、アキレス腱は炎症を起こしてると言われました。

-満身創痍の"RISING SUN"だったんですね。ライヴを観た方はその背景も知っていた人も多かったと思うので感動もひとしおで。

大澤:そうですね。ステージにいてホッとしたっていう話もありました(笑)。台風も来ましたけど、結果的にケガもなく辿りついたので、あとはここから毎月この模様を更新していくからお楽しみにということですね。

-怒濤の夏フェスも終えて再び47都道府県ツアー"獄至十五ツアー"が再開します。ちなみに資料的には"and more...?"ってなってるんですけど──

junko:ん、and more......?

大澤:こんなの書いてるなんて聞いてないな(笑)。まぁ、15周年が始まったのが3月で、来年の2月までやるぞということなので、さっき言ったインターネット番組"10獄放送局"も、2月までにこの企画を完結させたいと今のところ考えています。2月までに何が起こるかは、全部は言っていませんので、お楽しみにということですね。