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INTERVIEW

打首獄門同好会

2019.09.25UPDATE

2019年09月号掲載

打首獄門同好会

Member:大澤 敦史(Gt/Vo) 河本 あす香(Dr) junko(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

-これまでの企業とのコラボレーションにしてもそうですけど、面白い人がキャッチしてくれるというか。ゲーム会社(※「はたらきたくない」はゲーム"WORK×WORK"テーマ曲)やはごろも(はごろもフーズ)さんも、"何か面白いことをしたい"という気概がある人が声を掛けている。

大澤:バンドが人目につくようになって、波長が合う人が出てきました。アイコンとしてわかりやすいからピンとくるんでしょうね。近づいてきてくれる人が、すごく面白い人で。

-そういうことが影響して、曲作りにおいて変化していくこともあるんですか?

大澤:「はたらきたくない」も、ゲームのコラボとして声を掛けてくれたのがきっかけでできた歌ですし、「Shake it up 'n' go ~シャキッと!コーンのうた~」も、はごろもさんとはシーチキンのCMから繋がりが始まったんですけど、"何かうちの他の商品の歌を作りませんか?"と言ってくれたことでできた曲で。そういうのが"あり"な企業さんだから繋がったんですよね。こういうのが好きな人が、いるところにはいるんだなっていう。そういう出会いが、結果的に自分たちの曲のテーマの幅を広げていて、面白いことになってきていますよね。あとは、"コウペンちゃん"の作者、るるてあさんともそういう出会いです。

-コウペンちゃんは、「布団の中から出たくない」のMVに続き新曲「なつのうた」でも再びコラボとなりました。

大澤:るるてあさんが、打首獄門同好会のライヴを観にいったとツイートしてくれたことがきっかけだったんです。うちのこと好きなの? 何か一緒にやろうよというのでMVを一緒にやってもらって。このベスト・アルバムの中での古い曲だと、「New Gingeration」の岩下食品もそうですからね。岩下社長がインターネット上で面白がってくれて繋がったものだから。そう考えると、出会いきっかけの歌が多いですね。

河本:「YES MAX」の"スーパーカップ"(エースコック)もそうだし。

大澤:あとは、うちの歯医者の主治医にラップしてもらったりしてますからね。

-「歯痛くて feat.Dr.COYASS」の歯科医師ラッパー、Dr.COYASSさんですね。

大澤:これもただただアマチュア・バンド的なイベントで繋がって、一緒に飲んでいたところから話がスタートしてるっていうのが、面白いところで。今の関係は、ただの主治医と患者ですから(笑)。そういうこの5年間が詰まってますね。

河本:こうやって曲を見てみると、シングルで出してる曲が多いから、よりぎゅっと詰まった感がありますね。強い曲が入ってる感じがします。

-いろんなトピックスがありますが、みなさんとしては、一番印象深かったのはどんなことですか?

大澤:バンドとして一番のコンテンツは、日本武道館("打首獄門同好会 at 日本武道館")だったんじゃないかなと思いますね。世間的な話題で言ったら昨年12月の"junkoさんお誕生日会"で還暦祝いをしたほうが、注目を集めてしまいましたが(笑)。

河本:リツイート数もすごかったからね。

junko:(笑)私は日本武道館以降ですかね。それでバンドに注目していただいて、ますますいろんな方と接する機会が格段に増えた感じがあって。この5年というか、この1年くらいが異常に濃密だった気がします。

大澤:そうそう、関ジャニ∞とも会えました(※"関ジャム 完全燃SHOW"に打首獄門同好会が出演した)しね?

junko:私的にはそういう嬉しさもありました。

-音楽がここまで連れてきてくれましたね。

河本:そうですね。基本的には自分たちは変わってないんですよ。歌いたいことを歌っているし。

-世の中の方が受け入れるものを増やしてくれたと。

大澤:そうですね。同じような括りというか、仲間に見られる人にヤバイTシャツ屋さんとか四星球とか、あのへんのバンドがいますが、同じくこの数年で勢いを伸ばしているベクトルの似たバンド同士で、ひとつのシーンを作っているのかなという実感はあります。フェスでも"今日はこいつらが集まってるな"とかありますもんね。キュウソネコカミとか、オメでたい頭でなによりとか。そういうことで、だんだんと住みやすくなってきてます。

-それまでは、住みにくさがありましたか。

大澤:やっぱりどこに行っても浮いてましたからね。ラウド系のサウンドだけど、歌詞がこれっていうので、ラウド系イベントにぶっ込まれることもあれば、ポップ系イベントにぶっ込まれることもあるわけですよ。でも、どっちに行っても、まぁ浮くんです。溶け込みはしないんですよね。最近はそれこそ、この前フェスであったんですけど、ヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)、打首、キュウソ(キュウソネコカミ)、四星球みたいなタイムテーブルだったら、"そういうことだよね"ってやる側も観る側もお互いにすべて理解できるような流れができて。そういう中に入ると、珍しいことに馴染むんですよね。

-こういう時代が来てくれるとはという。

大澤:そういう感覚はありますね。特に最近のお客さんの増え方は、自分たちもわからないようになってきていて。まさに老若男女の極みと言いますか、初めてライヴハウスに来ましたというご年配の方がいたりするんです。それまたどうしてっていうことですけど。Twitterでお客さんから寄せられるお話でも、最近母がハマりましたとか、3歳とか5歳のちびっこがハマりましたとかいう報告もあって。たぶんMVなどがきっかけになっていると思うんですけどね。そこから派生すると、こっちが今まで広げてきたライヴハウスでの人の増やし方と、まったく違う現象が起きているんです。

-たしかにそうですね。ただそれは、やってきたことがすべて繋がってきているということじゃないですか。

大澤:集大成的にいろんなものが繋がっていますね。