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INTERVIEW

打首獄門同好会

2019.09.25UPDATE

2019年09月号掲載

打首獄門同好会

Member:大澤 敦史(Gt/Vo) 河本 あす香(Dr) junko(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

世の中は規制がどんどん強くなってきているはずなのに、ある意味で時代に逆行しているバンドですよね


-この5年間は、自分たちでも思わぬ広がりを見せたなというのもありますか。

大澤:そうですね。自分たちでも"いいのかな?"みたいなことが結構起きているので。先日、はごろもフーズの"シャキッと!コーン"のテレビCM(※打首獄門同好会がCMソング「Shake it up 'n' go ~シャキッと!コーンのうた~」を制作)が初めて流れたんですが、ゴールデンタイムのCMで画面右下に"打首獄門同好会"って出ているけど、いいのかな? っていう。あとはNHK出演とかもあったし。こんな名前でそういうところ出ちゃって大丈夫なのかな? という感じです。

河本:世の中的に大丈夫になってきたんでしょう。

大澤:世の中はどちらかというと規制がどんどん強くなってきているはずなのに、ある意味で時代に逆行しているバンドですよね(笑)。

-一番と言っていい驚きは、今年5月に農林水産大臣から"FANバサダー ロック"に任命されるという出来事でした。

大澤:昨年は、静岡県浜松市からは"やらまいか大使"に任命されましたし、一昨年は、インターネット番組"10獄放送局"で北海道石狩市とコラボをしたり。この名前で、なんでそんなに行政と関わってるの? っていう。

-"FANバサダー ロック"は、米や魚など、これまでの食をテーマにした曲たちの功績が認められてのことですよね。それも自分の好きなことや気になることを歌っていたものがこういう広がりをするのは、あまりないパターンです。

大澤:米の歌を作ったものの、農家のみなさんの耳に届くということすら想定してないですからね。勝手に言ってるだけっていう。それが、お役所の元締めが聴いてくださるとは(笑)。

-"FANバサダー ロック"としての具体的なお仕事はあるんですか?

大澤:内容的にはお米の素晴らしさとか、おいしさとかをいろんなところでいろんな人にアピールしてほしいということですね。"じゃあ今まで通りでいいっていうことですか?"って言ったら、"そうですね"と。だから、特に追加の仕事はないんです。

河本:これで海外に行けば日本のお米とかのPRにもなるので。

大澤:15周年で、VJに英語の字幕をつけて海外のライヴに行こうという試みを始めたばかりだったので。そういうこともできますよと。

-もってこいのバンドがいるということで白羽の矢が立ったんですね。そもそもどういう経緯で任命されたんですか?

大澤:2016年に"行列のできる法律相談所"というテレビ番組で「日本の米は世界一」を歌ったときに、1通のメールが来たんです。いろんなところから反響があった頃だったので、知らない人からメールが来てもそんなに驚かなかったんですけど、"初めてテレビで歌を聴きました。私農林水産省のもので"とあって。

河本:"ん?"って。

大澤:"官僚の方ですか!?"っていう。"この歌に感銘を受けたので何か一緒にできたらなと思うんですが、1回お会いしませんか"ということで。きっかけはそこだったんです。官僚にも面白い人いるなって思いましたね。このバンド名でも引かない人なんてっていう。それで会って話してみたら、まぁ泥臭い人なんです。農林水産省の中でもどんどん地位を上げている優秀な方なんですけども、地方の農家に住み込みで働きにいって、農業のなんたるかを学んできたという話とかを聞いて、これは俺のイメージしていた官僚と違うなと面白がっちゃいまして、そこから繋がりが生まれたんですよ。とはいえ、相手の方もイチ官僚で、こちらもまだ売り出し中のバンドで、一緒にやろうと言っても大きな話はできないから、じわじわと力を蓄えていつか何かできたらいいですねっていうことだったんですね。"じゃあ僕のほうも農林水産省で広めておきます"とは言っていただいていたんですけど、そこから数年を経て、まさかこんな大きな話になるとはで。"あんた何したの!?"っていう。