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INTERVIEW

打首獄門同好会

2019.09.25UPDATE

2019年09月号掲載

打首獄門同好会

Member:大澤 敦史(Gt/Vo) 河本 あす香(Dr) junko(Ba)

Interviewer:吉羽 さおり

-では、今回収録される新曲についてもうかがいたいのですが、まずは先ほどからも話が出ている「だらだらしたい」。懐かしさを感じるような曲調であったり、ギター・ソロではよく運動会で聞くようなクラシック曲がモチーフになっていたり、遊び的な要素がてんこ盛りの1曲ですね。

大澤:新曲の中でも一番ただのいたずらですからね。もともとこの曲は、Twitterにワンフレーズだけ載せたのがきっかけになったんです。ふと頭に思いついたので、パッと作ってTwitterのネタにしてしまえと。ワンフレーズだけ1時間以内くらいに作ってアップしたら共感を得たので、"これ曲にする?"って言ったら、するっていうリアクションも来たから面白くなっちゃって(笑)。

河本:そのワンフレーズのクオリティが高くて。ちゃんと自分でハモるとかして作っていたんですよね。しかも、"だーらだーらしたい~"っていう言葉の強さもあって。

-曲調と内容のギャップがありますよね。すごく元気になるような曲でありつつ、だらだらしたいと歌っている。

大澤:すごくシャキッと歌ってますからね。

junko:だらだらしたいのにね。

大澤:だらだらしたいという気持ちだけは強固なものなんでしょう。

-忙しい最中で湧いた率直な思いだったんでしょうね。

大澤:その日、やる気がなかったんですかね。ただ、やる気がないのに、こういうフレーズを作る力はあったという矛盾した気持ちがワンフレーズにあって。これは言っていいのかどうかわからないですけど、本来このベスト盤は17曲にする予定だったんです。その内新曲がふたつあるという計算で話を進めていたんですけど、どこで間違えたのか発表のときに"18曲"って言っちゃったんですね。

河本:はははは(笑)。

大澤:そういう裏話がありまして。誰が間違えたか変わらないけど、18という数字が我々の中で共有されていて、どうするかという選択肢が生まれたわけですよ。素直に"間違えました、17曲でした"と言うか、過去曲からもう1曲持ってきて18曲にするか、新曲をもう1曲作って18曲にするかという中で、浮かんだのが「だらだらしたい」で。もし新曲が2曲だったら、そのうちの1曲が「だらだらしたい」になることはあまりないと思うんです。もうちょっとガチな新曲を作るんだろうけど、新曲の枠が3個あるなら、その内の1個は遊んでもいいんじゃないかっていう話になって、収録する余地が生まれたんですよ。

-だからこそ遊び倒した曲になったと。あのギター・ソロでのフレーズは?

大澤:作ってる最中になんとなく頭の中にクラシックのフレーズが生まれたんですね。この曲なんだっけな? 運動会でかかってるな。でも曲名がわからないなというので、"運動会 曲"とかで検索してみたら"トランペット吹きの休日"っていう曲名なんですよね。

-すごいシンクロですね!

大澤:"ラッパ吹きの休日"とも言うらしいんですけど、トランペット吹きが、休日くらいは好きに吹きたいみたいなそういう趣旨のタイトル(※諸説あり)みたいで。ただ、休日に吹くにはあまりに酷なフレーズすぎて、"トランペット吹きの休日出勤"みたいな異名もあるみたいです。それはこの歌の状況とリンクするなと思って採用! ってなりました。そういういたずらが詰まった曲なんです。曲の最後なんかもいたずらの極みですからね。

河本:こういうことは、以前もよくやっていたんですよね。

大澤:初期の頃によく遊んでいたね。15年ブレなさすぎという結果になりました。

-これもまたSNSなどで盛り上がりそうな曲ですね。そして、「Fly Away」はメタリックな曲ですが。

大澤:こちらは、曲としては真面目に作った曲ですね。歌詞は相変わらずですけど。"痛いの痛いのFLY AWAY"って言いたかったんでしょうね(笑)。

河本:言いたかったシリーズ。

大澤:だから、曲も"飛んでいけ~"っていう空を飛んでいくような浮遊感と、疾走感のある曲にしたいという真っ当な音楽的な思考でフレーズを考えていったんです。空を飛んでる感じの雄大なフレーズにしたくて、女子ふたりにハモってもらうとか。今回の歌詞カードは、各曲に関連した画像とか、今までのデザインとかを流用して散りばめようというものなんですけど、この「Fly Away」は、空を飛んでいく感じの画像にしてくれと言ってます。転んでケガをしたちびっこに、お母さんが優しく"痛いの痛いの飛んでけ~"ってやってるのが、ものすごい勢いで飛んでいくイメージですね。

-"どこかにFAR AWAY"という歌詞ですからね(笑)。サウンド的にもこだわりはありますか?

大澤:"たんすの角小指をぶつけたPAIN"の"PAIN"に対して、1拍半のディレイをかけてくれっていうお願いもしてますね。

河本:じわじわじわと痛みがくるような。

大澤:そのディレイの加減は細かく指示しましたね。真面目に真面目に作ってます。

junko:私は、"コピー用紙で指の先を切るPAIN"っていう歌詞、あの痛みがほんとに嫌なの。たぶん痛みの中で一番嫌で、思い出すだけで全身がヒィ~ってなる(※のけぞりながら)。怖いから、あの部分の歌詞は聴かないようにしてる。

河本:そのときだけjunkoさんが叫んでるみたいな(笑)。

大澤:俺も額にまだ傷が残ってますけど、頭をぶつけまして。洗濯機の裏に落ちたスポンジを取ろうとしてぶつけたんです。PAINでしたよ。

-そのいろんなPAINを思い起こしながら歌詞を書いていったわけですね。

大澤:ベスト4を書きました。まず、たんすの角に足の小指をぶつけるのはベタだから外せないなっていうのから、私はそこそこ背が高いので頭をぶつけるPAINがあり、あとは、足がつるのと指を切るというのを選んだんですが、人によっていろいろあると思いますね。

-あるある的な内容です。言われるだけでもムズムズするような感覚ですね。

大澤:痛いんですよ。痛い歌なんです。そして、メタルですよね。だからこの曲は、「歯痛くて feat.Dr.COYASS」の次に入っているんです。痛みが飛んでいってほしいなという。

junko:"PAIN"っていうのもまたメタルっぽいよね。

大澤:JUDAS PRIESTっぽいですもんね。

河本:"PAIN~"って歌う感じも似てる。

大澤:高音で出してますからね。あの"PAIN"は、たしかにメタルを意識しました。

河本:そうかと思うと、「なつのうた」はガッツリとボサノヴァだし。変なバンドだよね。