INTERVIEW
NOCTURNAL BLOODLUST
2018.03.06UPDATE
2018年03月号掲載
Member:尋(Vo) Masa(Ba) Cazqui(7-strings) Natsu(Dr) Daichi(Gt)
Interviewer:米沢 彰
-そして、「Live to Die」の"Rearrange Ver."が収録されていますが、これはどういった経緯だったのでしょうか?
Masa:「Live to Die」は配信で去年の8月に出したんですけど、正直もうちょっといじりたいなっていうのがあったんですよね。なので、今回のEPを作ることになったときに、そういうバージョンを入れたら、Daichiの曲もCazquiの曲もあってバランスもちょうどいいかなって。
Cazqui:新曲ってこれまで、レコーディングしてから人前で披露することが多かったんですけど、「Live to Die」に関しては、ツアーでずっと生演奏をやってきたっていうのがあって、グルーヴの変化とかそこらへんはだいぶ変わったんじゃないかなっていう。
-リアレンジというより、最初から録り直しなんですね。
Masa:尺も増えてギター・ソロも増えました。
-方向性が変わったというよりは、より精錬されたという感じですよね。
Masa:グレードアップですね。
-「Live to Die」が出たときは、今のシーンの今のコアなサウンドをうまく取り入れてノクブラらしく消化したような楽曲だと感じて、それまでのノクブラ観の中では異端の曲だと思っていましたが、今回のEPの中では逆に一番ノクブラらしく聴こえてしまうっていう不思議な感じがありました。
Masa:それもたぶん、ギター・ソロが入ってからの展開があって。やっぱりどこかしらメロディアスな要素を入れたいんですよね。もともとの配信バージョンだと、入れる余地がなかったので、今作ではそういうノクブラらしさをもうちょっと入れられたかなって。
-最後の「無義道」がまたガラッと雰囲気を変えて。それで終わるので、作品を聴き終わったときの感想が、"新しい"っていう印象だったんです。
Daichi:この曲は、僕が今までバラードを書くことが結構多くて、今回もそのつもりで書き始めたのは書き始めたんですけど、例えばアルバムに収録されるときとか、ライヴで披露するときとか、リスナー目線で考えると"ここバラードのセクションだな"って思うとちょっとダルく感じることがあるんですよね。そういうのを、どうしてもなくしたくて。だから、従来のバラードとは違って、バンド・サウンドを極力推して、どの曲順に入れてもOKなくらいラフなバラードにしようと思ったんです。なので、そういうふうに、人間的に作られた曲だなって思います。
-人間的っていう表現はすごく納得できますね。ドラマっぽいというか。
Daichi:そうですね。それこそシューゲイザーとかのように、ラフなんだけどできあがってる感じというか。個人個人のタイム感でやって、それがバンドになったときに全員のタイム感が合って、それが独特のグルーヴというか、僕たちのグリッド上にハマればいいかなって思いながら作りました。
Cazqui:たしかに、バッチバチにグリッドに合わせた方がモダンな印象を与えやすいと思います。ただ、僕らは聴いてきている音楽がそういうところではないんだよっていう(笑)。今の10代の子たちって、グリッドに忠実なものばかり聴いて育っていくわけじゃないですか。そうなると、僕らがこれまで聴いてきたグリッドに沿っていないロックっていうのが、悪者にされてしまうかもしれないですよね。極端な話、THE BEATLESを聴いて"なんだこの下手くそは!?"って言ってしまうとか(笑)。そうなってしまうと、ちょっと悲しいですよね。新鮮に思ってもらえたらいいんですけど。
-テンポ感やそういったフィーリング、バンドとしてのまとまりは、結成から9年というバックグラウンドがあってできてきたということですか?
Cazqui:......あんまり話し合わないバンドでして(笑)。
Daichi:ライヴとかでも思うんですが、"音を出すとひとつになるんだよな"って感覚はありますね。
-タイトルがちょっと独特な感じですよね。"無義道"っていうのは、人の道に外れることを意味する、聞き慣れない言葉なんですが、これはどのようにして決まったのでしょうか?
尋:理不尽なことってやっぱりあるじゃないですか。突然死ぬこととかもそうだし、ネガティヴっちゃネガティヴなんですけど。いじめられて、誰も助けてくれないっていうことがあるけど、誰か気づいてやってほしいっていう。逆に、ネガティヴなことを表しながら、そういうものを見捨てないでほしいっていうメッセージを投げ掛けてるんですよね。
-メッセージというと、サビの部分がめちゃくちゃ耳に残るんですよね。
Daichi:そういう意味では、サビは熱い印象ですよね。
尋:このEP全体を通して、"死"がテーマになってるんです。
Cazqui:シチュエーションは違えど結末は同じ、と。
尋:でも、ただ簡単に死ぬんじゃなく、そこに意味を含めて殺す、というか。なので、その反対側を見てほしいんですよ。"どうしたら死ななかったのか"とか。