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INTERVIEW

NOCTURNAL BLOODLUST

2018.03.06UPDATE

2018年03月号掲載

NOCTURNAL BLOODLUST

Member:尋(Vo) Masa(Ba) Cazqui(7-strings) Natsu(Dr) Daichi(Gt)

Interviewer:米沢 彰

-なるほど。今作は全体として、これまでのNOCTURNAL BLOODLUSTの中ではかなり異質な作品になっているように感じたんですが......。

Cazqui:『ZēTēS』を基準にすると、そう感じるかもしれないし、2ndアルバムの『THE OMNIGOD』(2014年リリース)を基準とすると、それに続く世界観である感じもするかなと。

-アルバムなど、もっと曲数が多い作品だったら入ってるような曲が多いなって感じました。

Cazqui:これまで、音楽的なところではデスコア/メタルコアという括りの範囲内で強い主張を持たせてきたので、それ一辺倒なイメージに難色を示す、あるいはそれ一辺倒をご希望の方もたくさんいらっしゃるかと思います。その当時の自分と近しい主張を、今や熱心な音楽ファンの方が代弁してくださったり、フォロワー・バンドの子たちが形態を真似て主張してくれるようになったりしました。ですので今作は、それとは異なるベクトルを持つ"次"の作品にしたかったんです。シューゲイザーとか、アンビエントっぽい要素も少なからずあって。

-シューゲイザーも。

Cazqui:MY BLOODY VALENTINEの系譜にあるMONOLANDとかすごく好きなんですけど......この手の音楽性で聴くことができるフィードバック・ノイズの轟音って、メタル/ハードコアで言う轟音とは異質なものじゃないですか。

-そうですね。

Cazqui:近年のポスト・ハードコアとかのミックスって、全部がしっかり聴こえるじゃないですか。もちろんノクブラもそれに近いミックスを施してもらうことはありますし、演奏家としては、プレイを鮮明に聴かせたい気持ちもすごくわかります。でも自分はリスナーとして......グシャグシャの残響音で構成された、曖昧な轟音に恍惚感を覚えるんです。なので「Solstice」と「WHITEOUT」は、そういう轟音になってますね。

-シューゲイザーって話が出てきて、より今作に納得した気もします。

Cazqui:"こんなのもどうですか?"って。美味しいと思うものを一緒に美味しく食べられる友達が、ひとりでも増えれば嬉しいです。MVの雪山で待ってますね。

-このタイトルの"Whiteout"という言葉は、視界がなくなるほどの猛吹雪=ブリザードという意味もありますので、もっと荒れた感じのトラックなのかと思ったら、どちらかというと"白に消えゆく"という状況を指しているようにも感じました。

Cazqui:このジャケットのような絵面から曲をイメージしていったんです。ジャケットができる前に個人的に用意したサンプル画像と、"雪"というテーマをみんなに伝えたら、尋が"WHITEOUT"っていうタイトルを付けてくれて。

尋:ただの"雪"だとちょっとラヴ・ソング的な感じになってしまうので、そこはノクブラだと"雪山殺人事件"みたいなイメージで(笑)。

一同:(笑)

尋:歌詞とかもそういうイメージなんで。雪山で遭難して誰も助けてくれない、みたいな。

Cazqui:猛吹雪のようなコーラス・パートの音像と、雪がしんしんと降り積もっていくような中間部のアンビエント・パートっていうのは、雪山や雪原の様々な表情かもな、と。

尋:映画の"エベレスト"ってあるじゃないですか。ああいうイメージですね。

-アートワークも今までにないパターンですよね。

Cazqui:ライヴ写真/映像を手掛ける高山和久氏によるものです。

-なるほど。っていうことは、これは全部実写なんですね。

Daichi:そうです。ミュージック・ビデオを撮ってもらった山で撮影して、それを加工してもらった感じです。まぁ、EPだからというのもあって、ちょっといつもと雰囲気の違う感じでもいいのかなと。

Natsu:シュコー(※マイクが拾っている呼吸音。断続的にずっと聞こえている)。

一同:(笑)

-ダースベイダーみたいな音がしてますけど(笑)。

Daichi:何、寝てんの(笑)?

一同:(笑)

Cazqui:あ、そうだ思い出した。「WHITEOUT」って、ギターで作った"ゴー"っていうホワイトノイズが絶えず鳴ってるんですよね。それがあの独特の雰囲気を醸し出すのに一役買ってます。この呼吸音みたいな(笑)。