DISC REVIEW
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ノクブラ約8年ぶりのフル・アルバムは、ここ数年続いたバンドの苦難を微塵も感じさせない圧巻の作品に仕上がった。MVにもなったリード曲のTrack.7は壮大なストリングスと、ヘヴィでアグレッシヴなサウンドが複雑な展開を伴いながら絡み合い、彼らの極限の音楽性を1曲で体現した圧倒的完成度の楽曲として存在感をひときわ放つ一方、超絶極悪なTrack.5、難解な構造を備えたTrack.2、アルバムに緩急をもたらす疾走感のTrack.3、ドラマ性を孕んだTrack.10、インダストリアルなテイストでヘヴィ・サウンドの別口のアプローチを見せるTrack.8など、1曲残らずすべてが強烈な個性を放つ。もはや異次元に達したと言える現体制ノクブラが放つ、エクストリーム・サウンドの現在形。 米沢 彰