DISC REVIEW
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古き良きクラシック、80年代の正統派メタル、90年代のJ-POP、現代風のデジタル音を数珠のように繋ぎ合せた5人組の2ndアルバム。湿り気を帯びた流麗なギター・サウンド、カラフルなキーボードなど、個々のスキルは非常に高いが、あくまで楽曲を引き立たせるためのアプローチに徹したバンド・サウンドがいい。今作では"合唱"をテーマに据えているが、それもメロディや曲世界に寄り添う形で、彼らが持つドラマ性やキャッチーな魅力をより一層際立たせている。「Freesia」の中盤にフッと挟まれるアコギの音色、バラード調の7分越えの大作「永遠のブルー」、ラストを飾る表題曲のアカペラ・パートといい、細部のこだわりと丁寧な曲作りに唸らされる1枚。大きな会場で映えそうな楽曲なので、ライヴ・アレンジにも期待したい。 荒金 良介