DISC REVIEW
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鋭く響く叫びや、唸るような轟音、衝動のこもった律動。この1枚の中に渦巻いている音たちは、すべて摩天楼オペラが魂を震わせた結果として生まれたものだと言えよう。Anzi(Gt)脱退という昨年の体制変更を受け、彼らがどれだけのダメージを負ったかは想像に難くない。だが、それでも彼らは走り続けることを選び、今日に至っている。正直、昨秋に発表された前作ミニ・アルバム『PHOENIX RISING』については良くも悪くも"満身創痍ななかでのカラ元気"を感じざるを得ないところがあったものの、今作についてはそこからの解脱を果たしたうえで未来に向け完全に腹が括れた姿勢が強く感じられる。そう、彼らはここに英雄の魂を手にしたのだ! 杉江 由紀