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LIVE REPORT

零[Hz]

2023.11.09 @EX THEATER ROPPONGI

Writer : 杉江 由紀 Photographer:菅沼剛弘

隠し切れない生真面目さが、音はもちろんのこと、パフォーマンスの端々に出てしまうあたりが零[Hz]の微笑ましいところだったりするのかもしれない。

昨年はZepp DiverCity(TOKYO)でのワンマン、今春には中野サンプラザでのワンマン、そして6月にはZepp Shinjuku (TOKYO)で全国ツアー"REGION ZERO"のファイナルも経験してきた零[Hz]が、このたびは全23公演に及ぶ全国ツアー"零[Hz] ONEMAN TOUR「THEATER of BRAT」"の締めくくりとして開催したEX THEATER ROPPONGI公演は、彼らの臨んできたツアーの成果が如実に表れた内容に終始していたように思う。

"今回の「THEATER of BRAT」というツアーで、零[Hz]はここまで22本のライヴをやってきました。僕たちはいろんな場所で「チームゼロヘルツ」たちと出会って、みんなにたくさんのことを伝えて、みんなからもいっぱいパワーを送ってもらって来て、そのうえで今日こうして23本目のファイナルを迎えられていますし、そのことをとても幸せに思います。
「BRAT」っていうのは悪ガキみたいな意味のある言葉で、気持ちとしては「クソガキだった頃のガムシャラな精神を忘れないでいようぜ!」っていう意味も込めて付けたツアー・タイトルだったけど、結局こうやってライヴの場でみんなに向けて話そうと思うと、なんだかんだで真面目な感じになっちゃいますね(笑)。こうやってライヴに来てくれる「チームゼロヘルツ」のみんなには本当に感謝してるし、僕らはその想いをこれからも音楽で精一杯お返ししていきたいと思ってます。これからも、みんなが零[Hz]と一緒に道を歩んでくれたら嬉しいです。よろしくお願いいたします!"(ROY/Vo)

彼らの言う"ガムシャラな精神"は今回のセトリからも感じられたところで、なんと実質的な1曲目となっていたのはシングル『VENOM』のカップリング曲であった「Changing Mrs.SATELLITE」(※A typeのみ収録)。いわゆる代表曲の類ではないものをあえてド頭にぶっ込んで来るあたりには、そこはかとない攻めの姿勢を感じた次第だ。かと思えば、ROYのアグレッシヴなヴォーカリゼイションに対して"チームゼロヘルツ"たちが激しいヘドバンで応えた「ゾクセメランコリヰ」や、TEIKA(Ba)のベースラインが映えていた「Aim for HEAVEN」についても、これまたシングル『SURVIVE』のカップリング曲たち。

もともとはメンズ・アイドルへの外部提供曲だったものの、今や零[Hz]の持ち曲として完全に定着した「心中メリーゴーランド」の響き方も艶やかであったし、それでいて8曲目に演奏された「Loved One's」で聴けたLeo(Gt/Prog)のアコギ、Rio(Gt)のセミアコ、RYOGA(Dr/Mani)のパーカッションは心洗われるような音を存分に堪能できたのだが、これも実は『VENOM』のカップリング曲だったもの。

もちろん、本編ラストでは最新シングルのタイトル・チューン「TRINITY∴ONENESS」とカップリング曲「6ad6i6le」(※A typeのみ収録)が連打される場面もあったとはいえ、今回のライヴでは零[Hz]がこの5年でいかに実直な姿勢をもってすべての曲を作り上げ、それをライヴで磨き上げてきたのか、ということが彼ら自身によって証明されたのではなかろうか。シングル曲も代表曲も関係なく、零[Hz]の生み出すものはすべて珠玉であることが改めてよくわかった。

来春にはいよいよ6周年を迎え、それを踏まえての東名阪ツアー"ZEROHZ 6th ANNIVERSARY LIVE「SIXAXIZ-2024-」"が開催されるとのこと。どうあろうとも隠し切れない生真面目さを武器に、彼らはきっと次の未来も切り拓いてくれるはず!

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