INTERVIEW
零[Hz]
2022.05.11UPDATE
2022年05月号掲載
Member:ROY(Vo/Lyric) Rio(Gt) Leo(Gt/Prog) TEIKA(Ba) RYOGA(Dr/Mani)
Interviewer:杉江 由紀
零[Hz]は夢物語を描くのではなく、自らが主人公となり夢を生み出していくことを実践しているバンドだ。零[Hz]の最新フル・アルバム『ZODIAC』は、今現在の彼らが備えるポテンシャルをすべて詰め込んだ充実の作品であり、現在は目下その世界をライヴの場で提示していくために、全国ツアー"零[Hz] ONEMAN TOUR「ZODIACT TALE」"にいそしんでいるところとなる。アルバムのリード・チューン「TRAUM」で歌われている、"理想論じゃない/それが真実なんだって魅せてあげる"という歌詞の通り、9月27日にZepp DiverCity(TOKYO)にて開催される、ツアーのグランド・ファイナル公演"零[Hz] ONEMAN TOUR「ZODIACT TALE:ACT2」-FINAL-"では、輝かしき真実があらわになるはずだ。
-零[Hz]は現在全国ツアー"零[Hz] ONEMAN TOUR「ZODIACT TALE」"を遂行中であり、そのグランド・ファイナルとして9月27日にはZepp DiverCity(TOKYO)での"零[Hz] ONEMAN TOUR「ZODIACT TALE:ACT2」-FINAL-"に臨むことになっているわけですが、4月に出たばかりの最新アルバム『ZODIAC』は、タイトル通りに12星座をモチーフとして構成していったコンセプト作品となっているそうですね。そもそも、このアイディアはいつどのようにして生まれたものだったのでしょうか。
ROY:零[Hz]はこれまで2018年に『零聖戦』、2019年に『ZELM』と2枚のアルバムを出してきているので、まずは今回もまた、アルバム・タイトルはZから始まる言葉にしたいなと思っていたんですよ。そこから"ZODIAC"という言葉と出会うことになりまして、これだったらコンセプトとしても面白い広がりをしていきそうだなとなり、そこにいろいろと落とし込んでいくかたちでのアルバム制作をしていくことになりました。
Leo:もともと零[Hz]にはいろんなタイプの曲がありますし、今回のアルバムに関してはよりその幅を広げていきたいとも考えていたので、12星座にそれぞれの曲があてはまるくらいの感覚で作っていこうという姿勢は僕も意識していました。
-では、各メンバーのみなさんが、今作『ZODIAC』を仕上げていく際に留意されていたことなどがあったとしたら、それはどのようなことでしたか。
RYOGA:実は、零[Hz]がフル・アルバムを出すのって3年ぶりなんですよ。だから、僕らとしても待ち遠しかったところがあったせいか、レコーディングに向けては全員の気持ちもすごく一致団結してたんですね。そして、この3年で進化してきたところをドラマーとしても、バンドとしてもこのアルバムには反映させられたんじゃないかと思ってます。ドラムの音色ひとつをとっても、Leoとふたりで結構細かいところまで詰めながら作っていきましたね。
Rio:零[Hz]としてはこの間の3月に4周年を迎えて、今5年目に入ったところなんですけど、メンバーと一緒にいる時間がこのところはさらに増えてきていることもあって、お互いに対する理解がより深まってきてることも、今回のアルバムを作っていくうえでは、すごくいいかたちで生かせてるんじゃないかと思います。
Leo:曲数の面でも、このアルバムを出すことで僕らは持ち曲が50曲を超えたんですよね。当然、これまで作ってきたものと似通った曲を量産する気はないですし、零[Hz]はたとえ新しいことや今までになかったことをやったとしても、そこにメンバーの書いた詞が乗ると、あとはROYがなんでもちゃんと歌えてしまうので零[Hz]っぽさは自然と生まれるんですよ。今回は「enigma」という曲でEDM要素を取り入れてますが、これも前に作ったEDM系の曲より確実に進化していると思います。
ROY:まぁ、今Leoは"なんでも歌える"って言ってくれてましたけど、でも新しい曲や前より進化した曲が出てくるたびに、自分としては毎回挑戦をしている感じですけどね。今回のレコーディングでも難しい曲が多かったし、このアルバムを作り終えたときは"よく頑張ったな!"って自分を褒めてあげたくなりました(笑)。
TEIKA:自分の場合、音楽的なところは周りのメンバーに任せちゃってるところがわりと多いぶん、今回のアルバムに関してはプロモーション展開の部分にも力を入れてますね。アルバムを出して、ツアーをやって、9月27日にはZepp DiverCity(TOKYO)でファイナルを迎えるという流れを踏まえながら、ゲキクロ(GEKIROCK CLOTHING)さんとコラボさせていただいた件もそうですし、テレビとのタイアップ(TV朝日"お願い!ランキング presentsそだてれび")でリード・チューンの「TRAUM」を流すことになるとか、流れを作っていくことで、反響みたいなものも今回はかなり増えているなと感じてるんですよ。バンドにとってのアルバムはその時期の状態をそのまま表すものだとも思うし、制作と広報をうまく連動させることでより多くの人たちに自分たちのことを知ってもらう、自分たちの音を聴いてもらう、ということは大事だなと改めて感じてます。
-なお、今作は初回限定盤も通常盤も12星座になぞらえての12曲収録となっていますけれど、その中におけるメンバー個々にとっての推し曲をここで挙げていただけますか。まずはRYOGAさん、お願いします。
RYOGA:どれも好きだから難しいなぁー。とにかく日によっても気分で変わるんですけど(笑)、僕はこの間から始まったツアーで実際にやってる手応えからいくと、「BAKEMONO carnival」がドラムを叩いててすごく楽しいです。
Leo:「BAKEMONO carnival」はRioがこのタイトルと詞をつけてくれた段階で、音に8ビット時代みたいな懐かしいゲーム音を入れてみたり、思い切りガチャガチャした感じを出したりして、自分なりのカーニバル感を音に盛り込んでいった感じでしたね。
Rio:でも、もとはと言えば僕はLeoが作ってきてくれたデモを聴いて"BAKEMONO carnival"っていう言葉が頭の中に浮かんだから、曲ができた時点でこの曲は楽しい雰囲気っていうのが漂ってたんだと思います。
ROY:この歌詞の"わけのわからなさ"がいいですよねぇ。歌はRioが"こんな雰囲気で歌って"って僕の目の前で歌ってくれたんで、レコーディングではその雰囲気をわりとそのまま生かすようにしていきました。この曲は自分なりに咀嚼して歌うとかではなく、あえてわけのわからないまま歌ったところがポイントかもしれません(笑)。
-では、TEIKAさんの推し曲は?
TEIKA:やっぱり、アルバムの1曲目でリード・チューンにもなってる「TRAUM」です。曲としてもカッコいいし、歌詞もすごく好きなんですよ。コロナとかがあるなかでバンドを続けてきたこともあって、やりたいことをやり続けるのも実はしんどいとか、自分的にはバンドマンだけど世間から見たらフリーターとかに見られがちとか(苦笑)、そんな経験をしてきた自分にとってこの歌詞はほんと胸にグッときちゃいます。
-"叶えられない事もあるかもな/でも叶えられる事も必ずある"という、希望を感じさせる歌詞は特に素敵ですよね。
TEIKA:自分にとっては"いろいろあったけどバンド続けてきて良かったな"、そして"これからも続けていきたいな"って思わせてくれる曲なんですよ。だから、今ツアーでやってても毎回この曲はやるたびに泣きそうになっちゃうんです。自分たちの曲にそこまで感情移入できることや、自分たちの曲に今こうして背中を押してもらえてることって、とっても幸せだしすごいなって日々感じてます。
ROY:「TRAUM」は自分の中の夢に対する素直な気持ちを書いた詞ですね。
Leo:このアルバムは僕らが前の事務所から独立してから初めて出すアルバムだし、9月にはZepp DiverCity(TOKYO)のライヴが控えているというタイミングもあって、今こういう曲を作ったらROYはきっとこんな歌詞を作ってくれるんじゃないかな? と僕は予想していたんですけど、ここでは完全に期待以上の詞を書いてくれましたね。しかも、この曲のMVがまたいい仕上がりなんですよ。ここまでの4年間濃い時間を共に過ごしてきて、さらにここから同じ夢に向かって一緒にこの5人でバンドをやっている空気感が、映像の中からも感じられるようになってるんです。
-たしかに。クールにキメているシーンの中に、5人で無邪気に笑い合うオフショットもインサートされたりして、今の零[Hz]のリアルな姿が詰まっていますものね。
Leo:今までMVは全編カッコつけて撮ってたんで、ああいうオフショットを入れるのはちょっと恥ずかしかったですけどね(笑)。でも、あれは入れて良かったなと思います。