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INTERVIEW

NOCTURNAL BLOODLUST

2019.07.23UPDATE

2019年07月号掲載

NOCTURNAL BLOODLUST

メンバー:尋(Vo) Lin(Gt) Masa(Ba) Natsu(Dr)

インタビュアー:米沢 彰

-個々の話をする前に、作品の特に前半からは、これまでの路線とはかなり異質なものを感じました。変えようと意図してやってるのではないかと感じたのですが、実際のところはいかがでしたか?

尋:変えようと意図してやりました。まず3人になって、続けるってことになって、どうしようかってときにギターのLinが決まって、なんとなく構想はあったんですよ。とりあえずここまで来ましたって言える僕らの位置があったじゃないですか。で、今まで通りの音楽でやったときに、同じ位置にしかならないと思ったんですよ。だったらもっと違うこと、もっと面白いことをしないと。インパクトがないとこれ以上は行けないだろうし、ただバンドを続けるだけなら誰でもできると思うんです。これまでと同じことをやってもまったく同じ道を辿るだけなんで、バンドをやるんだったらちゃんとみんなで頭使って考えて、何をするかということをまとめてみんなでやりましょうって。それで、今までと同じことをしませんとみんなで話し合って決めたんです。別に挑戦と言うほどでもないですけど、本当に僕がやりたかった曲もあるし、個々にやりたかった曲というのもあって。前向きに話し合った結果ですね。

-クレジットがメンバーではなくバンド名義になっていますし、制作面ではそもそものやり方から大きく変わったものと思いますが、今作はどのようなプロセスで制作していったのでしょうか?

Masa:今までと比べて共同作業が増えたかなって感じですね。

-それはスタジオに入って作っていくということですか?

Masa:いえ、レコーディングの現場とか、そのときのイメージで変えていって。そこでみんなで作ってる感がありました。

尋:Natsuがいろんなドラムのアレンジをしてくれていて、それひとつでヴォーカル・ラインの乗せ方とかが変わるし、いろんなパターンを作ってみたり、いろいろ試してみましたね。

-では、曲の原型は誰かが持ってきてというところは変わらなかったのでしょうか? それを土台にしてみんなで作っていったという感じですか?

Lin:そうですね。お互いに結構自由にいじっていいよって感じです。

Natsu:そのデモの段階の完成度がいい意味でフラットというか。白紙を作るって感じだよね。そこにペイントする感じ。

尋:今まではデモでガチガチに作り込んでくるって感じだったけど。

Masa:各々好きなようにやってみて、原型を作って、あとは自由にどうぞって。そのほうがいろんなサウンドも変わっていいかなっていう。逆に今までと同じような感じにならなくていいんじゃないかなって。

-なるほど。やり方も変わってきていますね。プロローグを抜けて、実質的なオープニング・トラックとなる「Thank You」ですが、いきなりぶっちぎってるトラックです。サウンドとしてはLinさんのDjent色が色濃く出ていて、Djentの刻みと尋さんのピッグ・スクイールが共存するという、これまでありそうでなかったトラックになっていると思いました。

Lin:ないんじゃないのかな。でもあんまりそうやって聴いたり、作ったりしてないですね。あんまり形を決めちゃうとその範疇で収まっちゃったりするので、何も考えないで、"この音重ねるとかっこいいかな"っていうのをどんどん重ねていったりするという作業が多いです。

-その場その場で出てきたアイディアも含めてってことですよね?

Lin:全員が集まってるタイミングでいきなり"これこうしない?"とかは結構ありますね。それでカッコ良くなるなら、それでいいと思いますけど。

-楽曲としては後半の変拍子っぷりも含めて、かなり変態だなぁと思いました。

Lin:ちゃんと聴いている人にしか、そういう、いろんな要素が入ってるという発見はできないと思うんですよね。雰囲気でMVを観ているだけの方々にはわからない仕掛けがいっぱい入っている曲です。

-ドラムの回し方とベースの刻み方で、同じパートの中でも少しずつ違いを出していくところとか、ほんと細かいなぁと思います。リズム隊から見てこの曲の聴きどころなどありましたらうかがえますか?

Natsu:そうですね。プリプロでマイクを立てて叩いてってすると、どうしても自分の癖とかエゴが出てしまうんですよ。今回は久しぶりに全部打ち込みでやって、その段階でかなり作り込みました。とにかく主観的にならずに第三者目線で見れるので、どうやったら曲に一番いいドラムができるんだろうって考えられて。録ってみると違和感があって"俺のドラムっぽくないな"って思っていたんですけど、結局こっちのほうがいいなってなりました。レコーディングでは都度"ドラムをもうちょっとこうしようよ"って話もできましたね。

-「Thank You」ではベースもいろんなアプローチをしていますよね。

Masa:そうですね。前よりは存在感のある音にしています。でも基本的にはLin君を立たせるようにしています。ギターを推すスタイルでやっていますね。

-このテンションの曲のすぐあとにいきなり"筋トレ! 筋トレ!"(「マッチョ オブ ザ ワールド」)って始まって。ここまででこれまでのノクブラ像からここまでで一気にかけ離れていくのですが、この曲の並びも意図的なものですか?

尋:はい。インパクトあるじゃないですか。トレーニング・ハードコアっていうジャンルなんで。

Lin:でもあの流れは誰が聴いてもヤバいです。

Masa:いろんな意味でね。笑っちゃったもん(笑)。

Natsu:目に留まるって一番いいと思うんですよ。なんでもそうですけど。

尋:今までのノクブラがやってた曲って、歌詞も誰も調べないし、タイトルなんてさらっと見て終わりじゃないですか。もっとこうタイトルから曲に直結する感じがないと。"マッチョ オブ ザ ワールド"って"は?"ってなるじゃないですか。めっちゃ気になると思うし、それももちろん狙ってやってます。

-カタカナの曲名ですしね。

尋:カタカナの曲名って初じゃないっすか?

Masa:初だね。

尋:印象に残さないと意味ないよね。

-この曲は尋さんのキャラを全開で出しちゃっていますね。

尋:生き生きしてます。これ聴いてみんながトレーニングに励んでくれたら"完璧"ですよ。

-続く「SHOWTIME」も歌いまわしなどではっちゃけた感じがすごく強いです。これまでとかなり違う地点を目指すことになったのかなと思いましたが、ご自身ではいかがですか?

尋:歌詞の内容的には好きなバンドがいて、初めてライヴハウスに行った気持ちを思い出そうって。自分の小さい頃、学生の頃のことを書いているんですけど、それをどうやって面白く伝えられるかな、みんなと気持ちがリンクするかなって考えてたんです。これは俺の勝手な考えなんですけど、結構みんな同じ行動をとりながらライヴハウスに入るんだろうなって。これ聴いてなんかバンド楽しいなとか、ライヴ楽しいなってなってくれたら、みんなで騒げるんじゃないかなって思ったんです。

-最初の方におっしゃってた、今まで以上に突き抜けようとしているスタンスを表した曲なんだと思いました。

尋:そうですね。今まで以上にいろんなものを巻き込みたいですね。

Natsu:畑の垣根を越えて。

尋:そう。もっと視野を広くって一番言っていたことで、そこに重きを置いて。今まで好きで陰キャやってたわけじゃないんですよ。本当は陽キャなんで。太陽のようにバーッと解き放って、まさに"UNLEASH(解放)"してますね(笑)。