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INTERVIEW

ナノ

2018.08.16UPDATE

2018年08月号掲載

ナノ

インタビュアー:吉羽 さおり

-教訓になっているんですね。そしてもう一方のアニメ盤のカップリング曲が、「A Thousand words」です。こちらはとても美しいロック・バラードになりました。

これはみんなに聴いてほしいですね。カップリングを何にしようかという打ち合わせで、自分が"バラードをください"ってリクエストをしたんです。あまりバラードがないので、ライヴのセットリストを決めるとき困るんですよね。ナノの楽曲は速い曲ばかりで、全部BPM200みたいな感じなので、ちょっと休ませてくれっていう気持ちがあって(笑)。作曲をしたWEST GROUNDも波乱万丈な人生の人間なので、"バラードに今のこの気持ちを込めたいです"っていう感じで、すごく心を込めて書いてくれて。自分もとにかくバラードを書きたかったので、歌詞も今まで挑戦しなかったタイプの歌詞を書こうっていうことで、お互いにとってパーソナルな曲になったなって思ってます。大勢の人に歌っているというよりは、ひとりに囁き掛けているような曲にしたかったんです。

-曲の構成自体もドラマチックで。最初に出てくるサビが最後にもう一度出てくるんですが、転調していて、同じ歌詞でも意味合いやトーンが変わって聞こえてくる。そんな繊細さもあって、グッときます。また、淡々としたギターのアルペジオが貫かれているところも意識的なものなんだろうなと、随所でこだわりを感じる曲です。

ループ感があって、心に馴染む感じのサウンドにしたくて。普段聴き慣れたものや、心に馴染む音っていうのが、この曲では表現できたかなって。

-今までの歌詞は、内面的なところを歌っていても、"前を向いて強くあろう"っていう思いがあったと思うんです。この曲では、もうちょっと内省的な感じのままというか。

そうですね。英語のことわざに、"a picture is worth a thousand words"っていうのがあって。直訳すると、"ひとつの絵は千の言葉よりも語る力がある"というもので。千の言葉ではとてもじゃないけれど表せない気持ち、千の言葉を費やしても伝えられない想いをテーマにしている曲ですね。

-こうしたパーソナルな、語り掛けるような曲を日本語詞で伝えているのも新しい感じと言えますね。

今回は最終的にそうなったんですけど、わりと日本語詞が多いシングルになったので。これまで自分は英語で、海外の人たちにも馴染めるように、海外の人にも聴いてもらえるようにっていう努力をしていたんですけど、今回のシングルは逆に、自分の日本人の部分を引き出して表現する、いいきっかけかなと思ったんです。それでも100パーセント日本で育った日本人にはなれないですけど。聴いてくださる方にとって、"こういうナノさん、あまり知らないな"とか、"こういう部分もあったんだ"という新しい発見になるかなと思って、挑戦した感じですね。

-ここからライヴのお話も聞いていきたいのですが、今年5月にはデビュー5周年の記念ライヴとして、"ナノ 5th Anniversary Concert ~Symphony of Stars~"(5月6日に東京芸術劇場コンサートホールにて開催)と題してオーケストラとのコラボレーション・コンサートを行われました。このライヴはいかがでしたか。

一生忘れないコンサートになったなと思いますね。そもそも、"自分の曲はオーケストラ・アレンジできるのか?"っていう疑問から入って。"ここまで速いロックの曲をオーケストラ・アレンジするって、至難の業じゃないのかな"って思ったんですけど、やっているうちに、すごくしっくりきたというか。これはありだな、むしろ、これ好きだなって思いましたね。アレンジで別物になっているけど、これが原曲って言われても納得するくらい、すべてのアレンジがしっくりきましたし。なかなかオーケストラに囲まれて歌うこともないですからね。

-ものすごい音圧を背負って歌う感じですもんね。なぜオーケストラとやろうというお話が出てきたんですか。

何か特別なものをやりたいっていう気持ちがあったんです。どのライヴも特別ですけど、来てくれる人たちが、"こんなの体験したことない"っていうものを届けたかったし、奇跡を起こしたかったというか。もともと、クラシックは大好きなので。これしかないかなって思いました。

-またアジア圏以外でも、今年はナノさんが生まれ育ったアメリカでの初のライヴ(5月26日に開催された"FanimeCon"に出演)も実現しましたね。

これは、今まで5~6年や活動してきて、ひとつの夢が叶ったなっていう気持ちでしたね。ステージに立つ前からちょっと感動しちゃっていたというか。自分が生まれた地で歌えるっていうのは、特別だなって思いましたね。お客さん自体は、自分のライヴを初めて観る人がほとんどだったのにもかかわらず、こちらの気持ちとしては、親離れをして、一生懸命社会で成長して、初めて帰省して、"こんなに育ったよ、ちょっと見てよ"って、親に見せているような気持ちでステージに立っていたんですよね。"ただいま、成長したでしょ?"っていう気持ちで。お客さんは、ひたすら盛り上がって楽しんでくれていたし。今までにないエネルギーでしたね。

-12月にはワンマン・ライヴ"A Thousand Stars"(12月22日にAiiA Theater Tokyoにて開催)も決まっていますし、SNSを見ていたりすると、新たな制作に入っていることも窺えるので、ここから先も楽しみです。

12月のライヴは決まったばかりで、これからいろいろとプランを練っていくんですけど。これまではあまり、ウィンター・コンサートとか、何かテーマ性を持ったライヴってやったことがなかったんですよ。なので、ちょっとウィンター感を出せたらいいなと思いますし、ちょうどクリスマスも近いので、ホリデー感を出せたりとかもできたらいいなと思いますね。今は、いろいろと制作にも入っているので、この先の1年間くらいはみなさんに期待してもらえたら嬉しいですね。ワクワクする1年になるなと思ってます。