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INTERVIEW

打首獄門同好会

2018.01.11UPDATE

2018年01月号掲載

打首獄門同好会

メンバー:大澤 敦史(Gt/ Vo)

インタビュアー:吉羽 さおり

後世のバンドマンやいろんな人に、こういうやり方でもこうなれるんだっていうひとつの例として示せると嬉しい


-(笑)バンドをやりながらいろんな試行錯誤をしてきたと思いますが、こうして打首が長く続いた理由はなんだと思いますか。

たぶん、マイペースだったからだと思うんですね。"売れるために"と肩の力が入っていることがそんなになかったというか。あとは、ワンマンとしては賭けに出るというのはあったんですけど、ほかに賭けはそんなにしなかったんです。バンドを始めた若者の心情でよくあるのが、ここまでに成果が出なかったらやめるとかだと思いますけど、そういうのがなかったんですよね。目の前のライヴをきちんとやるとか、足元を見ていたので。持論なんですけど、山の頂上を見ながら山を登ってると疲れるんですよ、なかなか近づいてこないから。もっと目の前の、あそこの山小屋を目標にしようとかいう話なら、辿り着けるわけですよ。そしてその山小屋に辿り着くと、ちゃんと達成感があるんですよね。それを繰り返していて、たまに見上げるといつのまにか頂上に近づいているという。そういうやり方だったから、モチベーションも維持できていたし、無理もしなくて済んだし、長持ちしたんじゃないかなと思います。

-たしかに、若いバンドだと、25歳までにとか、30歳までに結果を出さないと、っていうのがありますよね。そういう話は違うなと?

学生時代に仲良かった奴が23歳で音楽をやめちゃって、なんだよっていう感じだったんです。そういう問題じゃないだろうっていうのは、そのとき内心思っていたんでしょうね。プロになることだけが音楽の道なのか? みたいな。若者なりにそういう思いがあったんですね。音楽をやりたくなくなったときが、やめどきだろうって。たぶん、社会的地位や仕事的な成功だ、失敗だっていうのを、音楽をやる動機よりも上には置かなかったんです。ただ、稼げた方が、より音楽活動がしやすいという事実はありますのでね。音楽はやる、そのうえでちゃんと稼げるならこしたことはない、くらいの考え方が、無理な目標を立てずに済んだことの表れなのかなと。

-改めて話を聞いていると、マイペースに自分の音楽を追求しながらライヴハウスで活動をしてきて、その結果、武道館というところが目の前にきてと、いい道筋を作っているんじゃないかなと思います。

後世のバンドマンやいろんな人に、こういうやり方でもこうなれたっていう、ひとつの例として示せるといいなと思ってます。

-ペースとしてはマイペースですが、人を巻き込む力っていうものが打首にはあったと思います。それはなんだと自分では思いますか。

それはきっと、いたずら心だと思いますね。こうしたら儲かるだろう、こうしたら売れるだろうというのよりも、こうしたら面白いんじゃね? という。これ面白くね? ってやって、観てる人がゲラゲラ笑ってると"だよね"って調子に乗ってくるみたいな。だから、儲からなくても面白いことやろうぜっていう気持ちは、どこかにあるかな。これは、大きな声では言えないですけど(笑)。

-周りがやってることで、これはやられた、悔しい、と思ったものはありますか。

他の人がやったいたずらが見事だと悔しいですよね。ひとつ例をあげるなら、岡崎体育の「MUSIC VIDEO」(のMV)ですよね。あれは本当に面白かったので、悔しかったですね。あぁ、それ面白いなっていう。

-では音楽的なところで、これは悔しいな、やられたなっていうことは?

音楽的なところでは、あまりないですね。自分の作りたい音楽は自分が一番熟知しているから、それを先にやられない限りは。もし、ものすごい趣味が被る天才が現れて先にやられたらジェラシーを感じるかもしれない。だから、よそのバンドのこの曲いいなっていうのは、嫉妬とかなしに純粋に好きって思えるんですよ。俺は作らないタイプの曲だけど、この曲いいなとか思えるんです。

-では、もともとギター少年だったということで、ギタリストとしてはどうですか。ここは今もこだわりが強いところだと思うんですが。

今はギター・ヴォーカルになってしまっているので、演奏もどんどんシンプルになっているし、ギタリストとしてテクニカルなところを目指す余裕もないんですけど、この人のギターの音いいなって思ってしまうと、ちょっと悔しい。あのギターの音、俺のよりちょっといい気がするっていう(笑)。俺の好きな音を、俺よりうまく出してるなっていうのは悔しいですね。

-なるほど。今回の『冬盤』に関しても、サウンド的にかなりこだわり抜いて作り込んでいると思いましたが。

ありがとうございます。いちギター・ヴォーカルが口に出す域じゃないところまで言ってますからね。"トップ・シンバルのマイキングを変えようぜ"とか"この何分何秒の、何々の輪郭が見えない"とかを、ズラーっと書いたメールをエンジニアに投げるんですけど、自分でもエンジニアが気の毒になりますね(笑)。自分でレコーディングをしたこともあったり、ギタリストが使わないようなエフェクターも自分でいじっていろいろ研究したりして。実際に作業は専門の人に任せるんですけど、"ここは、こうこう、こうだと思うんですけどちょっと試してみてくれますか?"とかやりとりするので。めんどくさいと思いますね。

-この『冬盤』の3曲目に、「布団の中から出たくない」という曲がありますが、これが普段のヴォーカルとは違った素の声で歌っていて、新鮮でした。

曲を作ったはいいけど、この歌い方をしたことなかったので慣れなくて(笑)。しかも、実はこれが今回のミュージック・ビデオになる曲なんですよ。