INTERVIEW
NOCTURNAL BLOODLUST
2017.03.08UPDATE
2017年03月号掲載
Member:尋(Vo) Masa(Ba) Cazqui(7-strings) Natsu(Dr) Daichi(Gt)
Interviewer:米沢 彰
-なるほど。全22曲とかなりのボリュームですが、選曲はかなり悩んだんじゃないかと思います。どのような意図をもって選曲を進めたのでしょうか?
Masa:ライヴでよくやる曲だったり、あとは各々入れたいなっていう曲のまとめですね。その中から厳選してって感じです。
-もとから2枚組にしようっていうのは決めてたんですか?
Masa:そうですね。1枚じゃ難しいなって。ちゃんと、いろいろ種類分けというか、曲がバラけるようにしたかったんです。いろんな曲があるよっていうのを伝えたくて、2枚組にしました。
-それで選曲から漏れた曲もあるわけですよね?
Masa:まぁ、全部入れればいいってわけでもないですからね。あくまで、各アルバムにいろんなアプローチをしてる楽曲があるので、それの入門編っていう感じで、それぞれ選んでて。なので、もちろん全部は入れられないですね。あとは、全部入ったらつまんないんで(笑)。
-全部入っちゃったら、それは全曲集になっちゃいますもんね。
Masa:あれです、デパ地下の試食コーナーでいろんな料理の試食を集めました、みたいな。で、興味あったら、そこからまたアルバムを掘り下げてってくださいっていう感じです。
-今回のリリースに伴ってリマスタリングやリミックスなどは行ったのでしょうか?
Cazqui:してますね。あとは、尋のヴォーカルが要所要所で再録されてます。
-それは、全曲見直して、手を入れた感じですか?
尋:録り直したい曲があったので、それを個人的に録り直してますね。
-具体的に録り直した曲っていうと?
尋:結構あります。
Cazqui:すごくリスナーにわかりやすいのは、「FATE」("DISC 2"Track.7)かな。
尋:まぁ、「FATE」とか。例えば、ハモりの部分だったらほとんど録り直してるところがありますね。
-では、このベストの制作には時間もかかっているんですね。
Cazqui:尋はすごい早い段階で録ってくれてました。
-それって、音源として出しててライヴを重ねてくるなかで、自分の中のイメージが変わってきたということですか?
尋:それもあるし、結果的に歌唱力が変わってるので。今の歌唱力で歌って出したいなって。
-なるほど。そうすると、持ってる人にももう一度聴いてほしいってことになりますね。
尋:そうですね。
過去は過去でしかないので"今がイケてない"ように映るベスト盤は嫌だな
-あとは、今回入れた新曲について教えていただきたいのですが、「BREAK THIS FAKE」("DISC 1"Track.2)と「Calamity of Victims」("DISC 2"Track.2)の2曲で合っていますか?
Cazqui:その2曲ですね。
-ちょうどどちらも頭にイントロがあって始まるっていう。
Cazqui:関係者の方々に"ベスト・アルバムが新曲から始まるのは滅多にない。珍しいね"と言われます。たしかに、14曲目とかにあるイメージ(笑)。
-そうなんですよ。だから私も始めに最後から聴いて、そしたら"あれ?"って(笑)。
Cazqui:活動中のバンドにとって過去は過去でしかないので、"今がイケてない"ように映るベスト盤は嫌だなと。普通はボーナス・トラック的な感じですよね(笑)。今回のベストは既存のファンにもこれからのNOCTURNAL BLOODLUSTを示していける、いい機会だと思いまして。作ってみて結果的に、良いものができたと自負しています。
-その新曲2曲について、どういった曲なのでしょうか?
Cazqui:「BREAK THIS FAKE」に関しては、いわゆるクラシック・ロックの王道を踏襲した、NOCTURNAL BLOODLUSTとしては直球な楽曲ですね。つまり、完全にバンド・サウンドを基調としていて、ギター・リフが楽曲をグイグイと引っ張っていくスタイル。このベストには、ストリングスを用いたり、華やかな装飾を施した過去曲が数多く収録されています。それを取っ払って、楽器陣の音だけでアイデンティティを表現しようと思いまして。それができなければ自分はヘヴィ・メタル/ハード・ロック・ギタリストとして、コンポーザーとして偽物なのではないか? と。このタイミングだからこそ自分自身に確信を持ちたかったんです。タイトルも"BREAK THIS FAKE"ですからね(笑)。
-まさにタイトルどおりですね。
Cazqui:各ジャンルの祭典に出演したからこそ、こういう形で勝負できたなって思います。ギター・ソロに関しても、舐められたくないがゆえのシュレッド・スタイルではなくて、テクニカルなフレーズもありつつ、感情剥き出しのロック・ギターを、"Cazquiのギター"を弾きました。これまでとは違った側面を感じてもらえたら嬉しいです。