INTERVIEW
団長(NoGoD) ×日高 央(THE STARBEMS)
2014.09.17UPDATE
Interviewer:荒金 良介 Photo by 石原 慎
日高:ここまで広範囲で喋れるとね。俺もそうだからさ(笑)。何でも知ってるし、音楽そのものが大好きだからね。そうなると、頑にこれだけを守ってるという人には怒られちゃうしね。同級生からも理解されなかったでしょ?
団長:そうなんですよ、文化祭もダダ滑りでしたね。日高さんもそうだと思うんですが、我々って洋楽の影響が大きいじゃないですか。ビークルは90年代半ばぐらいからやってましたけど、周りの目はどうだったんですか?
日高:メロディック・パンクが雨後の筍のように出てきたから、俺はそれに対抗して、SNUFFとか......。
団長:おっ、いいですね!
日高:LEATHERFACEみたいなストイックなUKメロディック・パンクを忘れてないか?アメリカに寄りすぎじゃないか?と。それでTOY DOLLSやADICTSっぽいセンスのつもりでお面を付けて、フザけてみたという。どれだけ笑ってもらえるかなと思ったら、意外と笑ってもらえたから。しかも最初に笑ってくれたのがHUSKING BEEやBRAHMANで。
団長:意外と硬派な人たちが!
日高:硬派っぽいバンドの方が同じものを通ってたからね。仲間がフック・アップしてくれたのはラッキーだった。NoGoDの場合は先輩もフック・アップしづらかったんじゃないの?
団長:当時メタルのサウンドでヴィジュアル系のフィールドに参入した時に、メタル・ブームがなかったんですよ。ビークルの初期の頃は叩かれたりしたんですか?
日高:某TVの司会者に"僕はお面で顔を隠す人は男らしくないと思います!"と生放送中に言われちゃって。"すいません!"と謝った事はあったね(笑)。男らしいかどうかでお面をしているわけじゃないんだけど、それを説明してもしょうがないから、基本ネガティヴなものは全部受け流していくしかない。それは翔やん(綾小路翔、氣志團)もよく言ってるしね。
団長:なるほど。俺もオールナイトニッポン0【ZERO】やってるときに、翔さんが言ってたのは苦情のファックスが1000通ぐらい来て、仙台に行くまでの道中にずっと読んでたら、着いた頃には鬱になってたと(笑)。そういう話を聞くと、自分が愛した人たちはみんな同じような経験をされてるのかなと。日高さんがああいうスタイルでずっとやっていたのは、勝手に励みにさせて頂いていました。
日高:俺はそういう人を助けるためにやってた側面もあるからね(笑)。クラスの学級委員で勉強もできて、スポーツもできて彼女もいる、みたいな人じゃなく、教室の隅っこでSLAYER聴いてるみたいな人のためにやろうと。
団長:ウチはメタルなので、一般的にキャッチーじゃないし、メタルコアは今キッズに受け入れられるようになったのに、90年代メタルはまだ壁があるんですよ。海外のメタルコア・バンドだって、絶対JUDAS PRIEST、IRON MAIDEN聴いてるはずだし。自分たちがずっとインディーズでやっていた時はとにかくお客さんがいなくて。これから先ピュア・メタルはどうするべきか、日高さんにご教授いただきたいと思って。
日高:ビークルのパターンで考えると、世間が好きなものと自分が好きなものを両方入れて、発明が必要だなと。声がガサガサだったので、SNUFFほど悲しくないから、明るいSNUFF、明るいLEATHERFACEになろうと。
団長:明るいSNUFFって、いいですね!
日高:あの2バンドは基本マイナー・コードで哀愁があるから、それをメジャー・コードでやってみたらどうなるんだろう、という実験がうまくハマッた気がするんだよね。発明と言うと大げさだけど、お面、明るいSNUFF感、それらをいろいろ集めて、パテント(特許)いっぱい持ってますみたいな。音楽界のドクター中松を目指ざそうと。団長なら、そういうことができそうな気がするけど。
団長:メロコアなのにバラエティ要素があると言うのは、ビークルが出てくるまで知らなくて。「HIT IN THE USA」のMVを観たときに笑いましたもん。
日高:うん、笑っていただこうと思って。
団長:あっ、こういうのいいなって。自分もやりたいんですけど、メタルはシリアスな音楽なので、なかなかできなくて。風船が飛んでいく「TONIGHT,TONIGHT,TONIGHT」のMVも凄いですよね。
日高:(木村)カエラちゃんが出てたやつね。あの風船はコンドームだしね。
団長:そうなんですよね。ああいうアイデアが音楽と結びついているのが羨ましくて。
団長:アルバムや曲名もポップで押してたじゃないですか。すべてがいい形で循環してるなって。
日高:NoGoDなりにそういうポイントが見つかれば良いよねぇ。
団長:自分のキャラとメタルって、ずっと水と油なんです。
日高:はははは、自分たちでフェス的なものをやるのはどう?
団長:今年団長フェスをやって、MEANING、石鹸屋、jealkbとか呼んで、すごく感触は良かったんですよ。で、日高さんにお願いしたのは、是非フェスをやって頂きたいなと。
日高:ははは、NoGoDを呼べと。団長もわかると思うけど、ほんとにアガりがないんだよね。俺一度考えたのは、アーティスト主導のフェスも増えてきたので、コピー・バンド大会を復活させたいなと。そういう遊びから、ゆくゆくフェスにするのはいいのかなと思ってて。昔、ビークルもASPARAGUSやSHORT CIRCUITととよくやってたからね。コピー・バンドでもいい?
団長:全然やりますよ、JUDAS PRIESTやります。もう鋲ジャン着て、50ccで入場します!
日高:ははははは。じゃあ、まずコピバン大会からね。
団長:ぜひぜひお願いします!