DISC REVIEW
-
元ASPARAGUSの山下潤一郎(Ba)を迎え、2年ぶりとなる3枚目のニュー・アルバムが完成した。前作の会場限定シングルから変化の兆しは感じられたが、今作では音楽的引き出しをさらに開け放った自由度の高い楽曲が勢揃い。日高 央(Vo)の歌心がグッと増したアプローチに比例し、パンク、ハードコア、ミクスチャーに加え、先達へのオマージュやバラード風味の曲調まで持ち込んで、どれもTHE STARBEMS色に染め上げている点が痛快だ。サウンドとしてのパンクではなく、精神面でのパンクに比重を置き、好き放題にやっている無邪気な衝動やユーモアが今作には溢れている。メンバー5人のルーツや嗜好が各曲に散りばめられ、現編成のバンド感が前面に出たターニング・ポイント的な1枚とTHE STARBEMS 言える。素晴らしい。 荒金 良介