スタンド席から眺めていると、アーティストごとに人の入れ替わりが激しいことに驚くのだが、ZEBRAHEADからこのPANIC AT THE DISCOまで、まるで総入れ替えと言わんばかりに多くの人が流れたのには正直驚いた。
「Pretty.Odd.」のアートワークが掲げられたステージを見ながら、彼らの登場を今か今かと待つ前方の熱心なファンは、遠くから見ていても女の子が多いのが分かる。
さて、SEも無く静かに登場したPANIC AT THE DISCOの面々。ビデオクリップほどではないが、それでもやはりクラシカルな衣装を纏っている。
1曲目「PAS DE CHEVAL」がプレイされ、そしてステージ上で彼らの今の姿を見てみて、バンドの風格が以前と比べ随分と変わったことに改めて気づかされる。アルバムの方向性の変化だけでなく、ファッションから佇まいにいたるまで、魅せる要素の全てがまるでカントリー~フォーク・バンドといった印象だ。気になるファースト・アルバム「A Fever You Can't Sweat Out」の曲は、ややスロー・テンポに、そして「Pretty.Odd.」のサウンドに近くなるようギター・アレンジでプレイ。2枚のタイプの異なるアルバムの曲がライブの中で予想していた以上にうまいことフィットしていたのには驚いた。アコースティック・ギターも心地良いし、コーラスも良い。より良いバンドに成熟しているのは間違いない。だけど、ファースト・アルバム「A Fever You Can't Sweat Out」のチャキチャキとした面がこうも完全に削がれてしまったのは個人的には少々残念であり、また、オーディエンスのノリを見ていてもこの変化はやはり少々強引だったのかな、とも感じる部分もあった。
だが彼らの音楽にかける情熱とスピリットは、確かに私の胸に届いた。
MAY-E
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