MUTEMATH サマーソニック08インタビュー

MUTEMATH : Paul Meany(Vo.&Key.) / Darren King(Dr.) / Greg Hill(Gt.)

Interviewer : MAY-E

-先ほどのショウを拝見させて頂きました。

Paul(以下P):ありがとう!楽しんでくれた?

-ええ、もちろんです。日本では「異次元のライヴ・パフォーマンス集団」なんてキャッチ・コピーもついていますがご存知でしたか?

P:ワオ、ほんとに?
Greg(以下G):何の次元になるのかな。
P:二次元でも三次元でも、何次元でもいいよ!
Darren(以下D):じゃあ五次元でもいいかな(笑)

-(笑)ライヴで生演奏をするとアグレッシヴになる分、リズムが走ってしまうようなバンドも多いですが、あなた方のリズムはとても力強く安定していましたね。

D:ありがとう。でも僕は意外とショウの間に遅くなってしまったり、逆に速くなってしまったりすることもあるんだ。だけど経験を積んでいる分、だんだんと自分の腕も上がっていっている気はしているよ。僕がリズムを保つために努力していることといえば、ショウの間に興奮しすぎずに冷静でいることかな。あと、借りた楽器のときはとてもやり難い。だけど昨日の大阪のショウの時も機材が壊れてしまったときに、その機材を直している間ずっとオーディエンスが静かに待っていてくれたんだ。あれは本当に良かったよ。

-そうでしたか。日本のオーディエンスは曲と曲の間が静かになるんですが、驚きませんでしたか?

D:いや、全くそんなことはなかった。日本のオーディエンスはとても親切だと思ったよ。

-ですが、リズムのある曲のときには「もう少しオーディエンスが体を揺らして欲しいな」などとは思いませんでしたか?

P:うん、だけど日本のオーディエンスはお互いを傷つけることはないだろ?完璧だと思うから、日本のオーディエンスにはずっと変わらずにいてほしい!実はね、僕は飛行機が大の苦手なんだ。乗る前に薬を飲まなきゃ安心出来ないほど、飛行機ってやつが嫌いなんだよ!
一同:笑
P:だけど、日本のオーディエンスをこんなに好きになってしまったから、次は船に乗ってでも日本に来たいと思っている。それくらい、日本が大好きになったよ!

-(笑)ありがとうございます。日本のオーディエンスってとてもシャイだと思うんですが、

P:そうなの?でも、そういうシャイなのってすごく良いと思うなぁ!
D:スイスでも以前、同じような経験をしたことがあったよ。それに比べると、日本はワイルドだと感じたよ。

-あなた方の素晴らしいプレイにつられるように、そのオーディエンスがどんどん沸いていくのが分かりました。そのくらいアグレッシヴなパフォーマンスでしたね。

P:バンドを組んだばかりのころはメンバーがまだ僕とDarrenだけだったのもあって、今みたいじゃなくもっとマイルドな感じだったんだ。だけど、そのうちにちょっと退屈にも感じてきたんだよね。だからギタリストを加えて、そのあとベーシストを加えたのさ。そうやって徐々に進化してきたんだよ。今のような、まるでステージに電気が走るようなパフォーマンスをするようになったのは4年くらい前からかな。今日のライヴは、そうやって進化してきた結果だと言えるね。

-では、今のMUTEMATHの形態になったのは4年前ということですか?

P:いや、今のメンバーが全員揃ったのは3年くらい前だよ。ツアーが増えてきたのもちょうどその頃だね。それからは僕らが持てるエネルギーの全てをステージに注ぐように努めているよ。

-キーター(ギター形のキーボード)をライヴで使用していましたが、最近キーターを使用しているアーティストって少ないですよね。

P:そうだね。70年代にはキーターを使用するアーティストはたくさんいたんだ。当時はとても盛んだったけれど、それからキーターを使用するアーティストはどんどん減っていったよね。キーターは僕らが僕らのサウンドを出すために必要な、いわば武器みたいなものなんだ。

-そのキーターを使用している「Typical」の逆再生PVはYOUTUBEを通じて大きな話題になりましたね。

P:うん、あれは僕ら自身とても誇りに思っているビデオだよ。僕らの全力をあのビデオに注いだわけだし、ほとんど編集で手も加えなかったし。
G:夜、自宅に持ち帰って何度も繰り返し見てしまうくらいに、僕ら自身がとても気に入っているビデオだから、見てくれたみんなも気に入ってくれたんだろうね。だけどグラミー賞にノミネートされるなんて全く思っていなかったから、あれには驚いたよ。

-今後また「Typical」のようにユニークなヴィデオクリップを制作する予定はありますか?

G:うん、出来ればまたやりたいと思っているよ。
P:実は今日ひとつアイデアが浮かんだんだ!だけど、まだ内緒さ(笑)というのも実は以前とてもショックな出来事があったんだ。「Typical」のあとに制作したPVは「Control」になるんだけど、その「Control」の制作にも僕らはもちろん全力を注いで丸3日間かけて作り上げていた。だけどそのPVが完成するたった1日前に、フランスで全く同じアイデアを用いてPVを作ってしまったバンドがいたんだ!だから、まだここでそのアイデアを言うわけにはいかないんだ。ごめんね。

-分かりました。次のビデオを楽しみにしていますね。
話を変えてバンド名の「MUTE」は「無言の」という意味の音楽用語から取っているんですか?

D:いや、実はそうではなくて、ただ単に僕の好きな言葉ってだけなんだ。メールアドレスにも使っちゃうくらいのね。響きもいいし、なんかかっこいいだろ?だけどもし何か理由が必要なのであればそれでも良いよ!異次元でもいいしね!(笑)

-音楽用語をバンド名にするのはあなた方らしいななんて勝手に思ってしまっていたのですが、違ったのですね。

D:うん、でもそう思ってもらって問題ないよ。
P:数年経ったら、辞書にMUTEMATHって載っちゃうようなポピュラーな用語になるはずだからさ!(笑)

-(笑) 今日のショウはベーシストのRoyが欠席し、ベースはサポートの方がプレイしたのだそうですね。

P:そう、Royはちょうど子供が生まれてね。生まれたばかりの赤ちゃんと楽しい時を過ごしているところだよ。

-あなた方のビデオブログのタイトル「THE NEW PRODUCER」に、プロデューサー役で赤ちゃんが登場していますが、あの赤ちゃんがベーシストのお子さんですか?

P:そうそう。登場させちゃったよ。
D:赤ちゃんの方が、なんでも正直だからね(笑)

-とても可愛い赤ちゃんでした。

P:僕は日本の赤ちゃんの方が可愛いと思ったよ。連れて帰ってしまいたいくらいにね(笑)

-あの場所はご自宅ですか?いつも自宅で録音しているのですか?

P:いや、あれはレコーディング・スタジオだよ。3ヵ月かけてニューオリンズのスタジオを借りて録っていたいたときのものさ。
D:そのスタジオのオーナーってのが、実はPaulの'はとこ'なんだよ。

-楽曲制作とレコーディングにかなり長い時間をかけているようにも思うのですが。

P:いや、そうでもないかな。この間のニューオリンズでのレコーディングではじめて3ヵ月という長い時間をかけることが出来たんだ。今まではツアーの合間にレコーディングをする感じだったから、ツアーとレコーディングの繰り返しの生活だったんだけどね。
日本から戻ってからはニュー・アルバムのレコーディングに2ヵ月ほど費やすつもりだよ。そして来年からは3年間の長いツアーに出る予定さ。

-そのニュー・アルバムのリリースはいつ頃ですか?

P:来年のはじめくらいかな。

-コンセプトやテーマはどのような感じですか?

P:まだ話すには早いと思うんだけど、たくさんのテーマがあるよ。最近になってまた色んなテーマが思い浮かんできててね。

-リズムとメロディ、他のパートはそれぞれのメンバーが持ち寄っているのですか?

P:曲の作り方については今までと少し違ってきているんだ。今までは、僕とDarrenが主にエレクトロニックな感じで曲を作っていたんだけど、今はRoyとGreg加わっているから、今では曲作りにはメンバーみんなが貢献している。最近は、誰かが小さなアイデアを一つ持ってきたら、それをみんなで15分くらい話し合って、ジャムしながら膨らませていく感じが多いかな。次のアルバムは、予想外ではあるけれどみんなが求めてもいるようなアルバムになると思うよ。

-楽しみにしています。エレクトロというより、もっとバンドサウンドに寄った感じになるんでしょうか?

P:うん、そうだね。そういう風になるように試みているところだよ。
D:バンドになるってすごく難しいことだけど、その分、価値はあるよね。その方がいいよ。(少ないと)怖いし。
P:1人の頭より4人の頭の方が絶対良いしね。


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