今年のSUMMER SONICのDANCE STAGEのトリを飾るのはHADOUKEN!だ。
デビューEP「Liquid Lives」には未知数な可能性を感じたものの、一発屋にもなり兼ねない危うさのようなものも感じていた。しかし、アルバム「Music for an Accelerated Culture 」は、爆発的なエネルギーと同時にスマートさを感じる、とても素晴らしいアルバムだった。ともなれば、当然ライヴにも大きな期待を抱いてしまう。
フロアを見渡すと、基本的にインディー・ロック系ではなくラウドロック系リスナーの方が圧倒的に多かったのではないかと思う。インタビューをしてみてわかったのだが、彼ら自身もラウドロックから大きな影響を受けているとのことだった。きっとHADOUKEN!のライヴは、ダンスする人と同じくらい、モッシュする人が多いのではないかと思う。
SEには映画「BACK TO THE FUTURE」のサントラが!まるでユニバーサル・スタジオに紛れ込んだかのような雰囲気に。HADOUKEN!のライヴのオープニングにはとても相応しい。
一曲目は「Get Smashed,Get Crushed」。CDでは全体的に打ち込みが強調されているが、ライブでは生のドラムの音が強調されている。シンセの音が若干小さいのが気になったが、爆発力抜群の曲の力によってフロアは一気に興奮の渦へ。そして二曲目にはまさかの「Liquid Lives」。のっけから客の心を鷲?みにするキラー・セレクト!「Drink!Smoke!」という部分に合わせて皆手を挙げ、Vo.のJamesが逆立ち!パンキッシュだ。ライヴは順調に進んでいくが、Jamesの声があまり出ていないのと、全体的に演奏にエッジが足りないのがとても気になる。しかしJamesはマイクスタンドを振り回したり、フロント・メンバーもとても楽しそうな表情で、全体的なテンションはとても高い。「What Shi Did」ではJamesがアーティスト写真と同じ「欽ちゃん跳び」のポーズを披露してくれた。HADOUKEN!の曲の数々を聴いて思うことは、やはりシンセのメロディがとても面白いということと、Jamesが元グライム系プロデューサーだったということもあるのか、リズムにも工夫があり、ダンス・ミュージックとヒップホップのリズムを自由自在に解体し、HADOUKEN!独自のリズムに再構築している。そこに若さという勢いが重なって、爆発的なエネルギーを発しているのだ。
THE PRODIGYの「Breath」のカヴァーで、フロアは一気に最高潮に。その後、HADOUKEN!のスタッフの誕生日がメンバーのバースデー・ソングによってお祝いされ「That Boy That Girl」でライヴは終了した。
まだまだプレイヤーとしての未熟さも感じ、ライヴでのアレンジも改善の余地はあると思うが、それと同じくらい、彼らの未来の可能性を感じたライヴであった。
KAORU
★セットリスト★
Get Smashed Gate Crash
Liquid Lives
Game Over
Declaration Of War
What She Did
Bounce
Mr. Misfortune
Tunning In
Superstar
Love Sweat Beer
Crank It Up
Leap Of Faith
Breathe
That Boy That Girl
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