NEW FOUND GLORY : Jordan Pundik(Vo.) / Chad Gilbert(Gt.) / Steve Klein(Gt.) / Ian Grushka(Ba.) / Cyrus Bolooki(Dr.)
Interviewer : 吉野 将志
-去年行われたPUNKSPRING07への参戦から約一年ぶりの来日となりますが、今の気持ちを聞かせてください。
Jordan Pundik(以下J):最高だね!! SUMMER SONICは2003年以来になるのだけど、またこんな風にSUMMER SONICのステージに立てるのはとってもうれしいよ。
-他のメンバーの皆さんはいかがですか?
Chad Gilbert(以下C):俺たちのMyspaceには日本のファンのメッセージや書き込みが多いんだけど、特にSUMMER SONICに参戦するぞーというメッセージが多いから、今日はNEW FOUND GLORYパーティーになると思うよ。
-僕もそういう気持ちでいますよ(笑)
一同:笑
-あなた方はこれまで何度も来日しているのですが、その中でもっとも驚いたエピソードがあれば教えてください。
J:日本のファンというのは本当に狂っていて、他の国とまったく違うんだけども、自分が盛り上がってくれなんて言わなくとも、例えば、一緒に掛け声とかを出してくれるのがすごいなと思うんだ。
Steve Klein(以下S):日本というのは本当に音楽を愛している国だと思っていて、そこが素晴らしいよね。
Chad Gilbert(以下C):俺たちは本当にいろんな国でライヴをやって来ているんだけど、日本で最後にやったヘッドラインツアーは俺たちのTOP3に挙げられるぐらい素晴らしいショウだと思うんだ。新作を出したばっかりなのにみんな一生懸命、一緒に歌ってくれる姿には本当に感動したんだ。
-今年の3月にあなた方自ら選曲したベスト盤がリリースされましたが、このベスト・アルバムにはこれまでの思い出がたくさん詰まっていると思います。結成から11年、振り返ってみるとどのように感じますか?
Cyrus Bolooki(以下Cy):まず一つ言えることは、11年間こうやってちゃんとバンドとして活動していること自体すごいことだと思うんだ。今の音楽シーンの中で、こんなバンドというのは稀な存在で、このようにバンドとして活動しているだけでなく、世界中を旅することができるというのは、つまりファンをどんどん増やしているということで、素晴らしいことだと思うんだ。
-先ほど11年間活動を続けていること自体がすごいことだとおっしゃっていましたが、なぜ11年間も活動することができていると思いますか?
Cy:バンドをスタートした時の目標を今でも忘れていないことがこれまで活動できた秘訣だと思うんだ。要するに、僕たちは音楽が大好きだし、曲を書くのも好きだし、ツアーやライヴをやりたい、そういう気持ちでこのバンドをスタートして、その気持ちを常に持っているから今につながっていると思うんだ。もちろん、ケンカもするんだけど、やっぱり同じメンバーでこのバンドを続けていることが一番大切なことなんだっていうことを忘れていないからこそ、ケンカした後も仲直りして同じ目標に進んでいるんだ。
Ian Grushka(以下I):大事なポイントは僕たちみんな誰もエロがないこと。それで仲良くやっていけるんじゃないかな?
C:いやーそれはもちろんでしょ?Ianはこのバンドで一番いい男で、それこそヴォーカリストよりもいい男なんだから、ステージではシャツを脱いでいるんだよなー(笑)
-まさにおっしゃる通りだと思います(笑)
一同:爆笑
-EP「Tip of the Iceberg」を聞かせていただきました。とっても面白い作品に仕上がっていますね。全体的にあなた方のルーツであるハードコア的な要素が強化されることで、キャッチーなメロディーがより冴え渡っているように感じました。
C:アメリカではブリッジナインレコードというハードコアレーベルと契約していて、そのレーベルより是非ともアナログを出したいとオフォーがあって、アナログで出そうという話になったんだ。新作のアルバムは来年まで出ないので、だったらその間にEPという形で新しい作品を出したいとレーベルに提案したんだ。俺たちのファンにはいろんなファンがいるんだけど、特にハードコアなものが好きなファンのために曲を書こうと思ったんだ。ツアー中だったんだけど、サウンドチェックの合間に書いたものをEPとしてリリースしたんだ。やっぱりこのバンドのスタートした初期に戻って、その時俺たちは何を聴いて、何を楽しんでいたのかを思いながら書いたらこういう曲になったんだ。
-GORILLA BISCUITSやLIFETIMEなどのカヴァー曲も収録されていることもあり、このEPからはあなた方の原点回帰的な傾向を感じてなりません。この傾向には前々作「Coming Home」への反動やベスト・アルバムリリースなども影響しているのではないでしょうか?
J:このアルバムっていうのは多くの人が聴く作品になるだろうと思って、自分たちがどういう音楽を聴いて育ってきたのかということを新しいファンに教えたかったんだ。もちろん、自分たちのハードコアな側面が好きなファンにも一緒に楽しんでもらいたかったんだ。
-自分たちのルーツを新しいファンに教えたいという想いはなぜ生まれてきたのでしょうか?
C:日本ではMTVでどういうものを流しているのかわからないけど、特にアメリカではMTVでリアーナとかのヒップホップのビデオを流しているんだよね。そういうのが好きで見ているキッズがNFGのビデオを見てもいいんじゃないかと思ったときに、やっぱりこれだけ注目を浴びているバンドというのは、そのルーツや他の音楽をキッズに教えていく使命があると思うんだ。
(通訳中に遮ってChadが続けて・・・)
パンク、ハードコアなんでもいいんだけれども、僕たちにはちゃんとしたルーツがあるんだ。僕たちはそんな過去のバンドがいたからこそ結成されたんだから、僕たちのルーツであるバンドを若いキッズに教えていくのはとても大切なことだと思うんだ。
-では、このEPは次回作の方向性を示していると捉えてはだめだということですか?
Steve Klein(以下S):新作はいろんなジャンルの曲を集めたものになって、ものすごくいいものになったんだ。僕たちはジャンルを超えて素晴らしい曲を書けるようなアーティストに成長したと思っているよ。またよりよいソングライターになったと思うから、今度出るアルバムに対してはものすごい興奮しているんだ。今のところ、1月リリース予定なんだ。
-もう新作は出来上がっているのでしょうか?
S:もうレコーディングは終わって、今はミックスの作業を行っているところだよ。
C:今回は元BLINK-182のMark Hoppusがプロデュースを担当してくれたんだ。
-「Coming Home」で新しいNFGサウンドを提示しただけに、今作の方向性の選定及びその制作にあたってはかなりの困難を感じたのではないかと思うのですが、いかがでしたか?
J:全然難しくなったよ。もちろんアルバムを作るのは簡単ではないけれども、でも僕たちって常に曲のアイディアが頭の中にあるのでそういう意味では難しいとは感じなかったよ。Chadなんかもギターリフをたくさん考えていたのでスタジオに入る前にもサウンドチェックの間とかで僕たちに聴かせてくれていたから、ものすごい興奮した状態でレコーディングを迎えたんだ。
-先ほどChadが元BLINK-182のメンバーであるMark Hoppusを迎えて制作したとおっしゃっていたのですが、どのような経緯でそのような話になったのでしょうか?
C:実は今回のアルバムの作り方は普段とは違うんだ。どういうことかというと、ゲフィンレコードとの契約が切れて二年間、レーベルがまったくない状態だったんだ。どうしようかと悩んでいたんだけれども、普通ならレコード会社と契約を結んだ後に、資金援助があってアルバムを作るんだけども、自分たちの予算でまずアルバムを作ったんだよ。つまり、限られた予算なのではっきり言ってプロデューサーにお金をかけることができなかったんだ。だから、自分たちのことが本当に大好きで、自分たちのことをわかってくれて、お金が払えない状態でも働いてくれる、そういう人間を探す必要があったんだ。BLINK-182と僕らというのは共通のファンも多いと思うので、そういう意味でもマークが自分たちの音楽をわかってくれると思ったし、また彼はものすごい才能のある人だと思うので、マークに電話したんだ。そうしたら「僕に声をかけてくれるなんて光栄だよ。レコード会社と契約が結ばれて契約金が入ってきてから払ってもらえればいいよ」と言ってくれて、とってもうれしかったよ。マークとトラビスは自分のスタジオを持っているのでそこでレコーディングしたんだ。彼が自分たちのバンドへ寄せてくれた信頼感が一番大きいと思うよ。
-以前SET YOUR GOALSのJohdanにインタビューした際に、NFGがきっかけでバンドをつくったんだと語ってくれました。GREEN DAYがNFGに、そのNFGがSET YOUR GOALSに、というように影響され合ってちゃんと受け継がれていくことは素晴らしいことであり、またシーンの活性化に不可欠なものだと思うのですが、いかがですか?
S:最高だよ。彼らがそんな風に言ってくれるなんて光栄だよ。音楽シーンというのは10年間のサイクルで回っていると思うから、SET YOUR GOALSみたいな新しいバンドが僕たちに刺激を受けたというのはすごいことだと思う。さっきもチャドが言っていたけど、昔のバンドが新しいバンドを刺激して、どんどんいいものが生まれていくこと、それがすごく大切なことだと思うんだ。
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