THE LIVING END : Scott Owen (Ba.&Vo.) / Chris Cheney (Vo.&Gt.) / Andy Strachan (Dr.)
Interviewer : KAORU
-初めまして!激ロックと申します。この度は宜しくお願いします。まずはSUMMER SONICお疲れ様でした!ライヴはいかがでしたか?
C&A&S:凄く良かった!あと暑かったよ!
-新作「WHITE NOISE」からの曲をプレイして、反応はいかがでしたか?
A:凄く良かった。一緒に歌ってくれるのは日本のファンのいいところだと思うんだけど、新作からの曲もいっぱい歌ってくれたよね。嬉しかったな!
-ちなみに、何か他のアーティストを見たり、エンジョイしましたか?
S:いや、見れなかったんだ。インタビューで忙しかったし、ステージにさらわれるように連れていかれたからね~(笑)
-新作「WHITE NOISE」を聴かせていただきました。正直最初はびっくりしました!
今までのTHE LIVING ENDらしさもありながら、音楽的な幅を物凄く拡げましたよね。
AC/DCやLED ZEPPELINからの影響までを感じました。
S:僕はとってもフレッシュでエキサイティングに響いているんだけど、確かにAC/DCやLED ZEPPELINは俺たちが凄く影響を受けたバンドだね。そういう要素が入ってることによって、ストロングでパワフルでシンプルでダイレクトなサウンドになってると思うよ。
-確かに今までの作品と比べて、とてもストレートなサウンドですよね。タイムレスな音楽を作りたいと思っていたそうですが、実際その通り、流行廃りのないタイムレスなロックンロールアルバムだと思いました。
C:今まではロカビリーとかパンクロックからの影響がとても大きかったけど、今回はストレートなロックンロールやブルースや、それこそジャズだったりポップだったり、そういうタイムレスな音楽からのインスパイアが大きかったんだ。とにかく今の僕らのリアルな音を一番いい形でやろうとした結果、パンクとかロカビリーというカテゴリには収まらない、僕ららしい、とてもクラシックなロックアルバムになったと思うよ。
-歌詞についてなのですが、今までよりも一歩先の感情をストレートに見せている作品だと思いました。絶望的な負の感情、怒り、フラストレーションも感じますが、最終的な感想は、幸せになる為にもう一歩前を向いて進もうとしている姿勢というものが伺える、本質的な意味でのポジティブさを感じました。
そして、リスナーに対して"一歩前へ進むこと、行動すること、考えること"を促しているように感じました。その辺はいかがですか?
C:その辺をわかってもらえて凄く嬉しいよ!俺が個人的に好きな歌詞っていうのは、楽しめて、味わえて、絶望感があっても最終的には絶望だけで終らないものなんだ。
今回のアルバムで特に言いたかったことは、現状を打破するということ。どうしたら自分を新しくてエキサイティングな方向に持っていけるのか?ということなんだ。
俺が思うに、ベストなロックンロールっていうのは、そういうメッセージを持っているものだと思う。逃避したいという気持ちももちろんだけど、瞬間を大事に生きることとか、リスクを負ってチャンス賭けるとか、とにかくアクションを起こすんだとか、そういうことを伝えてくれるものだと思っている。
色んなメディアからこのアルバムは飛躍したね、って言われるんだけど、俺たちからしたらとても自然なことだった。歌詞についても、とても自然に変化したんだと思うんだよね。
-楽曲、歌詞共に「Loaded Gun」がとても印象的だったのですが、この曲について詳しく教えてください。
C:これは実話からインスパイアされて作った曲なんだ。確か「GQ」で読んだのかな。ロンドンでバックパックを背負ったある男が、風貌だけでどこかのテロリストと間違われて警官に追われてしまい、結果的に拳銃で打たれて死んでしまったんだ。このニュースを受けて、一部の人達は、この事件はとんでもないひどい間違いであり過ちだと言ったが、もう一方では、男を撃った警官は社会を守るために精一杯やってしまったことなのだから仕方ないと評価した人達がいる。今の世の中、そういうピリピリした状況が常にあるだろ?このとても悲劇的な事件を知って、今の世の中がどれだけ危ういものなのかってことを伝えたかったんだ。
S:この曲は、アルバムの中でも特にリズムや演奏面において、歌詞の内容を意識しながらプレイしたんだ。特にサビの部分のギターは、歌詞のテンションや緊張感をうまく表現出来ていると思う。全体的に今までのどのアルバムよりも、クリスの歌詞のフィーリングを楽器で表現するように努めたんだ。
-とても伝わってきました!
C:僕らの曲作りにおいてとてもこだわっているところだね。聴いていて背中がゾクゾクしてしまうな、曲の"フック"を音だけじゃなく、感情で表してしまうようなものを目指しているんだ。
-アルバムに歌詞カードを付けないアーティストも多い中、とてもわかりやすく読みやすい歌詞カードの付け方をしていますよね。そこはこだわったところなのでしょうか?
C:今までもそうだったけど、今回は特に歌詞に時間をかけたからっていうのもあるね。いいものが出来から、ちゃんと読んで欲しいなと思ったんだ。まぁでも、正直歌詞カードをちゃんと付けても付けなくても、そこんとこにどんな違いがあるかわからないけどね。今は歌詞検索サイトとかもあって、自分達で歌詞を付けなくてもどうせ、ばれてしまうだろうし(笑)。でもとにかく、今回の歌詞は音楽と同等の重要性を持っているんだ。是非みんなに読んで欲しいね!
-ファンとしてはちゃんと歌詞カードが付いてることって嬉しいですよ。
それでは演奏面について特に苦労した点などを教えてください。
S:それはたくさんあるな~。一つの例を挙げると、「Some Of Us」という曲があるんだけど、今までにやったことがないような、とてもレイドバックした曲なんだ。そのフィーリングがうまく出せなくて凄く苦労してたんだ。
A:この曲だけで二日間くらいリハーサルに時間をかけたよな。
S:そうそう。結局この曲だけに凄く時間かかって、何回も何回もテイクを重ねた。それでやっと出来上がったんだけど、五日後くらいにそのテイクをもう一度聴いてみたら、また録りたくなって、五日前に録った時よりも、もうちょっとリラックスした気持ちでやってみた。そしたらその日のファーストテイクで決まったんだよね。LIVING ENDは頭で考えちゃって自分達の能力を超えた何かを求めてしまうという所がかなりあるけど、たまにはリラックスして楽しみながらやる事も成功の鍵だったんだなと思ったよ。
これが苦労した点の一例かな。
A:今回はギターもベースもドラムもとても工夫をしなくちゃいけなかったんだけど、先に楽器を録って、その後ボーカルを乗せるんだけど、ボーカルが入るとまた曲の感じが変わってくるから、また楽器をやり直すっていうことの繰り返しだったんだ。クリスの歌はやればやるほど良くなったから、全ての曲において二~三回は必ずやり直したんだよね。それで結果的にいいものになったと思うよ。
とにかく集中力が必要なレコーディングで、最終日のぎりぎりまで作業をしてたんだ。完成するのか心配になったこともあった。苦労はしたけど、そのプロセスを振り返るとなんだか楽しかったし、凄くよかったと思うな。
S:時々集中力が途切れる心配もあったけど、やった甲斐はあったし楽しかったよな。
C:うん、今まで以上に楽しい部分もあったのは確かだよ。あとプロデューサーのジョンと一緒に仕事出来て楽しかったしな。
-プロデューサーのジョン・アグネロはどういう人でしたか?
C:彼はストレスを感じている人に対して凄く"癒し"の効果を持ってる人だったね。スタジオでテンパってる人間が多いと、あまりロクなことがないんだけど(笑)ジョンはそういう人たちをうまくリラックスさせてくれていたよ。
-因みにクリスはレコーディング前くらいからヨガのレッスンを受けていたそうですが、それはまだ続いていますか?
C:セッションに入る前にヨガを始めたんだけど、はっきり言ってやめてしまった(笑)
アルバム制作で忙しくなっちゃったしね。でも効果はあったと思うよ。呼吸法とかさ。
-もしもLIVING END主催のフェスを開催するとしたら、どんなアーティスト達を集めたいですか?
S:夢のフェスティバルでいいんだよね?AC/DCだよ!世界最高のロックンロールバンドだからね。あとはJERRY LEE LEWIS!
A:サイドステージでPAUL WELLERにソロをやってもらおうかな!SUMMER SONICで見逃したから見たいんだよ(笑)見るチャンスがなかったバンドに一通り出てもらおうかな。
S:あとTHE LIBERTINESを再結成させたいね。大好きなんだ。
-DIRTY PRETTY THINGSやBABY SHAMBLESも好きですか?
S:好きだよ!でもやっぱり初期のTHE LIBERTINESが素晴らしいと思うね。
-LIVING ENDは今までにたくさんのロックフェスに出演してきたと思いますが、今までで一番印象に残っているフェスはどこですか?
C:色んなところで印象に残ったフェスって聞かれるんだけど、お世辞じゃなくて本当に日本のSUMMER SONICって印象的で、勝るものはないって感じだね。待遇もいいし、お客さんの反応も凄くいいからさ。
C:今まで色々やってきたけどREADING FESTIVALもBIG DAY OUTも良かったな。-では時間も少なくなってきましたのであと二つだけ質問させてください。THE LIVING ENDは、本質的な意味でTHE CLASHのスピリットに近い、雑多な音楽性をポップに昇華させながら、確固たる主張のある硬派なパンクバンドだと思いますが、最近人気のあるBLINK182以降のメロディックパンクシーンを見て何か思うことはありますか?またお気に入りのバンドはいますか?
C:僕らものその時代のシーンから出てきたわけけど、俺としてはいいところっていうのは全く思いつかないな。
A:例えば俺の場合最近のバンドでいいなと思うのは、パワーっていう意味ではQUEENS OF THE STONE AGEとか、巧みな曲を書くっていう意味ではARCTIC MONKEYSとか好きなんだけど、だからといっていいなと思ったものをそのまま全部取り入れようとはまず思わないよね。
S:そこが最近のメロディックパンクバンドがかかりやすい罠だと思うんだよね。影響された音をそのままやるから、みんな同じような音になっちゃうんだ。メロディックパンクに関わらず、現在に至るまで色んなロックが生まれていきたけど、本当に自分なりのやり方で秀でたものをやっていかないと、まず長くは続かないだろうね。
-今後、日本での単独公演の予定はありますか?
S:まだ何も決まってはないんだけど、今回の来日もせっかく12時間もかけて飛行機に揺られて来たんだからもっとショーをやりたかったなってメンバーと盛り上がってたんだ!とにかくこのアルバムは自信作だから、年末くらいにアルバムツアーをやれたらいいなと思っているよ。
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