日本が世界に誇るミクスチャー・ロックバンド、マキシマムザホルモン。もはや日本の夏フェスに欠かせない存在となった彼らの3年連続となるサマソニ出演である。3年連続・・・、サマソニに3年連続出演できたアーティストが過去にいただろうか・・・。少なくとも筆者は知らない。今回のライヴでその理由を知らされることになる。
お馴染みのSEでの登場。ナヲ氏、すかさずメタルポーズにてご挨拶。それ以外特別なアクションなしのまま、メジャー5枚目のシングル「爪爪爪/「F」より「F」で戦闘開始宣言。ファンキーなベースラインに絡む高音・高速ラップでハングリー精神に引火。腹ペコ革命勃発である。その会場を揺るがすほどのエネルギーに圧倒。曲の終了後、ディストーションがフェイドアウトすると、静寂が会場を包み込む。MCに入るのかと待ち構えていると、まるでサイレンのように「What's up, people?!」のギターリフ、大介はんの雄叫び!!一音一音に魂を感じるほどのシリアスなパフォーマンスがステージ上で繰り広げられる一方、それに負けじと再びフロア一斉蜂起である!!まるで目の前にある光景はステージとフロアの戦いのようにも見えた。休戦宣言に申し立てるようにナヲ氏、「ギャーーー」との雄叫びからMC突入。お得意の?工藤静香のモノマネで会場から笑いを奪い、お決まりの自己紹介で再びテンションのゴリ上げ。「絶望ビリー」のギターリフを皮切りにして、新曲「爪爪爪」のハードコアなサウンドに、モッシュ・ダイヴが会場を揺らす揺らす。腹ペコ、恐るべしである。ここで大介はんのMCで一休み。周りを見渡すと前も後ろも人、人、人!!会場全体が埋め尽くされていた。昨年のMOUNTAIN STAGEのトリを飾ったTHE OFFSPRINGのステージ並みの集まりである。そんな大勢のファンを前にして「こんなたくさんの人に集まってもらってうれしいです。でも、ここにいる4/5の人はグットウィルの派遣です」と本日一番の笑いをかっさらっていくところもさすがだ。和やかな雰囲気が会場に漂い始めた頃を見計らってか、「包丁・ハサミ・カッター・ナイフ・ドス・キリ」の性急なハーコーサウンドに踊り狂い、そして、「ジョニー陰部LIFE」でステージとフロアが一体となってジャンピング。情熱的なMCをはさみ、ついにライヴ定番曲「ロッキンポ殺し」が演奏される。一人一人がまるでMOUNTAIN STAGEという生命体を構成している細胞となって躍動しているようにもみえて、鳥肌が立ったのを覚えている。なんなんだ、この一体感・・・。「ROLLING1000TooN」と「ポリスマンベンツ」演奏終了後には、ライヴのクライマックスを迎えるべく、まるで共闘を誓い合うように一斉ハンズアップ。フロアは狂気にも似た熱気で満ち溢れていた。
「お前らは日本代表なんですよ!!」「後悔せんように、おもいっきりかかってこいやー!!」などと腹ペコ・スピリッツに問いかける大介はんのMCから「シミ」へ。重量級のヘヴィネスサウンドと哀愁漂うメロディのコントラストがたまらない。ナヲ氏のメロディがいつもより心に染み入り、熱いものがこみ上げてくる。ナヲ氏の"恋のおまじない"で準備を整え、「恋のメガラバ」の始まりが告げれる。会場のどこに目を向けてもそれぞれがダンシング、立ち止まっているのは筆者だけだ。楽曲が進行していくと、フロアのあちこちで生じた小さいサークルが徐々にコミュニティと化していく。初めて会ったとか男の子・女の子とか関係なし!!確かなつながりがそこに生まれていたのだ。まるでステージとフロアのつながりの縮図を見ているようで感慨深い気持ちに浸りながら、彼らのステージを後にする姿を見つめていた。
三度目のライヴを目にして思う。彼らほどフェス映えするバンドはなかなかないのではないだろうか?奇抜で印象的な音楽性、見ているだけでこちらも暴れたくなるようなライヴ・パフォーマンス、笑いをかっさらい、いつの間にかその気にさせられるMCなどなど・・・。彼らの魅力はこれだけではないが、一聴して彼らに興味を持つには充分すぎるほどの要素だと思うのだ。とにかくこのライヴで彼らのことがもっと好きになったのは私だけではないはず!!
吉野 将志
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