NEW FOUND GLORY サマーソニック08ライブレポート

8月9日午後14時。SUMMER SONIC08のMOUNTAIN STAGEの周りはすでにパンクキッズで取り囲まれていた。
ステージ付近には会場に響き渡るほどの渇望の声を上げる熱狂的なファン、その後ろには腰を下ろしてステージを見つめているファンがそれぞれ2:8の割合で会場を埋めつくしていた。

午後14時15分を少し過ぎた頃、電撃音とともに照明が落ちる。座っていたファンが歓声とともに全員起立!!まるで始業式の「一同起立」との号令に従っていたときのようで滑稽であったが、同時に、ここにいた全員が同じ目的であったことに改めて気づかされた瞬間でもあった。そう、僕らの目的は約1年ぶりの来日となるNEW FOUND GLORYのライヴなのだ。パフォーマンスの始まる前に、ファン同士の間に一体感のようなものを肌で感じることができた。

「コンニチハー、ニッポン!!」とジョーダンがお茶目にご挨拶。すかさず、メロディック・パンク界屈指のキラーチューン「Understatement」からライヴスタート。会場にいた一人一人が待ちに待った溢れる喜びを爆発させる。会場を揺がすほどのエネルギー、ステージにいたメンバーたちに伝わったに違いない。続いての「Truth Of My Youth」では、歌って聴かせるというよりも勢いにのってキッズとともに突っ走り、「Better Off Dead」や「Something I Call Personality」などではメンバー全員の激情パフォーマンスに会場大興奮。はちきれんばかりに膨れ上がったフロアのテンションに、ジョーダンがやさしく「アリガトウ」と一言。ジョーダンの汗の滴る顔が綻んだ瞬間、名曲「All Downhill From Here」が演奏される。待ってましたとの如く、モッシュパートでは縦横無尽にモッシュ&ダ~イヴ!!サビになるとシンガロングの嵐!!ステージに寄せられるその声に、ジョーダンたまらず、マイクをフロアに預ける。まるでもっと一緒に歌おうぜ、もっと一緒に楽しもうぜーと伝えているようだった。言葉の壁を越えてお互いに求め合う気持ちがひとつになった瞬間であった。立て続けに叩き込まれたアップテンポの楽曲に少々息が上がっていると、サイレスの刻むビートに合わせてキーボードの旋律がやさしくフロアをヒーリング。大名曲「Hold My Hand」である。「トゥ、トゥ、トゥトゥ~」と口ずさむジョーダンに合わせてシンガロング。続いて「Head On Collision」でしっとりと歌って聞かせていた。このあたりの緩急のついたセットリストやステージングはさすがの一言である。

ライヴ中盤戦の幕開けを飾ったのは、彼らのルーツ剥き出しの「Tip Of The Iceberg」。性急なビートにサークルピットが反応し、グルグルとめまぐるしく回転。続いての「Dig My Own Grave」では、彼らのハードコアエッセンスを前面に押し出したサウンドに、ハードコアキッズはモッシュ・モッシュ!!熱気冷めやまぬまま、「Failures Not Flattering」、「Iris」と演奏されていき、ライヴ定番曲「Hit or Miss」では興奮のあまりジョーダンはフロアに降下してきた!!必至の形相で貪るようにキッズとふれあっているジョーダンの姿が大型液晶に映し出される。その姿はまさにかっこいいの一言。身震いしたほどであった。その余韻を残したまま「It's Not Your Fault」でライヴ終盤戦のラストスパートをきっていった。おそらく会場にいたほとんどのファンが羨望していた「Kiss Me」が演奏される。どこにそんな力が残されているんだろうと思うぐらいの大歓声が鳴り轟き、会場全体がまたもや揺れる。チャドから「新しいアルバムが1月に出るので、1,2月にまた戻ってくるかなー」との内容が会場に投げかけられ、ジョーダンからサークルピット指令発動!!大歓声の渦の中で「Intro」が演奏されると、これまでで一番大きなサークルが誕生し、最後はお決まりの大名曲「My Friends Over You」で最後の力を搾り出すかのようにモッシュ&ダイヴ!!

今回のライブではっきりしたことは、NFGはメロディック・パンクバンドでも、メロディック・ハードコアバンドでもなく、それらの音楽性をも吸収したパンク・ロックバンドであること。今年の1月にリリース予定のニューアルバムは、パンク、ハードコアなどの枠を超えた音楽性を見せ付けてくれる作品になっているということなので、今からすでに楽しみである。

吉野 将志

★セットリスト★
1, Understatement
2, Truth Of My Youth
3, Better Off Dead
4, Something I Call Personality
5, All Downhill From Here
6, Hold My Hand
7, Head On Collision
8, Tip Of The Iceberg
9, Dig My Own Grave
10, Failures Not Flattering
11, Iris
12, Hit or Miss
13, It's Not Your Fault
14, Kiss Me
15, Intro
16, My Friends Over You

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