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LIVE REPORT

NoGoD

2014.11.29 @品川ステラボール

Writer 荒金 良介

18時10分に暗転、荘厳なSEに導かれて、メンバー5人が颯爽と登場する。遂にNoGoDのメジャー4thフル・アルバム『Make A New World』を引っ提げたレコ発ツアー"TOUR-2014-AUTUMN Follow Your World"のツアー・ファイナルがやって来た。
"行くぞ、東京ー!"と団長(Vo)が言うと、「WORLD ENDER」から鮮やかなスタートを決める。観客はヘドバンして、初っ端から激しい盛り上がりだ。団長の力強いヴォーカル、Kyrie(Gt)とShinno(Gt)のヘヴィでソリッドなツイン・ギター、華凛(Ba)の主張激しいベース音、K(Dr)の安定感抜群のドラムが一枚岩となって攻め込んでくる。"2曲目で泣きそうになった。何、この熱さ!?"と思わず団長は零していたが、9月の神戸VARIT.公演を皮切りに今日で19本目にあたるファイナル公演に賭けるバンドの意気込みも半端ではない。それが観客にもしっかり伝わっているのだろう。送り手と受け手が真正面からぶつかり合う火花が会場の温度をどんどん上げていく。

また、新作のジャケをイメージしたというセットも凝っていた。下手には黒い壁に白い扉、ドラム缶もあり、上手は神殿の柱が4本、その背景には高層ビル群が描かれ、ステージの雰囲気を盛り立てる。"基本的に5人の音とお前たちの歓声だけ、シーケンスも使ってないから思う存分に声と拳を上げてくれ!"と団長が言うと、不意を突くように静かなミドル・テンポの「十人十色」を披露。それから再びアッパーに切り替え、「Downer's High」で観客がタオルを振り回す光景が広がり、さらに"おめでたいときは何する? 万歳だろ!"と呼びかけ、万歳三唱した後に「BANZAI!!!」をプレイ。テクニカルな演奏と開けたポップ感が溶け合い、観客も横に手を振って一体感は俄然高まる。「STAND UP!」を挟み、プログレッシヴかつドラマティックなインスト・ナンバー「I-回顧」に続いて「讃美歌」、「EZ L1F3」へと新作通りの曲順を踏襲した流れでも引き付けた。"すごくいい景色だよ!"と団長も興奮を隠せない。そして、華凛のブリブリうねるベースをイントロにMETALLICAの「Enter Sandman」風のミドル・グルーヴで迫る「Carnival」を放つ。聴く者を心の底から焚き付ける"Hi! Hi!"のコール&レスポンスは耳をつんざく大ボリュームだった。

本編ラストはメロディが際立った「野に咲く君へ」で一旦締め括ったものの、アンコールを求める声は止まない。ライヴ中にも触れていたが、今日はKyrieの誕生日ということもあり、"Kyrieさん、誕生日おめでとうー!"とShinnoが言うと、それに続いてKyrieは"誕生日にいいツアー・ファイナルを迎えられた。(新作のアルバム名にちなんで)どんな世界を作りたいですか?と聞かれて、何も変わらないですよとインタビューでは答えてた。だけど、自分が変われば世界は変わる。世界が嫌になったときはそれと向き合う。それが新しい世界を作ること。僕らはまた新しいものを作りにいく。世界が嫌になったら、このアルバムを聴いてほしい"と語りかけた。それから次の曲へ行こうとする瞬間、ひとりの男性ファンが「Happy Birthday To You」を突如歌い始め、観客全員がそれを追いかけて大合唱になる一幕もあった。その後はガレージ・メタル的な「HATE THIS WOЯLD」や、「唯一歌」、「ノーゴッド」で終え、メンバーはステージを後にする。しかし、観客の求める声に再び応じてダブル・アンコールで「敬虔」、予定外のトリプル・アンコールで「宝物」も披露。団長の呼びかけもあり、見ず知らずの観客同士が手を繋ぎ合って天に掲げる感動的な場面も見られ、約3時間に及ぶショウは盛大に幕を閉じた。

来年は結成10周年という大きな節目であり、春には新曲とインディーズ時代の楽曲を含むベスト・アルバムのリリースと、アルバムを引っ提げて全国33公演に及ぶ史上最大規模のワンマン・ツアーも予定されている。来年のさらなる飛躍に向け、現時点のすべてを出し切るような圧巻ライヴだった。

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