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INTERVIEW

AA=

2016.05.04UPDATE

2016年05月号掲載

AA=

Member:上田 剛士(Ba/Vo/Prog)

Interviewer:吉羽 さおり

-BABYMETALには上田さんも楽曲提供されていますが、曲を提供する際にも海外は意識されていますか。

個人的にはそういうのはないんですよね。海外を目指すのは自分の音で、というのが大きかったですし。話をもらうまでは、アイドルのことはよくわからなかったし(笑)。楽曲提供の話をもらったときも、"好きなようにやってください"と言われていたので、それだったらやってみようかなという感じだったんです。ただ当初から、彼女たち自身ではなく、マネージャーやスタッフは海外を意識していたんですよね。それこそ、海外でのライヴの話はよく聞かれていて、"自分たちが行っていたときの話しかわからないけれど"という形でいろいろ話しました。英語だとか日本語だとかはあまり関係ないよ、とかね。

-ああ、歌の言語ってあまり関係ないんですね。

こっちが思っているほど関係ないんですよね。"そのまま受け取ってくれるよ"、"その代わりいいものであれば"という話はよくしていました。あとは、バッと海外へ出ていったときに、その1回の勝負に勝てるかっていうことも重要ですよね。そういう意味では、THE MAD CAPSULE MARKETSも"MTV"の時代だったので、MVは役に立ったと思います。それは、自分らの時代らしいものだったのかもしれないですね。その前の世代だと、情報が文字でしかない時代になってくるから、より難しさがあったと思うんです。

-テレビやインターネットのようにはいかないから、伝わっていくのにどうしても時差があったと思いますしね。

今は情報も同時に伝わりますもんね。それこそ、LOUDNESSが世界へ出た時代ともまた違った感覚はあるんです。今は、海外で行われたライヴの感想が、数十秒後には日本でもわかる状況になっていたりする。それこそライターさんが観てライヴ速報を書くよりも早く、みんなTwitterに感想をあげちゃうような時代ですからね(笑)。そういったところは全然違いますよね。

-たしかにそうですね。今回のアルバムが完成に至るまでには、コラボレーションがあり、その前にはSCHAFTでの活動もありました。これまで以上に、上田さん自身が幅広い動きをされていましたが、そういった活動がアルバムに反映されることもあったのでしょうか。

少し、あったと思いますね。基本的にはこのアルバムの制作をずっとやっていた中で、SCHAFTの活動が入って、無理矢理引っ張られてやっていた感じでしたけどね(笑)。時間的には厳しくなったところもあったんですけど、そのぶん、チャンネルが違うので気分転換になった部分もあるんです。それに、AA=だけでやっていると、自分のパーソナルなものが全面に出るんだけど、コラボレーションになると相手をプロデュースするというニュアンスが自分の中に出てくるので、これもまた少し違う扉が開くんですよね。コラボレーションは初だったんですが、AA=でも違うチャンネルが開けるのはアリかなと思いました。

-コラボレーションでは、歌詞もそれぞれ参加した方が書いていますしね。上田さん自身、どういうものがみなさんから上がってくるのかを、楽しみに待っていたという状態ですか。

そうですね。みんな歌を録るときにも考えたりしていて。建志に関しては、TAKA(Vo/TAKAYOSHI SHIRAKAWA)とふたりでキャッチボールしながら書いていたし、KoieとMasatoは、ふたりでワイワイやりながら、"こっちの方がいい"、"あっちの方がいい"と言い合いながらやっていたので。

-coldrainとCrossfaithが一緒にやることって、今、ラウド・シーンを追いかけている人たちにはすごく影響もあるし、面白いことだと思うんです。

だと思うんですよね。なかなか一緒にできないところを、先輩が無理矢理呼んで連れてくるという(笑)。

-そしてAA=のサウンドで、このふたりが歌うということが、すごく強烈なメッセージにもなっているなと。

そういう意味では、自分がサウンドに徹する形で後ろにいて、ふたりに好き勝手やってもらう感じでした。なのでふたりには楽しんでもらえたと思うし、coldrainとCrossfaithがコラボするよりも、気楽にできたんじゃないかと思います。お互いのスタイルは、わかり合っている感じだったから、注文をつけ合ったりしてましたよ。それを、こっちはニヤニヤ見ているという立ち位置で(笑)。すごく楽しそうでした。

-前作の『#4』(2014年リリースの4thアルバム)は、それまではバンド・メンバーとデータでやりとりをしながら作り上げていくものだったのが、メンバーで顔を合わせて作っていく、初めてバンドらしい手法で制作したアルバムでした。今回は、また違う方法ですか?

今回はほんとにパーソナルなもので、自分ひとりだけで作っていった感じでした。もちろんTAKAにはヴォーカルで入ってもらいましたけど。その一番の理由としては、時間的な部分が大きかったんですけどね。

-徹底して作品に向き合って作っていたと。

そういう意味ではいつもそうなんです。それをもう一度、メンバーでプリントし直すか、し直さないかという感じで。今回は時間もないので、そのまま出すことにしました。なので、より自分の色が濃い作品だと思います。

-サウンドとしてはこれまで以上に、攻撃性の高い、温度の高いものになりました。

曲やサウンドはわりとそんな感じになりましたね。曲や歌詞のテーマは普段考えることが出ているんですけど、純粋にサウンドだけ見たら、どうなんでしょう。出てくるものが、タイミング的にちょうどこういうものだったという感じですかね。それこそ、半年後にこのアルバムを出していたら、きっとまた違う感じになったのかもしれないし。