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LIVE REPORT

BabyKingdom

2023.07.26 @渋谷duo MUSIC EXCHANGE

Writer : 杉江 由紀 Photographer:菅沼剛弘

炎天下の中で行列をしたり、パレード待ちのために場所取りをしたり、といった苦行の類は一切ナシ。自らを"MUSIC THEME PARK"と標榜するバンド BabyKingdomの繰り広げるライヴは、各曲が様々な趣向を凝らしたアトラクションとして機能する、ヴィジュアル系全員参加型エンターテイメント空間なのである。

"俺たちが今日で7歳の"MUSIC THEME PARK"、BabyKingdomです!! 外はすごく暑いし、こんなパリピの集まる渋谷のド真ん中によくぞ集まってくれました。今日は渋谷の街にいる人たちがびっくりするくらいの、ヴィジュアル系デス・ヴォイスをみんなで出していきましょう。いけますか! さぁ、かかってこい!!"(咲吾-shogo-/Vo)。

というわけで、現在は9月6日と7日のSHIBUYA PLEASURE PLEASURE公演まで続くワンマン・ツアー"BabyKingdom summer oneman tour『太陽と月光の反響音』"の真っ最中であるBabyKingdomが、このたびツアー本編とは別に特別開催したのは"HAPPY☆SEVEN"と題されたアニバーサリー・ライヴ。その内容は、彼らの真髄を凝縮したようなエンターテイメント精神に溢れ返っていたと言っていいだろう。

バンドの自己紹介的な歌詞が特徴的な「ぱらでーしょん☆彡」に始まり、めっちゃポップなサビに対してAメロでの志記-shiki-(Gt/Mani)ともにょ-monyo-(Ba)によるヘヴィ・リフが映えた「めっちゃアーメン」、タイトル通りに中華的な五声音階を取り入れた曲調の中で虎丸-toramaru-のダイナミックなドラミングが生かされていた「カマッチャイナ!」、フロントマン 咲吾-shogo-が"ばぶりーず"に対して"お祭りモッシュ"を含めたフリの懇切丁寧なレクチャーをしてから始まった「スッ転げてポン!」と、ライヴの前半パートでは終始テンアゲな展開を見せたBabyKingdomだが、中盤に入ったタイミングで咲吾-shogo-がセミアコを弾きつつ歌っていくことになった「アカツキ」では一転してのシリアスな一面も披露することに。 トゥー・マッチなくらいに派手な出で立ちをもって、ポップでファニーな雰囲気を前面に打ち出し、基本的にはどこまでもエンターテイメントに全振りしているバンドであるものの、実のところBabyKingdomとは"音楽的に見ると至ってマトモ"なバンドなのだということが、この「アカツキ」という曲からは特に良く伝わってきたように思う。

そして、そんなBabyKingdomの音楽的手腕は本編後半で演奏された最新シングル『ハイ逮捕/FAKE in PHANTOM』からのドラマチック且つミステリアスな「FAKE in PHANTOM」、スリリングにして痛快な「ちょうだい!君の心臓」でも存分に発揮されており、ここからラストの「誰かのヒーロー」までは怒濤の勢いで場内が盛り上がりの一途を辿っていくことになったのだ。

なお、べびきんならではの"延長営業!"というコールがかかったアンコールではユーロビート全開の「監獄☆BEAT」で咲吾-shogo-と虎丸-toramaru-が見事なシンクロぶりでパラパラを見せたほか、キャッチーな新曲「ハイ逮捕」でのダメ押しのうえ、最後はべびきんとして初めて作った楽曲だという「HeartBeat」が、同期機材のトラブルにより急遽完全生演奏で放たれるという超レア展開まで勃発。

"7年前と違って、今の俺たちは同期なんていらないぞ!"(咲吾-shogo-)。
その頼もしい姿に、7周年ならではの貫録が漂っていたことは間違いない。"MUSIC THEME PARK"、BabyKingdomのさらなる拡大拡張は、約束されたも同然だ。

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