DISC REVIEW
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もともと見世物小屋から始まったとされるサーカスという文化には、華やかなショーとしての一面だけでなく、人間という生き物が避けられない悲哀もどこかで付き纏う。自らを"MUSIC THEME PARK"と標榜する彼らが、この新アトラクション(アルバム)においてテーマとしたのはサーカスで、BabyKingdomはその陰陽を各曲にてしっかりと表現していくことと相成った。咲吾の表情豊かなヴォーカリゼーションに、緻密な歌詞表現。志記の理知的な作曲センスと、器用なギター・ワーク。もにょの音楽的解析力と、円熟味のあるベース・プレイ。虎丸の音に対するひたむきな姿勢と、力強いドラミング。ファニーな4人からなるサーカス団 BabyKingdomの生み出すこの異空間に、あなたならばどのような夢を見るだろうか。 杉江 由紀