DISC REVIEW
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悪しき気は祓われ、やがて清き静謐へと返るだろう。"MUSIC THEME PARK"を標榜するBabyKingdomが、このたび音楽という形で描き出すのは平安時代の陰陽師にまつわる物語。昭和末期に日本で生まれたヴィジュアル・メタルの概念を、この現代においてたおやかな和旋律と激烈なボム・ブラストを用いながら新構築していくにあたっては、先輩である己龍 酒井参輝(痛絶ノスタルジック代弁第壱人者兼ギター)から伝承された技術を活かした部分も多々あったという。心洗われる「水天一碧」と雅びやかな「花鳥風月」も曲調こそ違えど趣深く、いずれも完成度を追求するあまり"真面目すぎる"ものになってしまったと語る彼等の、眼に宿る真摯さは眩しくもある。 杉江 由紀