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LIVE REPORT

OUTRAGE

2022.04.24 @Zepp Nagoya

Writer 荒金 良介 Photo by Ryota Mori

OUTRAGEが今年デビュー35周年を迎え、"35th Anniversary Special Live OUTRAGE & Outrageous Philharmonic Orchestra"を地元Zepp Nagoyaにて開催。"最初で最後"と丹下眞也(Dr)が予告していた通り、3部構成の内容は驚きの連続と言えるものだった。

恒例のSEであるLED ZEPPELINの「Immigrant Song」と共に、約30名のセントラル愛知交響楽団がステージ2段目の端から端まで埋め尽くし、オーケストラのみで演奏をスタート。まずは「MY FINAL DAY」を先頭に計5曲を披露する。オリエンタルなムードに溢れた「FOLLOW」の神秘的な音色に惹きつけられ、「GREAT BLUE」は「蛍の光」を引用したフレーズを含め、表情豊かな世界観で観る者を酔わせていく。
演奏を終えると、観客によるスタンディング・オベーションで惜しみない拍手がステージに送られNAOKI(Vo)、阿部洋介(Gt)、安井義博(Ba)、丹下とOUTRAGEのメンバー4人が登場。「RISE」で火蓋を切ると、安井の野太いコーラスが映える「Machete III」、次の「LET MY ASS GO」では最前で激しくヘドバンする人たちが続出していた。また、久々に聴いた「DRAGGIN' ME DOWN (FEAR IS)」の地を這うグルーヴも、インパクト絶大。「MEGALOMANIA」を挟むと、ここで新曲「Psycho flowers」へ。衝動満載の疾走感に加え、高いキーで豪快に歌い上げるNAOKIの歌声も迫力十分だった。

そして、ここからOUTRAGE×フル・オーケストラの共演に突入する。壮大且つドラマチックに変貌を遂げた「MY FINAL DAY」から圧倒されつつ、そのあとの4曲の流れはとりわけ胸に迫るものがあった。ウォール・オブ・サウンド的な響きで迫る「SAD SURVIVOR」、楽曲の爆発力をオーケストラが倍増させる「VEILED SKY」は、もはや未知の世界に放り込まれたような興奮に包まれる。ただただすごいのひと言だ。
それからNAOKIひとりでオーケストラと対峙した「RIVER」、阿部、安井、丹下の3ピース時代の楽曲「DEADBEAT」もここで披露。重戦車のごときヘヴィ・グルーヴとオーケストラが予想以上にマッチしており、思いも寄らぬ化学反応に感動を覚えた。 後半は新曲「Summer Rain」も披露され、NAOKIの伸びやかで力強い歌声に聴き惚れてしまうほど。本編ラストは「WORLD SLOW DOWN」を演奏し、開放感溢れる曲調で幕を閉じた。

アンコールに入ると、再びオーケストラを交えて「UNDER CONTROL OF LAW」までやってくれ、Wアンコールではメンバー4人のみで「STEP ON IT」をラストに投下。すべてをなぎ倒さんばかりの破壊力を叩きつけ、計22曲約2時間半に及ぶショーを無事に完遂した。
この日はデビューEPのジャケである通称"ペケレイジ"がステージ背後に飾られ、その前でOUTRAGEとフル・オーケストラの共演が繰り広げられた。デビューから35年の歩みの中で到達した絶景を目の当たりにして、ここに集まった多くの人たちが元気と勇気を貰えたのではないだろうか。純粋に音楽を愛し続けた男たちのパワーが、今まで想像もしなかった挑戦を引き寄せ、35年でまた新たなハードルを乗り越えたのだ。

継続と挑戦。それはまさにOUTRAGEの歴史そのものと言えないだろうか。滑らかな一本道ではなく、迂回や逡巡を繰り返し、バンドは転がり続けてきた。今日のライヴを観終えて、ますますOUTRAGEの成長と進化、さらに挑戦する姿勢を見届けたい気持ちに駆られてしまった。名古屋を代表するメタル・バンドが、全世界に闘いを挑む姿をいちファンとして見守り続けたい。

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