LIVE REPORT
RAISE A SUILEN × Morfonica
2021.09.05 @富士急ハイランド・コニファーフォレスト
Writer 宮﨑 大樹 ©BDP ©CraftEgg ©BUSHI Photo by ハタサトシ、斎藤チホ、阪東美音、JOKEI、池上夢貢(GEKKO)
"BanG Dream!(バンドリ!)"発のリアル・バンドは2021年現在までに4組誕生している。プロジェクトを初期から支えるPoppin'Party、その次に生まれたRoselia。そして第3のリアル・バンド RAISE A SUILENと、昨年2020年に産声を上げたばかりのMorfonicaだ。今回は、"バンドリ!"第3、第4のバンドによるツーマン・ライヴの2日目の模様をレポートする。
気品を漂わせながらも背中の大きなリボンがかわいらしい、そんな新衣装を身に纏って登場したのはMorfonicaの5人。直田姫奈が歪みを効かせたギター・リフを鳴らし、それに追随するmikaのドラムと共に、Ayasaがバンド最大の特徴とも言えるヴァイオリンの旋律を響かせる。彼女たちにとって始まりの1曲「Daylight -デイライト- 」でライヴがスタートした。進藤あまねの歌声と、バンドが響かせるシンフォニック・ロックとのコントラストが良く映える。西尾夕香がバキバキのスラップ・ベースをかました「CQCQ」(カバー)から続けて、黄色のペンライトが会場を彩った「金色へのプレリュード」では、優しく美しい音の波が曇天を打ち払うように突き抜けていった。
各キャラクターの個性が出た自己紹介を経て、"ガルパ"(スマホ向けゲーム"バンドリ! ガールズバンドパーティ!")のストーリーの映像がモニターに映し出されると、そのエピソードから生まれた「ハーモニー・デイ」を届ける。"バンドリ!"ならではの演出で曲のリアリティを高め、ダイレクトに胸に響いたバンドリーマー(※"バンドリ!"ファン)も多かったのではないだろうか。この日は、「Sonorous」のあとに披露された新曲「Secret Dawn」や、「flame of hope」でも同様の演出があり、より感情移入のできるライヴを作り上げていたと言える。ここから「V.I.P」(カバー)の初披露、「Nevereverland」と続けてMCへ。
"Morfonicaとして初めてステージに立ったあの日から1年が経ちました。初めて立ったステージ、コニファーフォレストにまた5人で立つことができました"と語る進藤あまねは、今にも泣き出しそうだ。涙を堪えながら"これからもMorfonicaの応援、よろしくお願いします!"と言葉を出し切って最後に届けたのは「ブルームブルーム」。すっかり暗くなった会場に青のペンライトが鮮やかに煌めくなか、楽器隊4人は心地よさそうに、そして進藤あまねは晴れやかな表情で歌い上げて舞台をあとにした。
続いてはRAISE A SUILENのステージ。「A DECLARATION OF ×××」で静かな立ち上がりをするその姿には、貫禄すら感じさせる。Raychellはパワフル且つビブラートを効かせた力と技の歌唱を響かせ、夏芽の鋭いドラムがそれを押し上げる。倉知玲鳳の奏でる鍵盤は躍動し、DJの紡木吏佐はスクラッチで魅せた。そんな紡木吏佐が流暢な英語でメンバーを紹介し、各々が個人技を披露していく。その中でも、事もなげに背面ギターを弾いてしまう小原莉子は実にクールだった。
そうして、ヴォーカルとラップが交錯し、ヘドバンを沸き起こした「HELL! or HELL?」から、"ガルパ"のエピソードと共に披露された「mind of Prominence」、「EXPOSE 'Burn out!!!'」、初披露した「CORE PRIDE」(カバー)と連打する。"続けて新曲いくよ"(Raychell)と切り出して、8thシングル「Domination to world」を投下。小原莉子のリフが先陣を切り、徐々に楽器が増えていく様に胸が昂る。"完璧な僕に不可能はない"と強気に歌うRaychellの姿は実に痛快だ。
まだまだRAISE A SUILENの侵略は止まらない。ギターとドラムにフィーチャーした「OUTSIDER RODEO」、続いて「Beautiful Birthday」から爆アゲ曲「!NVADE SHOW!」に繋げて畳み掛けると、"お前ら、暴れ足りないんじゃない? そんなんじゃ富士の樹海に放り込むぞ!"とRaychellからの名煽りが飛び出した。ラストの「DRIVE US CRAZY」で、メンバー全員が"Wow! Wow! Wow! Wow! Wow!"とたくましい声を上げると、その場に集ったバンドリーマーたちもその声に呼応する。会場一体となって作り上げた魂の1曲で駆け抜けて、RAISE A SUILENのライヴは終了。個の技術でも、バンドとしてのグルーヴ、熱量でもその存在感を示した圧巻のパフォーマンスだった。
本編終了後には、進藤あまねとRaychellがこのライヴへの想いを語る対談映像が流れ、アンコールとしてMorfonicaとRAISE A SUILENのコラボで「flame of hope」と「UNSTOPPABLE」の2曲を披露。楽器陣の奏でる音の厚み、そして進藤あまねのまっすぐな歌声とRaychellのパワフルな歌声の交わる様は、このコラボならではのスペシャル感満載だった。最後に、アンコール中のMCで涙ながらに感謝を伝えた両フロントマンの表情が、達成感溢れるものだったことも忘れずに記しておきたい。
[Setlist]
■Morfonica
1. Daylight -デイライト-
2. CQCQ
3. 金色へのプレリュード
4. ハーモニー・デイ
5. Sonorous
6. Secret Dawn
7. flame of hope
8. V.I.P
9. Nevereverland
10. ブルームブルーム
■RAISE A SUILEN
1. A DECLARATION OF ×××
2. HELL! or HELL?
3. mind of Prominence
4. EXPOSE 'Burn out!!!'
5. CORE PRIDE
6. Domination to world
7. OUTSIDER RODEO
8. Beautiful Birthday
9. !NVADE SHOW!
10. DRIVE US CRAZY
■Encore
RAISE A SUILEN×Morfonica
En1. flame of hope
En2. UNSTOPPABLE
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