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INTERVIEW

NOCTURNAL BLOODLUST

2022.05.02UPDATE

2022年05月号掲載

NOCTURNAL BLOODLUST

Member:尋(Vo) Valtz(Gt) Yu-taro(Gt) Masa(Ba) Natsu(Dr)

Interviewer:米沢 彰

-続く「THE ARGOS」はタイトル・トラックでありながらインタールード的な存在ですが、この曲がタイトルとなったのも結果的にということでしょうか?

Masa:これに関しては「Cremation」がもう決まってて、その前のSEから繋がってるふうにはしたいって話してて。ノクブラは昔からSEがわりかしアルバム・タイトルになりがちなんですよ。で、1曲目のSEとどっちかにしようって話をしてて、こっちのほうがラスボスっぽいなという感じで決まりました。「Cremation」のための1曲って感じです。

-タイトル・トラックがそこに向けられているとなると、全体としても「Cremation」に向けて作られた作品っていう感じもしてきますね。

Masa:そうですね。だからもう主役が決まっていて、あとはいかに主役がバチっとくるかっていうのをトラックリストを作るときに考えたり、その前にSEを入れて1回落とすとかしたりしていますね。

-この"ARGOS"というタイトルは最初にSEのトラック名として付けられて、最終的に作品タイトルに昇格したということでしょうか?

Masa:タイトルは最後で、そのジャケットとかいろんなものができあがって、それに見合うようなSEトラックを作っていった感じですかね。だから女の子の声が入っていたりとか、炎の音を入れたりとか。最終的にバケモノになっちゃったみたいな。"Cremation"って火葬って意味なんですけど、そこに繋がっていくっていう。1個の物語じゃないですけど。そういうのに落とし込んだ感じです。

-先ほど「Cremation」が一番最初にできた曲って話がありましたが、この曲はおっしゃっていた通りかなりとがった特徴的なトラックになっていると感じています。アルバムを作るうえでそういう象徴的なトラックにしようという意図はあったのでしょうか。

Valtz:毎回そうなんですけど、まずは自分がそのときにやりたい曲を思うがままに作ります。スーパー・ロー・チューニングでグルーヴィで、且つプログレッシヴなリフを作りたいなと思って、リフをひたすら溜める作業を9月くらいからやってて。いつもある程度フレーズがストックされたらそれを構築する作業に入るんですけど、この曲はリード曲にできたらいいなぁって構想があったので、尺を長くしようというのは決めていて。フレーズを溜める作業を1ヶ月くらいして、1サビができたところで、オーケストレーションを大胆に入れる構想が生まれたっていう、そんな流れでした。

-シンフォニックな部分だったりとか、ダークな部分だったりとか、多面性のある曲だなと聴いてて思ったんですけど、そういう多面性を出そうと意図していたということでしょうか?

Valtz:それも結果論なんですよね。曲作りって連想ゲームでもあって。最初はプログレッシヴなリフを作るっていう程度で収まってたイメージが、1サビができたところでシネマチックな要素を入れるアイディアが生まれて。オーケストラを入れたあとにギター・ソロのアイディアが生まれて、って具合に派生してくんですよ。そのアイディアをなるべく潰さないように全部形に落とし込んだ結果こうなったっていうか。

-PromptsからPK(Vo)さんがフィーチャリングで参加されていますが、これも派生で生まれたアイディアだったんでしょうか?

尋:これまでフィーチャリングしたことがないんで。曲としても、アルバム全体を作るうえでも"マンネリ化"しないために、この曲にゲスト・ヴォーカルを入れようかなって思ったんです。まだヴォーカル・ラインが作られてない時点で、なんかブレイクダウンで入れられるんじゃないのかなと思って。で、"誰か呼ぶ? PK呼ぶ?"って話してて、決定してからヴォーカル・ラインをつけた感じでしたね。だから最初から呼ぼうって感じじゃなくて、作ってるなかで、呼んでもいいんじゃないかなって。

-ダークな部分がすごく強くて、万人受けするかと言われたらそういう曲でもないと思いますが、あえてこの曲をMV化しようと決めたのはどういった考えだったのでしょうか?

Valtz:万人受けを意識して曲を作ることはあまりないです。ある要素で突き抜けた曲ではあるので、インパクトは与えられるかなと。

Masa:MVを今までのやつより、めちゃめちゃ壮大にしたかったんで。ってなると必然的に曲も壮大になって、シネマチックなやつになるだろうなっていう。現状あるデモの中から、これいいじゃんっていう話で、それがさらに仕上がっていった感じでした。

-世界的にもLORNA SHOREやENTERPRISE EARTH、SHADOW OF INTENTなど若手から中堅のストイックなデスコア、デス・メタル、メタルコア・バンドが脚光を浴びつつあるように感じています。世界に視野を向けて、ノクブラここにあり、と見せられるような世界への可能性も示唆する作品になっていると感じました。そういった国外への目線や新たなファン・ベースを構築していく考えなどはあったのでしょうか?

Masa:そこはもちろんって感じですね。この作品に関してはどっちかっていうと海外寄りかもしれないです。とにかくパンチに特化してるっていうか、バランス型というよりは、攻撃力100パーセントの特化型みたいな。わかりやすくなんかすごいっていう感じの作品、尖った作品にしたかったんで。1回そういうのをバコンッと挟みたいのもあって、特に海外寄りに振ってる作品っていうのは確かですね。

-特にYouTubeってどこの国の動画かとかあんまり気にしないで観てる人もすごく増えてると思うんですけど、キャストも外国人だったりセットも日本っぽくなくて、無国籍な感じになっていたりして、日本に閉じてないような意識がMVにも表れているように感じました。

Valtz:ネットの時代になってから、日本の方たちだけが楽しめるようにっていう考えはなくて。海外への発信は当たり前のように意識しています。

-MVの内容についてバンドの中でこういうふうにしようって話はしたんでしょうか?

Masa:だいたいそういうのは作曲者が決めていますね。Valtzがうまく、こんな感じってアイディアをいっぱい出してやってました。そこはやっぱ、曲を作った人が一番頭の中にイメージがあるんで。

Valtz:やりたいことの破片がいっぱいあって、それを尋の歌詞と結びつけて、監督さんとディスカッションしながら仕上がったって言う感じですね。

-続く「Bow Down」はインダストリアル感もあって、最近の中では少し浮いているというか、なかった路線かなと思いましたが、これはアルバムの中でいろいろな面を試していこうという考えだったのでしょうか?

Masa:そうですね。ほかと被らないヘヴィ要素というか。ライヴで使いやすいみたいな、コアなものでおなかいっぱいだなってときにライトに聴ける楽曲が欲しく、ほかの楽曲とはちょっとタイプの違う感じにしてますね。

-この曲から「ONLY HUMAN」に繋がっていきますが、「ONLY HUMAN」も無機質なところがあるので、人力だけでインダス(無機質)っぽい感じを再現しているところが目立ってくるのが、曲順の妙みたいなところがありますね。

Masa:それもきれいにハマったんですよね(笑)。

Valtz:「Cremation」、「Bow Down」は絶対ここは死守したいっていう流れだったんですよね。そういう死守したい部分、マストな部分がいくつかあって、それを繋げていくみたいな感じもありました。

-作品を締めくくる最後のシングル2曲に繋げていくのに「Eris」がすごくペース・チェンジになっていて、中盤の展開はライヴで声が出せる世の中になったらめちゃくちゃ盛り上がりそうな曲ですよね。

Masa:これもYu-taroの曲なんですけど。基本的にYu-taroの曲はなんていうんですかね、ぶち上がるツボを押さえている楽曲が多いんで。

尋:Yu-taroの曲に関してはシンガロングというか、「Straight to the sky」もそうなんですけど、ほんとライヴでできたらいいなって曲になっていて。いつになったらライヴで(声出しを)できんのかなって感じですけど。

Masa:たしかに。

尋:でもまぁ、前作もそうですけど、Yu-taroの曲に限らず、シンガロングできたら楽しいだろうなっていうのは結構入れてますね。

-そこから「THE ONE」、「Reviver」で締めくくっていく流れからは、今後への期待を感じさせるような構成になっていると感じました。

Masa:最後やっぱちょっと開けて終わりたいっていうか、ちょっと救われて終わりたい。「Straight to the sky」で終わりたいっていう気持ちもあったんですけど、新曲をガンガン押していきたいというのもあったんで、「Reviver」だと最後締まるかなみたいな感じで。散々暴れ倒してきたんだけど、最後やっぱ開けて終わる感じにするためにこういうトラックリストになりましたね。

-ありがとうございます。今回のリリースの詳細発表と併せて、"THE AWAKEN TOUR 22"も発表されましたね。基本ツーマンで、最後だけ3マンという形で、対バン相手は若手から同世代まで様々ですね。

Masa:前回サイクロン(shibuya CYCLONE)周りでやったんで、今回はまたちょっと違う層のバンドとやりたいっていう目的があって。違った相手とさらに1戦交えて、バンドをアップグレードしていきたいなって思惑で、こういうツアーにしてみました。

-アルバム・リリースの週末からもうツアーを組まれていて、今年はさらに精力的に動いていくのかなと期待しているのですが、今後の予定で見えていることなどありましたらうかがえますでしょうか?

Masa:秋ぐらいにツアーも含めて、日本に限定せずにいろいろ考えていますね。

-最後に読者へのメッセージをお願いします。

Valtz:スペシャル盤 Extreme Edition(※完売)のインスト音源は聴いてほしいですね。結構ボーナス的なトラックがあって、そこでしか聴けないSEとか、このアルバムのシリアスな方向に沿ったシネマチックなトラックがいっぱい入ってるので。あとは、楽器だったりシンセだったり各パートにかなりこだわっているので、細かいところを聴いてほしいですね。

Masa:ツアーも面白いことになるんで、ぜひ。バチバチのノクブラを観に来てください。

Yu-taro:こういうバンドをちゃんといろんな人に知ってもらいたいですね。今ってメタルコアのバンドといっても意外と少ないんで。僕らが突破口になれればと思っています。