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INTERVIEW

GALNERYUS

2021.06.15UPDATE

2021年06月号掲載

GALNERYUS

Member:SYU(Gt) Masatoshi "SHO" Ono(Vo) YUHKI(Key)

Interviewer:荒金 良介

すべてのパートに対してアグレッシヴに攻めることがマストでした


-「THE HOWLING DARKNESS」はまさに曲名通りのサウンドで、邪悪なメタル・テイストを仕込んだ新しいテイストの曲調です。

SYU:ARCH ENEMY、IN FLAMESとか、デス声のヴォーカルを用いたデス・メタルと言われるジャンルも好きなので、それをガルネリ(GALNERYUS)に入れたらどうなるかなと。その意味では一番チャレンジングな曲ですね。あと、ブラストビートを大々的に入れたのも大きいです。歌えるパートも作っているので、みんなで歌ったらどういう雰囲気になるのかなと思います。

Ono&YUHKI:ははははは(笑)。

SYU:コロナが明けて、みんなとコール&レスポンスをやれたらいいなと。

-逆にメロデスやブラストビートなど、エクストリームな要素を今まで入れなかった理由は?

SYU:4、5枚目のアルバム(2007年リリースの『ONE FOR ALL-ALL FOR ONE』、2008年リリースの『REINCARNATION』)では冒険して、J-POP寄りになったり、重い曲もあったりして、良く言えばバリエーション豊かだけど、散ったような印象を受けたんですよ。いざOnoさん、TAKA(Ba)さんが加入して、『RESURRECTION』(2010年リリースの6thアルバム)を出したときに、やっぱりGALNERYUSのスタイルはメロディック・スピード・メタルだ! という意識を強く持ったんですよ。今回もメロディック・スピード・メタルという部分は、「THE HOWLING DARKNESS」のサビを聴いてもらえばわかるだろうし、メロディは絶対に捨ててないですからね。

-今はGALNERYUSとしてブレない芯があるからこそ、どんな要素を入れても昇華できるだろうと?

YUHKI:曲を作ると、らしさは出ちゃいますからね。いろんな要素を入れても、音楽性は変わることがないから。むしろ風味としていろんなものを吸収して、進化に繋げられたらいいなと思います。

Ono:なんだこの曲は? と思うだろうけど、らしさはありますからね。だから、予想は裏切っても、期待は裏切らないでおこうと考えてます。

SYU:うまいこと言った(笑)! 驚きを与えたいというのはそういうことですね。

Ono:SYU君、YUHKIさんは冒険してもいい意味でどちらもらしさがあるから、ちゃんと曲ができあがるんですよ。

YUHKI:メンバーがイメージを理解してくれるので、うまくまとまっているのかなと。

Ono:LEA君も今回のチャレンジに応えて、GALNERYUSの一員としてちゃんとやってくれましたからね。

-「FLAMES OF RAGE」は配信ライヴでも披露していた曲ですが、これも重厚なサウンドでSYUさんの7弦ギターも生きてますね。

SYU:そうですね。今回は全曲7弦ギターを使っているので、7弦のローBフラットの良さを出したいなと思ったんです。

YUHKI:7弦リフの重さもありつつ、めっちゃ速いパートもあるし、サビはキャッチーだし、1曲の中ですごくバリエーションを出せているから。9分という長さを感じさせない曲になっていると思います。

-Onoさんもこれらの曲に歌を乗せるのは大変じゃないですか?

Ono:毎回大変ですけど(笑)、この曲は特に大変でした。サビは必死以外の何者でもなかったですね。

SYU:クリアなハイトーンで当ててくれるのは本当に難しいと思うけど、僕は信用しきって作ってますからね。

Ono:はははは(笑)。技術的なことで言えば、ツアーで何度も歌うことで慣れてきて、また上達するんですよ。だから、新曲を録っている段階では必死です! でも、この曲は配信で一度歌ったから、他の曲よりはやりやすかったですね。

-今できるOnoさんの最高レベルの歌が入っているんじゃないかと思います。

YUHKI:そうですよね。

Ono:記録としてね......54歳のときにこんなに頑張っていたんだなと(笑)。

-この曲は配信ライヴで披露したときにヘドバン・パートを入れてましたが、それも観客との一体感を意識して?

SYU:会場でヘドバンだったら、みんなでやれるだろうと思ったんです。ライヴだと、そのパートは倍にしてやろうかなと考えてます。こういうタイプの煽り方は20年前ぐらいにヴィジュアル系バンドをやっていて、そのときにこういう煽り方をしているバンドがたくさんいたところからですね。

-「HOLD ON」も個人的に好きで、歌メロは爽やかで、鍵盤は'80s感が前面に出てますね。

SYU:それはYUHKIさんの曲ですね。

YUHKI:SYUから、コロナ禍だけど、希望が見える雰囲気で曲を作ってほしいと言われたんです。散歩しているときに偶然、歌詞と曲調が降りてきたんですよ。80年代のそういうサウンドも大好きだし、Onoさんの爽やかで前向きなサビのメロディを生かしつつ、GALNERYUSっぽくできたと思います。歌詞も曲名通り、"ライヴでみんなと会いたいけど、なかなか会えない。でも、いつか会えるから待っていてね!"という内容ですね。

Ono:歌詞はほぼYUHKIさんで、詩的な内容ですね。

YUHKI:サビで"舞い散る"とか出てくるんです。それもメタルではありえないかもしれないけど、すんなり歌えるOnoさんはすごいなと。

-「BLEEDING SANITY」はギターやキーボードの絡みも聴きどころであり、エキゾチックなメロディも印象的です。

YUHKI:北欧っぽい雰囲気が出てますよね。

SYU:ユニゾン・パートはケルト風の音使いを意識しました。この曲が持つトータルの雰囲気がそうさせたのかなと思います。あと、この曲はライヴでお客さんと一体となって、また改めて曲を聴いたら良さがわかるのかなと考えてるんです。曲を聴いて、どこでOnoさんが煽るのかもわかるんで、想像したら興奮が止まらないですね。

YUHKI:TAKAとLEAのリズム隊も重くて、いい仕事をしているからね。

SYU:「THE HOWLING DARKNESS」、「FLAMES OF RAGE」は新機軸的な曲だけど、「SEE THE LIGHT OF FREEDOM」、「WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)」でご安心くださいみたいな。MV曲は「WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)」なんですよ。直前まで「THE HOWLING DARKNESS」や「FLAMES OF RAGE」なのか、「WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)」にしようかと悩んだけど、この世の中で何をMVで伝えたいかと言えば、おどろおどろしくしているよりも、晴れわたったあとのことだろうと思い、後者を選びました。

-「WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)」における、LEAさんのドラム・プレイも引き立ってますね。

SYU:イントロ・リフの裏でチキチキみたいな細かなビートを入れてくれてますからね。そこはめっちゃ音量を上げました(笑)。「ザ・ガルネリウス」と言ってもいいくらいの曲だし、間奏も長いですからね。今回はユニゾンが多いんですよ。それもやりたかったことなんでしょうね。

-6月27日からツアー(["FIND THE WAY TO OVERCOME" TOUR 2021])が始まります。最後に意気込みを聞かせてください。

Ono:制限はあると思いますが、お客さんがいて、ライヴの空気感は作れると思いますので、ぜひ来ていただけたらなと。一緒に楽しみたいですね。

YUHKI:こんな時期ですけど、ツアーができるのは嬉しいですね。生音をみんなに浴びせて、お客さんの熱量を貰いながらプレイしたいなと。

SYU:演奏していたら夢中になるけど、お客さんは声を上げられないとか、いろんな心配はあると思う。だけど、こちらは最大限の対策をして挑もうと考えてます。気を使わせて申しわけないけど、一緒に楽しみましょう!