INTERVIEW
GALNERYUS
2020.10.05UPDATE
2020年10月号掲載
Member:SYU(Gt)
Interviewer:荒金 良介
-『INTO THE PURGATORY』は厳密にはコンセプト作ではなかったですが、ライヴで丸ごと再現してもハマるだろうと?
あの作品は全体的にダークでコンセプチュアルな内容でしたからね。最近の作品は物語性を含んだものが多いし、ソロ作『VORVADOS』(2019年1月リリース)も歌う人は違うのに流れのある作品でした。ただ、やっぱり新曲は身体に入ってないんで、難しいですね。
-「FIGHTING OF ETERNITY」の中盤にある長いインスト・パートも凄まじかったです。
YUHKI(Key)さんが作った曲ですよね。彼が作る曲はギター殺しというか、"あんたギターの運指を考えてるの?"みたいなものばかりで毎回難しいです。
-GALNERYUSとして新境地を切り拓いた「THE FOLLOWERS」は、プレイした感触はどうでした?
やっぱり新しい感じがしましたね。7弦ギターを使って、速い曲はあまり弾いてこなかったんですよ。だから、驚きは与えられたんじゃないかと。あと、本来メタルのライヴはお客さんを感動させて、共感してもらわなきゃいけないんで......GALNERYUSの場合はそのためにやらなきゃいけない努力が多くて。どの曲も少しさぼると、ミスが出てしまう。Onoさんにしっかり表現してもらうために、楽器隊は派手なこともしますけど、あくまでも飾りなんでね。歌が映えるようなバッキングをしているだけで。
-歌と演奏が拮抗した凄みもGALNERYUSの魅力ではないかと。
そういうふうに言っていただけますけどね。ただ歌、歌詞、メロディをOnoさんがちゃんと表現してくれるからこそ成り立ちますから。曲もええし、演奏も上手いけど、歌が面白くないバンドは多々いるんです。とにかくポップじゃないけど、歌が一番目立ってもらって、それを派手に色づけするバッキングが望ましいですね。
-そして、2nd Stageはベスト的な選曲で臨んだ内容でした。
過去曲でベスト選曲すると、こうなるというか。後半に"FLAG"の文字が続く曲名が並んでますけど、当時"FLAG"シリーズと言ってて、それはストライクのメロスピなんだよという意味で付けたんですよ。"FLAG"シリーズが連発すると、絶対お客さんは喜んでくれるやろうなって。お客さんの顔を想像して選曲すると、こういうふうになるんですよね。それとアンコールで披露した「DESTINY」は、当時作ったときはここまで支持してもらえるとは思ってなくて。
-そうなんですか!
もともとこの曲はバラードだったんですよ。途中でマイナー調に変わるんですけど、こういうバラードいいなぁって。で、何かのタイミングでバラードをメロスピにしたら最高だなと閃いて、メロスピにしたんですよ。ドコドコと振り切って、ソロにはユニゾンがあって、そこもハイライトになっているんで、GALNERYUSのやりたいことが全部詰まっている曲ですね。
-今作には同ライヴの模様を収録したCDもつきますが、これはSYUさんがマスタリングを担当されたそうで。
そうなんですよ。ここにバスドラがあって、ギター、ベースがあって......みたいな定位を考えるようになって。イヤホン、ヘッドホンの鳴りも考えたりして、耳が鍛えられた数ヶ月間でしたね。プロデューサーの久武(頼正)さんに"お前してみろ!"と言われて。『INTO THE PURGATORY』で初めてマスタリングさせてもらったんですけど、そのときの経験が生きました。そこでハマッちゃって、ミックスだけを終えたGALNERYUSの他の曲を貰って、マスタリングしてみたんですよ。それを久武さんに聴いてもらって、磨いていきました。
-CDに関してSYUさんがこだわった点というと?
ミキサーの唐澤(千文)さんがしっかりやってくれているので、その臨場感や押し出し感、ライヴのレンジの広い音に関してはあまり崩すべきじゃないなと思って。僕がしたことはそんなに多くないんですけど、音量の面とちょっとお化粧しましたという程度です。聴いて気持ちええなと思えたらいいかなって。
-わかりました。今後の予定についても話を聞かせてください。
早くライヴをしたいですね。最近、"SYU撃"という動画をやらせてもらっているんですけど、あれはリハビリになりますね。自粛期間後に初めて大阪で弾いたんですけど、人前で弾くのがすごく新鮮で感動しちゃって、鼻水まで出ちゃって(笑)。我々は誰かの前で弾くことが生き甲斐なんだなって思いました。アルバム作りも、いいライヴをするためですからね。アルバムを聴いてもらって、ライヴでお客さんと共有することがゴールですけど、そのゴールがない状態がずっと続いてますし......。で、10月25日に配信ライヴ([GALNERYUS Stream Live "We'll See The Light Of Hope"])をやるんですよ。
-初の配信ライヴですね。どんな内容になりそうですか?
メンバーにLEAが加入したので、彼が叩くGALNERYUSはそれが初なんですよ。来年はできればツアーを回りたいんですけど、どうなるかわからないですからね。
-LEAさんとはスタジオで何度も合わせてるんですか?
そうですね。非常に才能豊かな若者で、僕より10歳ぐらい下なんですけど、GALNERYUSのことをすごく好きで追いかけてくれてた子で、ほぼ全曲知ってて、ほぼ全曲叩けるんですよ。
-それはすごいですね!
即戦力やったんですよ。こんなやつがおるんやと思って(笑)。いつも使っているスタジオで練習している子で、LEAは動画サイトで"GALNERYUSを叩いてみた"みたいな映像をアップロードしてて、僕も出会う前からチェックしてたんですよ。顔もなんとなくわかっていたから、スタジオからドコドコ! と音が聴こえてきたんで、終わったあとにロビーで話し掛けて、"ぜひ一緒にスタジオに入ろう。加入してくれ!"って。
-そんな経緯だったんですか。SYUさんから見て、LEAさんはどんなタイプのドラマーですか?
理路整然型ですね。FUMIYAの前のオリジナル・ドラマーであるJun-ichiさんは天才中の天才で、彼を崇拝して練習してきたタイプなんですよ。さらにドラムの鳴りも意識しているから、音がデカいです。この先は期待しかないですね。ゆくゆくはJun-ichiさんを超えてくれたらいいなと(笑)。配信ライヴはLEA君も緊張すると思うけど、新章の始まりですから、どんな音を出してもらえるのか楽しみですね。ニュー・アルバムは一生懸命作っているので、来年早めに出せたらいいと思ってます。