INTERVIEW
打首獄門同好会
2016.08.18UPDATE
2016年08月号掲載
Member:大澤 敦史(Gt/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-わかりました。そして、2曲入りの今作『島国DNA』がまた素晴らしい出来映えですね。もはや確信と自信を持って送り出しているようなアンセム感があります。楽曲からオーラがバシバシ出てるし、最高ですよ!
ふふふ、ありがとうございます。いろんな食べ物の歌を歌ってきたバンドですけど、"米"(「日本の米は世界一」)で原点に返った感じがあって......。
-原点に返ったとは?
珍しい食べ物やその地域でおすすめされている食べ物ではなく、今まで一番食ってきた米を"うまい!"と(インターネット番組"10獄放送局"の企画で)新潟に行ったときに感じて。当たり前のことを見直す気持ちになりました。
-なるほど。
それでツアーに出ると、日本は港街が多いわけですよ。地方に行ったときにうまいものをネットで検索するんですけど、海沿いの街は海鮮丼が出てきたときに、"あっ、日本の周りは全部海だもんな!"って改めて思ったし、"アメリカの真ん中の州では絶対こんなものは食えないんだろうな"と。こんなに魚をおいしく食べられる国は、世界にそうないんじゃないのか、やっぱり日本は海鮮料理先進国だなと。その考えに行き着いたら、迷うことなく「島国DNA」ができました(笑)。それからは"マグロだよね! カツオだよね!"と歌詞を書いて。歳を重ねると味覚も変わって、最近はさばの味噌煮定食とか大好きになって。焼き魚定食もうまいし、歌詞を見返したときに自分の味覚のバックグラウンドも感じて――ふふふふ......話しながら、自分で面白くなってきた。
-(笑)「島国DNA」は、"日本の心シリーズ"第2弾と謳われてますが、「日本の米は世界一」の延長線上にある曲を作ろうと思ってました?
いや、あえて探していたわけではないと思うんですよ。たぶん、うまい魚を食ったからじゃないかな。
-(笑)
いつもそうなんですよ。焼き鳥の曲(※2013年リリースのミニ・アルバム『一生同好会します』収録曲「ヤキトリズム」)を作ったときも、一番うまい焼き鳥を食べたときにできましたからね。
-そこはブレませんね!
やっぱりツアーの影響は大きいです。きっとそこでうまい魚を食べたんじゃないかなぁ(笑)。地方でうまいもの食うと、俺の世界は広がります。秋田県の比内地鶏ってあるじゃないですか。たまたま比内町でそれを食べたときも歯応えがすごくて。噛んでも噛んでも"鳥がいる!"って。
-(笑)
それが自分の引き出しになりますからね。地方に行ったら、"おいしいものを食べなきゃ"という使命感に燃えます。
-(笑)話を戻しますけど、「島国DNA」はスムーズに曲はできたんですか?
そうですね。自分の中で三三七拍子の要素をとりあえず入れようとは思ってました。三三七拍子だから歌詞は7文字という縛りがでてくるので、この曲はすごく早かったですね。
-リズムに合う単語を選んで?
そうなんです。"まぐろは3文字"、"エビは2文字"とか文字数別にリストに分けるところから始まります(笑)。あと、いわしはつみれにするか、梅煮にするかで迷いました。梅煮派が多かったけど、俺はそんなに食わなかったので悩みました(笑)。
-ちなみに、なぜ三三七拍子を取り入れようと?
「DON-GARA」(2014年リリースのベスト・アルバム『10獄~TENGOKU~』収録曲)という曲があるんですけど、この曲では祭囃子を取り入れていて。日本伝統のリズム・パターンをやると、なんか気持ちいいんですよ。
-それも曲のテーマにある日本らしさに繋がりますね。
あぁ、そうですね。それと演奏以外でイントロと間奏の隙間に波の音を入れたんですけど、そういうこともやってみたくて。岩場に叩きつける波の音を入れようと。
-"魚魚 魚魚 魚魚 貝貝"、"魚魚 魚魚 魚魚 海海"のコーラスもインパクトありますね。
「日本の米は世界一」のときに"米"と書いて"マイ"と叫ばせたから、"魚"で"ウオ"と言わせたくて。ほとんどイタズラですね。