INTERVIEW
打首獄門同好会
2015.05.07UPDATE
2015年05月号掲載
Member:大澤敦史 (Vo/Gt)
Interviewer:荒金 良介
-両A面とは謳ってませんが、どちらも楽曲クオリティは高いです。
事実的には両A面みたいな感じですね。「日本の米は世界一」は去年のワンマンで披露したんですよ。それが好評だったので、2015年はこれで行こう!と。もう1曲どうしようかなと思っていたら、去年の年末から年始にかけて、Twitterで岩下食品の社長と繋がりまして。
-そうなんですか!
この経緯がまた面白くて。ファンの方の中に"岩下の新生姜"の大ファンがいて。ウチは食べ物の曲ばかり作ってるから、"岩下の新生姜はどうですか?"とドラムが提案されて。急にドラムが"岩下の新生姜"のレシピにこだわり出して、それをツイートしていたら、岩下食品の社長はTwitterで自分の商品に関するツイートを見つける達人でね、ウチのドラムともいつの間にか繋がってたのです。
-エゴサーチですね(笑)。
すごいんですよ岩下社長、食品会社の社長なのにフォロワーが1万人以上いるんですよ(笑)。それから社長はウチらのCDも買ってくださって、曲もいろいろ気に入ってもらえたみたいで、不意に"新生姜の曲も作ってくれないかな"的なことをTwitterで呟くわけですよ。そう来られたらウチとしても黙ってはいられないと、"社長、1度工場見学に行っていいですか?"とダイレクト・メールを送って。
-岩下食品の工場に行ったんですか!?
今年1月に行きました。"新生姜の曲を作ってもいいですか?"と聞いたら、"何とでも料理してください!"と快諾してくださって。工場見学の前後にもいろんなレシピを試食させてもらって、そこで得られたヒントからデモを作って"社長、こんな感じで大丈夫ですか?"という流れで作りました。タイミングも良かったんですよね、"ごはんの歌をシングルで出すなら、もう1曲はおかずでしょ!"って。
-きれいに収まりました(笑)。
申し分ないですよ。売れ行きよりも、作品のコンセプトとして手応えを感じちゃって。
-そんなミラクルを含め、楽曲自体はほんと無邪気ですよね。そこに共感する人が多いのかなと。
自然体も自然体、何も飾ってませんからね。憧れはしないだろうけど(笑)、親近感や共感は抱いてくれるかなと。子供の遊び心は忘れないようにしてます。
-はははは。「日本の米は世界一」はどういう過程でできたんですか?
多分、ご飯をおいしいと思ったんでしょうね。
-へっ?
例えば、ラーメン二郎の曲(「私を二郎に連れてって」)も、よく二郎に通っていたころに作ろうと思った曲ですし、うまい棒の歌(「デリシャスティック」)もミスタードーナツの歌(「ドーナツ歌現象」)もそうですし、だいたい動機は本当にそんな感じなんです。
-曲調もライヴ映えするような盛り上がれる楽曲です。
みんなで一緒に叫べるような曲が欲しくて。"オイ!オイ!"の掛け声を"マイ!マイ!(米米)"にしたら、面白いんじゃないかと。曲を覚えてくれたら、ライヴすげえ楽しいだろうなって。
-「New Gingeration」は先ほど話を聞きましたが、岩下食品の工場でネタを仕込んで?
そうですね。他に日々の社長のツイートから情報を集めたり。あと実は岩下の新生姜のファン・ブックとかあって、それが非常に参考になりました。で、食べておいしかったら歌詞にしよう!って作った、いわばレシピ集的な歌詞なんです。
-そんな本が出てるんですね。
そうなんですよ。社長がTwitterでレシピを拾ったものを本にしたもので。
-この曲は女性ヴォーカルの割合が増えたポップな曲調ですね。
新生姜の万能食材っぷりを表現するのに、いろんなジャンルを行ったり来たりする曲にしようと。イントロのチアガール風のフレーズとかもう完全に悪ノリです。
-ジャジーなパートにセリフ調の歌い回しを乗せたところも最高です!
それもレコーディング中のいたずらですね。エンジニアから"語るように歌ってみて?"と提案されて、実際にやったら爆笑しながら"これがいい"って採用されました。これも悪ふざけですね。今年は"歌をフィーチャーしよう!年間"なので、ポップになるのも必然ですね。今年はポップ年間かもしれない。次もこういう傾向の曲が増える予感がします。飽きたらまた真逆のものを作るかもしれないし、そこも自由にやりたいですね。