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INTERVIEW

摩天楼オペラ

2013.03.08UPDATE

2013年03月号掲載

摩天楼オペラ

Member:苑 (Vo) Anzi (Gt) 燿 (Ba) 悠 (Dr) 彩雨 (Key)

Interviewer:荒金 良介

-でもそうなっちゃいますよね。その後にバンドにとってターニング・ポイントみたいな出来事はありました?

苑:初ワンマン・ライヴですかね、2009年の7月23日。

-日付までよく覚えてますね。

苑:もう、人生で初めてのワンマンだったので、めちゃくちゃ緊張して。緊張しているのか、楽しいのか、どの感情なのか、それすらわからなかった。そんなとてつもない日でした。

Anzi:バンド活動やってる人で、人生で初めての単独ライヴが赤坂BLITZというメンバーが4人いるんですよ。そういう人って、めったにいないと思うから。普通なら初のワンマンは、キャパ100人とかのライヴハウスでやるじゃないですか。それはものすごく貴重な体験でしたね。単独ライヴの経験がなかったので、リハーサルの運び方も全くわかってなかったし。

苑:ゲネプロという言葉もそこで覚えましたからね。

-ははははは。

Anzi:当日は自分たちしか出演しないから、たっぷり時間があるだろうと思ってたんですけど。全然時間がなくて、出番の5分前に最後のメイクができたんですよ。

悠:それは私です(笑)。というか、30分近く押した気がする。

Anzi:あっ、そうか。超焦りましたよ。緊張する暇もなく、ステージに出ましたからね。オープニングで使った白幕が透けるところもそこで知りました。

-いきなり大舞台に立つ経験が多いバンドなんですね。メンタルは確実に強くなりそうですが。

Anzi:2009年は訳わからなかったですね(笑)。その後に“V-ROCK FESTIVAL”があって、僕らペーペーだったんですけど、なぜかメイン・ステージに立たせていただきまして。1万5千人ぐらいのお客さんがいる中でやって……あのナチュラル・リバーブ感にはビックリしました。歌って1秒後に山びこが返ってくるんですよ。今何やってるんだろ、ぐらいの反響で。

悠:ただ、そのときは緊張しませんでしたね。その数ヶ月前の初ワンマンはガチガチでしたけど。

苑:ステージに立てば何とかなる!と思って、どんどん楽しくなっちゃうんですよね。

-大舞台を経験しながら、バンドの内側を固めていく作業は?

苑:……そんなに悩んだ記憶はないんですよね。

悠:赤坂BLITZでライヴをやりたいと言ったのもメンバーからだし、ちゃんと準備はしてるんですよ。あとは緊張するか、しないかだけですね。

-わかりました。前作からシングル2枚(『GLORIA』、『Innovational Symphonia』)を挟んで、今作が完成しました。最初のアルバム像は?

苑:今回は“合唱したい”と思って作ったアルバムなので、前作とは全然違いますね。

-そのテーマはシングル「GLORIA」がきっかけなんですよね?

苑:そうですね。まず合唱したいと思ったときに出てきたメロディが「GLORIA」で、それをメンバーに提示しました。合唱って大きなことだから、1曲で終わらせたくなくて。それから半年間かけて、合唱をバンド内に取り入れようという話し合いをして。今回のアルバムで合唱を完結させました。

-そもそも合唱というキーワードは、どこから来たんですか?

苑:HELLOWEENが好きなので、やりたかったんですよね。

-はははは、元ネタはHELLOWEENですか。

苑:あと、RHAPSODYとか。それは昔からある夢の1つなんです(笑)。心のどこかで、合唱やりたいなあとずっと思ってました。それプラス、最初に海外ライヴの話をしましたけど、あのときのようにバンドとオーディエンスが一体となって、熱くなるようなライヴを前作(『JUSTICE』)のツアーでやれるようになったから。その人間のパワーを楽曲で表現したいと思ったんです。

-ああ、ライヴで得た感覚も大きいんですね。

苑:そこがいちばん大きいですね。ライヴハウスはバンドがプレイして、それを聴く人がいる。その場所で人間味が溢れる熱い感情が空間にすごく溜まる瞬間ってあるじゃないですか。その“人が集まってるパワー”を曲でどう表現できるかな、と思ったんですよ。合唱って、いろんな人間が声を出して歌うから、そこにパワーが生まれて、そこに感動が生まれると思うんですよ。その人間のパワーの集合体が合唱にリンクしたんです。

-いざ自分たちの曲に合唱を落とし込む作業はスムーズにいきました?

苑:わりとスムーズでしたね。僕が「GLORIA」を持って来たときも、みんなの理解もすごく早くて。

彩雨:曲自体が合唱が入るメロディになっていたんですよ。これが全く違う感じだったら、あれ?と思ったけど。完全にヴォーカルと合唱が成り立ってる状態で提示してくれたから、誰も“?”がなくて。ちゃんと練られて作られてましたからね。