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INTERVIEW

GALNERYUS

2011.10.06UPDATE

2011年10月号掲載

GALNERYUS

Member:Syu(Gt)  Masatoshi Sho Ono(Vo)

Interviewer:ムラオカ

-前作はよりストレートなオーセンティック・へヴィ・メタルというか。今作ではバラエティ溢れるアルバムになりましたね。

S:出たとこ勝負ですね。もうあんまりそこまで気にしてられないというか。勿論バリエーションという所は凄く重視してますけど、同じような物が並ばないようにという点を最も意識しましたね。あとキーボードのYUHKIさんと僕で作曲をやってるので、YUHKIさんはこういう曲を書くから僕はこういう曲を書くとか、バランスを持ってやっていったらこうなりました。

-1曲1曲非常に長いですね。5分を切ってる曲は殆どないですね。しかし1曲の中でもメリハリが付いていて長く感じさせないというか凄く聴き易いと思うんですが。

S:そう思います。曲のメロ、歌メロなどかキャッチーな部分としてバンドが一番重要視しているので、あっさりさらっと聴けるというところが多いんじゃないですかね。僕的にはアルバム通して聴いても一瞬で終わりますからね。

-曲順ってバラエティに富んでいる曲が溢れていると、並べ方によっては曲を殺してしまうことがありますよね?曲順に関しては意識されますか?

S:曲順に関してはプロデューサーと相談しつつという感じですね。10曲目の「THE TIME HAS COME」という曲はGALNERYUSの新機軸で今までにないタイプの曲なので、本当は僕的には「THE RISING」に続く2曲目に持ってこようと思ってたんですけど、「TEAR OFF YOUR CHAIN」という凄まじい曲が出来てしまったので、最終的にはスピード・メタルの「TEAR OFF YOUR CHAIN」を2曲目に持ってくるという並びになりましたね。

-「THE TIME HAS COME 」はモダンな雰囲気もありつつ。

S:モダンと思われるのはギターが7弦やからやと思いますよ。Low-Bを出してるのはこれだけだったと思いますね。そういうリフがポンポンポンと来てる、だけども北欧のTURISASとかそういう感じを出したくって。あと、シンセのストリングスを一番出してる曲ですね。

-話は変わりますが、小野さんはスピードがある曲と、バラードではどちらが歌う時に苦労されましたか?

O:曲限定でいうと「NO MORE TEARS」は難しかったですね。訥々(とつとつ)としてるので。“ターターターターター”ってなんか練習曲みたいで(笑)。こういう曲の方が歌で間を持たせるのは難しいですね。上手く言葉で説明出来ないんですけど、やっぱり間を持ってないと駄目なんですよね。

-なるほど。

O:そう言いながらも、一番難しかったのは「SPIRIT OF STEEL」ですね(笑)。

S:そうなんですね(笑)。

O:歌詞を乗せる時に、口ずさみながらこうしようああしようって書いて、良いノリで書けたなと思ったんですけど、実際レコーディングしてみたら、早口で歌わなきゃ駄目で結構大変でしたね。

S:リズムが結構難しいんですかね。

O:出来あがった物を聴くと“おおっ”って思うんですけど、やっている時は大変でした(笑)。まあ、みんな難しいんですよね、GALNERYUSの曲は(笑)。

-こちらとはまた別でカバー・アルバム『The Voice -Stand Proud !-』が出ますよね。そういう他のバンドの曲とGALNERYUSで歌っていて違いは感じるものですか?

O:そうですね。まあGALNERYUSはオリジナルですから、さっきも言ったように自由に歌ってますね。カバーの方はオリジナルがあるので、似せようとかそういうつもりはないですけど、例えば僕がリスナーだとしたらあまりにオリジナルからかけ離れてると、ちょっと引いてしまうのでそこのバランスですね。真似する訳じゃないけど、やっぱりオリジナルを意識しますね。そういう意味でカバーの方が難しいという見方も出来ますね。

-アルバムの通常版のボーナス・ライヴCDですが、こちらもカバーですよね。ライヴでやったものを収録しているということですか?

S:そうですね。

O:曲によってはSyu君の「Stand Proud」に入っていたりとか、GALNERYUSがツアー会場のみで販売するカバー・アルバムの中から選曲してライヴでやったりとか。Ozzy Osbourneの「Secret Loser」は前任ヴォーカルの方が歌ったカバーなんですよ。

-今作を作る上でのコンセプトやテーマがありましたら教えてください。

S:自然と決まってしまったというか流れです。3月に大震災が起こって、でも3月から曲作りをしなきゃいけないタイミングだったんですね。それで、どういう曲を作れば良いんだろうって考えて。震災の当日は大阪でライヴしてたんです。リハをしている最中に物凄い揺れが来ましたね。そして後々あんなに凄まじいことになっていて……。僕自身が阪神大震災の経験者で、震災によって水が無くなる、ガスが無くなる、電気が止まる、家が無くなる、クソ寒い、など色々あるんですけど、要はその辛さ、苦しさが手に取るように分かるので、そういう辛い時に、自分の好きなバンドが“頑張れよ!”って言ってくれたら凄い嬉しいと思うから、辛いなと思ったときに頑張れというメッセージのアルバムがあれば元気になってもらえるんじゃないかなというのは曲を作る上でありましたね。
「FUTURE NEVER DIES」はそういう曲だったりするんです。実際に歌詞を見てみると恋愛じみていると捉えることも出来る歌詞なんですけど、実際は震災で大事な人を亡くしてしまった人に向けての頑張れよ、明日があるよっていう歌なので、そういう風に聴いていただけたらいいなとは思いますね。その流れで、今回のアルバムのタイトルが『PHOENIX RISING』なので、不死鳥の中にジャパン頑張れ的な意味もあったり。大きなコンセプトがあるわけじゃないですけど、今回のアルバムはそういう意味合いを持って作ったアルバムですね。