DISC REVIEW
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前作『Odd eye』に続く新体制での第2弾(通算6作目)シングルは、ゆくえしれずつれづれの歌、4人の歌声やその表現にフォーカスしたドラマ性の高い曲に仕上がった。痛みや悲しみの波に漂うしかない絶望や徒労感がそのメロディに宿り、スピード感のあるソリッドなバンド・サウンドと4人が被せ合うように歌っていく性急さが、この曲に刻まれた傷をえぐっていく。深い孤独を知るからこそ共鳴し合える何か、誰かを求めるような曲だ。カップリング曲「Dear Sorrow」もまた叙情的なメロディの波状攻撃といった曲で、疾走感のあるサウンドで狂おしいほどの切なさをバーストさせる。今回のシングルはシャウトはなしで、歌心で聴かせていく。新体制となって、新たな楽曲の視野や裾野を広げたシングルとなった。 吉羽 さおり