DISC REVIEW
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だつりょく系げきじょう系アイドル・ユニット、ゆくえしれずつれづれの1stフル・アルバムが完成。メンバー交代もあり、8月にリリースしたシングル『六落叫 / ニーチェとの戯曲』で初めて現メンバー4人のヴォーカルを収録し、痛切なシャウトとメランコリーを帯びたメロディ、繊細に揺れるヴォーカルで、それでも強くここにあることを宣言した。そのシングルの想いを引き継いで、そして暴走の限りを尽くすのがこのアルバム。エクストリームなラウド・チューンから展開する激しいカオス的な曲、またノイジーでポップな曲やアイドル・チューンのかわいらしさがある曲調など、多彩なサウンドのあるアルバムで、4人のヴォーカルの個性もいい絡みを聴かせる。短期間の凝縮された活動で鍛えられた、タフさがその声にもにじむ。 吉羽 さおり