DISC REVIEW
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1stミニ・アルバム『Antino未deology』に続いて、フィジカル・シングルとしては初となる音源が両A面の今作『六落叫 / ニーチェとの戯曲』。5月に子子子と英艶奴のふたりが加わった新体制での、初レコーディング作でもある。「六落叫」は、激情と脱力とがコンセプトであるつれづれの、"激情"がそのまま形になった1曲。ラウドでポップなエレクトロ・サウンドを使ってキャッチーさは出しつつ、欝々とした思いをざっくり切り裂く生々しい歌が乗る。感情ダダ漏れのまま、ピッチの不安定さもそのままで、心の有り様が映った内容になっている。「ニーチェとの戯曲」はシャウトを多用したハードコア・チューン。ウィスパー・ヴォイスとシャウト、語りで、浴びせるように聴かせる。カップリング含め3曲で4人の内なる声を響かせるシングルとなった。 吉羽 さおり