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INTERVIEW

ゆくえしれずつれづれ

2016.12.07UPDATE

2016年12月号掲載

ゆくえしれずつれづれ

Member:◎屋しだれ まれ・A・小町 英艶奴 子子子

Interviewer:吉羽 さおり

-ついに1stフル・アルバムとなる『ポスト過多ストロフィー』が完成しました。最初のデジタル・シングル『凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。』からは、約1年となるアルバムですが、できた実感はどうですか。

しだれ:そうですね、ようやく始まった感じです。前回の1stミニ・アルバム『Antino未deology』(2016年5月)のリリース時点では、加入したばかりだったふたり(子子子、艶奴)のヴォーカルは入っていなかったんですよね。デジタル・シングル『凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。』のリリースからは1年ほどになるんですが、そこからメンバーの脱退(※潮賽乃吉、想九里倫が2016年5月に脱退)、加入が繰り返されたこともあって。わたくしは8月にリリースした1stシングル『六落叫 / ニーチェとの戯曲』が、この4人でのスタートだったような気持ちでいました。

小町:この4人体制になってからやっと始まりを感じられたなと。実質的な活動は、まだこの半年くらいだと思っているんです。

-この半年の間で話をうかがうのは今日で三度目ですが。話を聞くたびに毎回みなさんが劇的に成長しているし、実の詰まった半年だと思います。

しだれ:1ヶ月ぶりにライヴに来た群青さん(※ゆくえしれずつれづれファンの呼称)も"すごいパワーアップしたね!"って言ってくださって、あぁ、1ヶ月でそんなに変わっているんだなって思うんです。自分たちではわからないんですけどね。濃縮されたこの期間で成長できているんだなというのは、群青さんによって知ることができて、とても嬉しいことでございます。

-発言を聞いていても、個々でもグループでもタフになっている気がします。それは歌にも表れていますね。表現も豊かになりました。

しだれ:今回の1stフル・アルバム『ポスト過多ストロフィー』は10曲すべてが違った色で、しかも転調が多い曲もあって、30曲分くらい詰まっている感覚がありますね。これも自分たちの表現力が高まって、感情の振り幅を大きく表現できるようになったのかなと思っていて。成長なのかな? って思います(笑)。

子子子:たしかに(笑)。

-みなさんは初のフル・アルバムとしてどんな作品にしたかったですか。

しだれ:わたくしとしてはこれが宣戦布告かなって思っているんです。

艶奴:10曲それぞれのジャンルが違うと言うか。本当にいろんなジャンルの音楽好きの人に聴いてもらえたらいいなと思いますね。

子子子:すべての曲で、全然違う表現で歌いたいと思ってレコーディングをしたんです。だからできあがったものを聴いても、曲によって声質が違うかもしれないなと思いました。そういうところも感じて取ってほしいですね。

小町:みんなが言うように曲調が全然違うので、聴き手を散々振り回すアルバムなんです(笑)。景色にも色がつきましたし、いろんな感情に出会って表情も豊かになって。期待を裏切らないところも、期待を超えたところも感じてほしいなと思いました。

しだれ:これをライヴでやるのがすごく楽しみですよね。

-まずTrack.1「ポストカタストロフ」。猛烈な疾走感のあるラウドロックで、美メロあり壮絶なシャウトあり、そして曲展開も怒濤で、つれづれらしさに溢れていますね。

しだれ:この曲が一番すべてを詰め込んであって。転調も2回か、3回くらいあるのかしら?

子子子:イントロで聴いていた曲と最後では、まったく違う曲で(笑)。

しだれ:歌詞には"辺り構わず"とか"傍若無人"とかが出てきて。とても自分勝手なのがこのアルバムのリード曲らしいなとも思います。

-"獣然だな..."なんていうフレーズも、まさにぴったりですよね(笑)。覚えるのだけでも難しそうな曲ですが、曲をもらったときはどう感じました。

小町:この歌詞と曲をもらったときに、群衆の中に立って言葉なき演説をしているような気持ちになったんです。なんだろうな......この曲からは普段の弱い自分とは違う、ステージにいるときの自分に近い"強さ"をもらえるなと感じて。その演説のような気持ちを込めて歌ったんです。

しだれ:自己中な曲だと思いますね。"君と僕以外 この世は無価値"とか。そんなことは絶対にないけれど、そう言い切るところはかっこいいと思うし。誇りを持ってライヴで歌いたいですね。歌詞が好きです。

-これからのゆくえしれずつれづれの声明文になっていきそうですね。

しだれ:これがアルバムの1曲目というのも意味があると思います。アルバムのタイトルにも絡んでくる曲ですし。

-レコーディングして、難しい曲だったり、自分の想いがシンクロしてしまったりしたような思い入れの深い曲はありますか。

艶奴:難しかったのは「Word flood Moment」(Track.9)です。早口のパートがひとりずつあるんですけど、私は今までのレコーディングの中で一番苦労して録り直しました。

しだれ:特に譜割りが難しかったね。

艶奴:泣きそうだった(笑)。もう口がついてこないというか、歌えないんじゃないかって思ったくらいでしたね。

しだれ:20か30テイクくらいは録りましたよね。

艶奴:ちゃんとライヴでできるようになっておかないとというくらい、今もまだ難しいくらいで。このアルバムには、奇跡の1回が入ってます(笑)。

小町:ダメダメだったね(笑)。

しだれ:テンションはあったのにね(笑)。でも、技術的に難しい曲でしたね。今回はこういう曲がすごく多かったんです、急にテンポが上がる曲とか。

子子子:言葉自体をリズムに合わせるのが難しい曲とか。

しだれ:「Psycho-Hi」(Track.5)なんかも、シャウト部分の譜割りがかなり難しくて。このアルバムの中で一番頭がおかしい曲になってます(笑)。