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INTERVIEW

ゆくえしれずつれづれ

2016.06.17UPDATE

2016年07月号掲載

ゆくえしれずつれづれ

Member:◎屋しだれ まれ・A・小町 英艶奴 子子子

Interviewer:吉羽 さおり

-英艶奴さんと子子子さんのふたりは、今年5月に加入したばかりで、この4人体制になって間もないんですね。

しだれ:そうですね、6月7日に渋谷eggmanで行ったライヴが4人でやった初めてのライヴでした。

子子子:最初は全然緊張していなくて、楽しみだなと感じる方が大きかったんですけど、始まって2曲目くらいから急に緊張しだして(笑)。でも楽しかったです。

艶奴:私は子子子と真逆で、最初すごく緊張して泣きそうな感じだったんですけど、いざステージに立ったらすっごく楽しかったです。クセになりますね。

しだれ:(英)艶奴は始まる前まで、"あーあー、どうしよう"とシャウト交じりの溜息をずっとついていました(笑)。

-初めてのステージですから、緊張もしますよね。

しだれ:わたくしも小町も、初めてのライヴのときは舞台裏でずっと緊張していましたね。でもステージに立ってしまえば、あっという間に楽しくなりました。

小町:私は毎回、初めてのような緊張を繰り返しています。

しだれ:そうなの(笑)?

-ゆくえしれずつれづれ自体は、活動を始めてどのくらいになるんですか。

しだれ:今初めてのライヴをしてから、約3ヶ月で(※取材日は6月8日)。そのライヴの前に、デジタル・シングル(2015年リリースの『凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。』)を出しているので、そこから数えて5ヶ月半くらいになります。その間にもメンバーが抜けたり入ったりしていて。ずっと転んでは立ち上がってという状態でしたので、この4人が揃って、やっと走り始められるのかなと。

小町:やっとここからね?

しだれ:始まります。

-5月25日に1stミニ・アルバム『Antino未deology』がリリースされましたが、かなりハード且つ詩的なサウンドで、メランコリックな雰囲気を湛えた曲も多い作品です。アンニュイな歌と、振り切ったシャウトはインパクトがありますが、そもそもはどういう趣旨でスタートしたユニットなんですか。

しだれ:わたくしと小町は何も知らずにオーディションに行って、受かったんです。そのときすでに、"ゆくえしれずつれづれ"という名前は決まっていて、ロック調の曲になるかもしれないという話は聞いていたんです。でもシャウトがあることはまったく知らず(笑)。最初の音源と歌詞が届いたときに、"ここからここまではシャウト"と書いてあったんです。そこでやっとどんな曲をやるのかを知りました。

小町:"脱力と激情"がコンセプトというのはなんとなく聞いていて、それだけを頼りにしていたんですけど。その頼りにしてるひとつさえ、"脱力と激情"という、"ん? どういうことだ?"というものでした。

しだれ:私は"脱力と激情"と聞いて、syrup16gみたいな音楽かなって思っていたんですけど、全然違いました(笑)。

-もっとカオスですね(笑)。サウンド面はかなり幅広くて面白いです。

しだれ:ありがとうございます。いろんな曲があって、いろんな表情を見せてくれるサウンドなんですけど、どれも核は脱力系、激情系となっていて。エモーショナルに振り切った曲が多いと思います。

-しだれさんがオーディションを受けたのはどんな動機からだったんでしょう。

しだれ:わたくしはアイドルになりたくて、"アイドル"、"オーディション"でネット検索をしたんです(笑)。それで出てきた中で、"ちょっと変わったコンセプトのもの"、"個性的なユニット"というのが書いてありました(笑)。そこの事務所には、"ぜんぶ君のせいだ。"というグループが所属していて。その人たちの活動を見ていて、信頼できる会社かなと思い入りました。

小町:小町は、生まれ変わりたかったので。今、"まれ・A・小町"となって、やっと生まれたところ、始まったところなんです。

-今までの自分を置いてきたんですね。

小町:はい、置いてきました。死にました。

しだれ:それはもしかしたら全員一緒のことかもしれないです。今までの自分が嫌いだったので、それを"葬る"という意味が「凶葬詩壱鳴り feat. ぜんぶ君のせいだ。」(Track.2)にも入っているので。

小町:私は今までの歩みが生きていなかったので。ゆくえしれずつれづれに触れて初めて感情を知って、言葉を知って。これからいろいろ感じるものがあって人間になるんだろうなっていうことに出会っているんです。

しだれ:わたくしにとって、小町は捨てられたアンドロイド的なものなんです。でも最近は少しずつ笑顔が見えるようになってきて。最初は、言葉は喋るけど、目は笑わないし。

小町:そうだったんだ。ちょっと感情出てきたかな?

-あまり自分から主張することなどもなかったんですね。

小町:なかったです。ただいるだけっていう感じでした。

-オーディションに応募するなんて大事件じゃないですか。

しだれ:想像できないもの。なんで小町が応募してきたんだろう?って。

小町:きっと以前の私を知る人も、"あれ、誰だろう"というくらい別人だと思います。

-みなさんそれぞれ、それまでの日常は退屈だったり、面白くないと思っていた?

しだれ:生きてなかったと思います、わたくしは。

艶奴:本当にそんな感じ。

小町:その日常の殻を破って出てきたこと自体が、ゆくえしれずつれづれの活動だと思うんです。それは、みんなも重なる部分なんじゃないかなと思います。

-まさにユニットのコンセプトと自分たちの変わりたいという思いがピタリと合ったんですね。

しだれ:コンセプトを知らずに入ったけれど、結果的にはピッタリだったなと思います。これが自分の正解というか、ここが生きる道だったなというか。天性のゆくえしれずつれづれだなと思います(笑)。

-では活動を始めてからは、これまでの自分とは違う?

しだれ:まったく違いますね、性格がすごく変わったと思います。わたくしも小町も変わったし、艶奴と子子子の今までの性格は、まだあまり知らないけれども。

艶奴:全然違います。ステージに立つと変わりますし。

しだれ:特にステージ上ではみんなケダモノみたいだからね(笑)。

艶奴:初ライヴのときは、家族に気づいてもらえるかなっていうくらいの豹変ぶりでした(笑)。

子子子:もう、目が違うよね(笑)。

-それは押し殺していた自分を解放する感覚ですか?

しだれ:押し殺していたのか......さえもわからないです。

子子子:自然と、バンッと出てきた感じでした。

しだれ:ライヴがすごく楽しいんです。ただ、記憶がないんですよね(笑)。