INTERVIEW
ゆくえしれずつれづれ
2016.06.17UPDATE
2016年07月号掲載
Member:◎屋しだれ まれ・A・小町 英艶奴 子子子
Interviewer:吉羽 さおり
-日常でまず、自分の気持ちを叫ぶということがないですしね。
子子子:ないですよね。ライヴで実際にシャウトをしてみて、"なんだろうこの気持ちは?"ってなりました。
しだれ:8月に1stシングル『六落叫 / ニーチェとの戯曲』をリリースするんですが、その「六落叫」の歌詞に、"I have to shout to make myself heard"というフレーズがあるんです。叫ぶことでしか、自分のことを曝け出せないという意味で。まさにそれだなって思うんです。みんなシャウトで自分を出せていると思うので、その歌詞ですごくグッときます。
小町:シャウトで自分を解放できたりするんですけど、そのぶん、自分と戦っている部分があって。今までの自分を殺したつもりでも、やっぱり自分の内に眠っているので、なかなか殺しきれないんです。それに苦しむことも多いのが、私の中でのシャウトの感じなんです。
-ライヴでの葛藤もまだありますか。
小町:まだ闘っていますね。
しだれ:たまに負けて泣いてますもんね(笑)。"今日、負けた......"とか言って。
小町:自分に負けた!って(笑)。
-そういう4人の内面的なところや葛藤、人としてどうありたいかという思いを汲んで、新しい曲ができていたりもするんでしょうか。
しだれ:それはあると思います。そういう話を聞いたことはないんですけど、考えてくれているんだと思います。いつも曲をもらうと、"あぁ、わたくしたちのことを考えてくれているんだな"って。見てくれているんだなと思います。
-では、だんだんとみんなの成長度が露わになっていくのかもしれませんね(笑)。ゆくえしれずつれづれとして、これからどうなっていきたいかというヴィジョンは持っていますか?
しだれ:例えば他のアイドルさんでいうような"武道館"とか、そういう目標はないんです。個々ではもしかしたらあるのかもしれないですけど、わたくしは"会いたい"と言ってくださる人に会いに行きたいので。その方がフランスにいるのなら、フランスへライヴをやりに行きたいし。もちろん47都道府県、全部行きたいと思っています。
子子子:それはみんな思っていて。SNSでも、"僕は北海道にいるからなかなかライヴに行けないけど――"という声があるから、もっと頑張らなきゃって気持ちになるし。あとはゆくえしれずつれづれとして、確立して頑張って、全都道府県でも違う国でも、会いに行けるレベルになりたいです。
しだれ:艶奴は、フェスに出たいんだよね?
艶奴:出たいです。ゆくえしれずつれづれはただのアイドルじゃなくて、こうして激ロックを読んでいる方も好きな音楽をやっていると思うんです。だからもっとフェスとかに出て、たくさんの人に知ってもらいたいなと思います。
しだれ:音楽とパフォーマンスで戦いたいと思いますね。
-ここ数年でアイドルの存在が変わってきましたね。それまでは歌とその人自身はあまり結びついているものではなかったと思いますが、パーソナルで内面的なものがダイレクトに歌い手と結びついている。
しだれ:受け取ってくださる群青さんも、よく泣いている方がいます。すごく激しい中で、泣きながら叫んでいるから。すごいんです、ライヴ中の群青さんの顔が大好きなんですよね。
子子子:群青さんとセットで、ゆくえしれずつれづれという感じだと思います。
しだれ:本当に泣きながらシャウトしてるんですよ、群青さんが。
-みんな同じような感情を抱えてライヴに来ているんですかね。
しだれ:きっと、日常では出せない感情や、隠していた方がいい感情、出したら恥ずかしいと思うような気持ちを思い切り出せると思うので。発散しに来てほしいです。
-ちなみに、かなりインパクトのあるシャウトですが、みなさんどうアプローチしていったんですか?
しだれ:わたくしと小町は、"シャウトをしなさい"と言われたのでまずは自分たちでシャウトしている音楽を探して。LINKIN PARKを紹介されたので、まずは聴いてみて。男の人の声だからということもあるのか、自分で出すことが難しくて。ちゃんとシャウトが出せているのかもわからなくて。出せてると思っていざレコーディングに臨んだら、スタッフに"クソだな"って言われました(笑)。
小町:根本的に違っていたみたいで。
しだれ:そこから調べ直して、わたくしは喉仏を上下に動かせばいいということを見つけて、喉仏を下げながら出してみたら、そこから獣のような声を出せるようになりまして(笑)。今はすごく自信があります。
小町:小町も最初、自分がシャウトだと思っていたのがただの奇声だったので。そこから、シャウトってなんだろうって、調べて。今もこれがシャウトなのかわからないですけど、自分で喉と相談しながら辿り着きました。
しだれ:シャウトだったり、スクリーモだったり、デス・ヴォイスもあるし。その違いが今もわからないのですが。たぶん、わたくしがスクリーモで、小町がシャウトをしているんだと思うんです。
子子子:で、私がグロウルっていう低いのを出してる感じで。
しだれ:艶奴は、シャウトかな?
艶奴:最初は私、しだれと小町にコツを教えてもらったんですけど、そのさっきの話の喉仏の下げ方がわからなくて。練習はしたんですけど、最終的には勢いという結論になりました(笑)。
しだれ:そうやって、今ではみんなできるようになっています。
-今のところはシャウトが曲のフックになっている感じで、多いパートではないですね。
しだれ:そうです、だいたいはそうですね。ただ8月にリリースされる1stシングルに収録している「ニーチェとの戯曲」の方は、シャウトと歌が半々だと思います。
子子子:シャウトから始まりますしね。
しだれ:それを限定公開させていただいたら、群青さんがすごく気に入ってくれて。早くライヴで観たいと言っていただいてます。
-よりハードになりますね。それはライヴを反映してのことなんですね。
しだれ:そうだと思います。
子子子:ライヴでやるのが楽しみですね。
しだれ:もっともっといろんな曲も増えていくと思いますし、どんな形で激情系を出せるのか、これからが楽しみですね。