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INTERVIEW

ゆくえしれずつれづれ

2019.10.21UPDATE

2019年10月号掲載

ゆくえしれずつれづれ

メンバー:个喆 メイユイメイ まれ・A・小町 たかりたから

インタビュアー:吉羽 さおり

新体制となったゆくえしれずつれづれが、現4人での再録アルバム『BrightDark』をリリースする。"だつりょく系げきじょう系"という結成当時のグループのイメージを形にした、詩的で実験性の高い「凶葬詩壱鳴り」や、また「六落叫」改め「九落叫」や、「Loud Asymmetry」といったハードコアなサウンドで内なる叫びをあげる曲など、全16曲が再録──というよりも新たな曲として生まれ変わった。約4年にわたる活動で、グループとしてのDNAは継承しながらも、何度かの脱退や新加入を経験し新陳代謝を繰り返してより深く、より力強くその表現を磨き、ゆくえしれずつれづれとは何かを追求している。その今の結晶が、この『BrightDark』だ。

-再録アルバムの"BrightDark"という相反する言葉を抱き合わせたタイトルはまさに、ゆくえしれずつれづれの世界観を表したものだなと思います。現在の4人となって歌割りや曲としても変化があると思いますし、オリジナル・メンバーである小町さんは特に、ずっと歌い続けてきた曲たちだけに、より感じるものが多いのではと思いますが、この再録アルバムにはどんな思いがありますか?

小町:そうですね。まず再録ができる状況というのが、普通ではないことだと思うので。ゆくえしれずつれづれが愛されているなと感じますし、この4人の声になっていろいろと音楽も感じ方が変わると思いますし、今を提示するチャンスだなと。

-个喆さんは新たに加入をして、この4人で作り上げたこのアルバムをどう感じていますか。

个喆:以前の音源は、もっとそれぞれの個性というか、個々の感覚が強いなって思っていたんです。でも、今の4人でこうして録ってみて、もっと4人が揃ったような感覚というか。

-はい、曲により一体感がある印象でもありますね。

个喆:そういう気がしてすごく好きです。

小町:みんなそれぞれで考えていることが違ったとしても、以前よりも同じ方向を見れているので、それが自然と、表現にも出ているのかなと思います。

-たからさんはどうですか。

たから:これまでずっと自分が聴いていたゆくえしれずつれづれの曲、作品に、自分の声が入ると考えたらレコーディングは超緊張したんです。最初は怖かったですけど、いざ音源となってみると嬉しい思いが勝って、自分たちの曲という感じがしていいなと思っています。

-まず、アルバムの1曲目となったのが、これまでのタイトルとは数字が変わって"六落叫"(2016年リリースの1stシングル『六落叫 / ニーチェとの戯曲』収録曲)から"九落叫"となりました。これは、これまでゆくえしれずつれづれに関わった全員の思いを汲んでという意味合いもあるんですかね。

小町:そうですね。ゆくえしれずつれづれの始まりから、それだけの思いが重なった曲に変わりました。

-こうして曲が進化をすることってあまりないですよね。それだけ意識的にグループとしての歴史を積み重ねていく曲でもあるんですけど、そうなると歌うことに相当な重みを感じるのでは?

小町:そうですね。

メイ:もともと私が加入したときは"六落叫"というタイトルで、以前いたメンバーの方ふたりの名前が歌詞にも刻まれた曲だったんです。ただ、実際に私は会ったことはなく、写真や映像でしか見たことがなかったんですね。だから、あまりそこまで重さは感じなかったんですけど、この「九落叫」となって、自分が一緒に活動をしてきた◎屋しだれと英艶奴の名前が歌詞に刻まれてからは、すごく重みのある曲に感じるようになりました。

-歌い慣れている曲でもあると思うんですが、レコーディングはどうでしたか?

メイ:今回再録するにあたって歌詞が結構変わってきたので。歌い回しも変わっていて。再録というよりも、新曲という気分も大きかったです。

个喆:「九落叫」が一番緊張しました。自分は新しく加入したから、よりちゃんと思いを伝えないとと思って。いつもだったら、ここはこうしようとかって考えるんですけど、これはもうそのままいこう! と思って、考えすぎることなく歌ったんです。でも、何よりも緊張がすごくて......。どうだったかレコーディングのことをあまり覚えていないくらいです。

-今回のレコーディングは、短期間で録っているんですか? それとも期間を分けて録っていたんですか?

小町:かなり濃密な感じでしたね。

メイ:短期間で全部録るみたいなスケジュールだったんです。

-となるとかなり短期間で曲を解釈していって、自分のものにしていかないといけなかったんですね。それぞれで曲をもう一度噛み砕いていく時間はあったんですか?

小町:短い時間で噛み砕きましたね。この「九落叫」は、これまでの過去があっての現在ではあるんですけど、みんなが言っていたように気持ちが素直に出ている曲になったし、今を大切にできたらなという気持ちで歌っていました。

たから:たからは、初めて9人の中に自分が入った重みを感じたけど、もうこの"9"という数字で止めたいなっていうのは思いました。

-そうですね。

メイ:うん。たからが言ったように、もうこの"9"から絶対に数は増やしたくないっていうのと、ゆくえしれずつれづれとして今私たちがここに存在して、ここに生きているっていうのが、曲にすごく深く刻まれている気がしたので、それは伝えたいなという思いで歌ってます。

-この曲が、またゆくえしれずつれづれの"顔"にもなってくれそうですしね。今回収録された中では、1stデジタル・シングル「凶葬詩壱鳴り」(2015年)などはリリースから3~4年の時を経た曲です。曲の捉え方など、だいぶ変わったところがあるのでは?

小町:「凶葬詩壱鳴り」は、ゆくえしれずつれづれの始まりの曲で、本当に何もわからない状態で始まって。生の概念を探して歩き始めるみたいな、それくらい何もわからない、自分のことすらもまだわからない状態だったんです。今でも、過去っていうものに縛られて苦しめられたりはするんですけど、まだこの旅は続くんだなって思いながら歌っていましたね。

-この曲は、ゆくえしれずつれづれとしての音楽の面白さもまた、凝縮された曲だったんですよね。メロウで静かな歌や緩いラップだったり、シャウトだったり、ポエトリー・リーディングだったりと変化に富んでいて、これがゆくえしれずつれづれだという要素が1曲に詰まった曲だった。

小町:そうですね。最初の頃に言っていたゆくえしれずつれづれのテーマ、"だつりょく系げきじょう系"がこの1曲で名刺になる、1曲でわかるだろうという曲でしたし。とても大切な曲ですね。

-最新シングル(2019年7月リリースの『ssixth』)は、ラウドで攻撃的なイメージも強いので、こういう柔らかなリーディング・パートがあったり、浮遊感がある曲はやっぱりいいなと改めて思いました。

小町:それがより感じられるようになりましたね。

-そうですね。こういう歌い回しについては、メイさん、个喆さん、たからさんの3人はどうなんですか?

メイ:この曲は"だつりょく"を意識して歌いましたね。

たから:声のトーンとかが難しかった。

-逆に个喆さんはこういうタイプの曲がまた似合いそうですけど。

个喆:个喆は、いつも鼻が詰まったような声なんですけど。

メイ:そうだ(笑)。この曲のときは、鼻づまりに気をつけて歌ってた。

个喆:そうなんです。

メイ:結果的に、个喆の声に聴こえないくらいになっているんですよね。

个喆:それくらい"だつりょく"できていたと思ってます(笑)。

メイ:この曲だけシャウトを何回も録り直しせずに、一発でいったので、聴くと、シャウトで強いはずなのに、なんか苦しくなって涙が出てしまうような感じがあるんです。切なさも込められたなって思いました。

-ライヴでも人気の高い曲だったりもするんですか?

メイ:高いよね。

小町:そうなんですよね。そんなに頻繁にやる曲ではないんですけど、やると、"きた!"っていう感触があって。

メイ:イントロが流れた瞬間に、"やったー"っていう声が聞こえるところもあるんです。最近はライヴでもなかなかやっていないんですけど、温めてます。

小町:逆にそれでいいのかなって。大事なときに聴いてもらえるので。