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INTERVIEW

ゆくえしれずつれづれ

2019.10.21UPDATE

2019年10月号掲載

ゆくえしれずつれづれ

Member:个喆 メイユイメイ まれ・A・小町 たかりたから

Interviewer:吉羽 さおり

-今回再録ということで改めて歌って、難しさを感じた曲はありますか?

メイ:メイは「逝キ死ニ概論」が難しかったですね。サビを全員で歌っていたものが、ひとりずつのパートになって、長めの尺で歌っているんです。しかも、生死についての苦しい曲でもあるので、表現するのが難しい曲でもあるし。あとは、キーの高さがちょうど難しいんですよね。裏声と地声の境目みたいなキーで。

たから:たしかに。

小町:うん、「逝キ死ニ概論」は難しいね。心情的にもすごく難しい。歌っていると善にも悪にも転んでしまいそうな脆さ、脆い自分が見えるんです。

メイ:そう。歌っていてもなんか消耗する感じがあるんですよね。

-个喆さんはどうですか?

个喆:「ポストカタストロフ」は、歌い出しが个喆なんですけど、強くバーンといく曲だから、たからとかが歌うのかなって思っていたんです。まさか自分とは思っていなくて。ライヴのときも出だしって大事なので、怖いなっていうのはあります(笑)。難しかったというよりも、歌い出しを担当するということでプレッシャーがありましたね。

-何かヴォーカル・ディレクションはあったんですか。

个喆:特に何もなかったんですよ。自分の中で一番強くやったつもりです。で、一発でできました(笑)。緊張感があったのが良かったのかもしれないです。

-いい迫力です。

メイ:メイはこの曲の中で一番好きだった歌詞の、"君と僕以外 この世は無価値"というところが、自分の歌割りになったので、それがすごく嬉しくて。家でめっちゃ練習して、そこは気持ちを込めて歌いました。

个喆:曲の中でも重いところ。

たから:たからはシャウトの部分が好きです。4人それぞれ声色が違うんですよね。聴いていても、私以外の3人の思いもすごく伝わるなって思って。そこがすごくグッときて、ゆくえしれずつれづれ、頑張ろうってなります。

-先ほど短期間でのレコーディングだったと言っていましたが、これだけの曲数があって、しかもゆくえしれずつれづれの曲って内容的にもヘヴィなものが多いとなると、そのレコーディング期間のメンタルの状態ってどんな感じなんですか?

小町:私はもう、何も触れないですね。普段から携帯は見ないんですけど、よりいっそう、携帯どこいった? くらい触れないですし。

-身も心もすり減らすなぁという感覚ですかね。

小町:はい。

メイ:それだけに終わったあとの開放感がすごいです。

-開放的になるか、抜け殻になるかになりそうですね(笑)。これは心を削って向かい合っていく曲だなっていうのはどの曲ですか?

小町:私は個人的に「Phantom Kiss」がしんどいですね。再録を望んでいた曲だったんですけど、再録するのもしんどいなと思っていた曲でもありました。よく香りで何かの記憶が蘇るとかあるじゃないですか。「Phantom Kiss」という曲は、弱いときの自分に繋がっている曲で、私はしんどかったです。

-いろんな思いが引っ張り出されてしまうんですね。メイさんは、そういう曲はありますか?

メイ:メイが入って最初に録った「Paradise Lost」ですね。曲も激しいわけではないし、どちらかというと切ないというほうが勝つような曲で。途中のこれまでしだれがやっていたシャウトのパートもすごく緊張したし、この曲もサビが丸々ひとりずつの歌い方になっているので、結構苦しくなりました。

-シャウトもそうだし、抑えて歌うようなパートも多いですよね。

メイ:すごく大事に歌ってます。「凶葬詩壱鳴り」とはまた違うんですけど、強くもあり、でも、柔らかな部分も残したいなというなかで歌っていたので、難しかったですね。

-たからさんはそういった曲、心にグサリとくるような曲はありましたか?

たから:やっぱり「九落叫」ですね。新しくグループに入った身としては、言い方はあまり良くないですけど、少し歌いづらかった部分はありました。レコーディングでも、もやもやとした感じで。

-その逆で、イケイケでできた曲っていうと?

たから:それは「つれづれ賛歌」です! 歌詞にこれぞたからっていう感じの"やばちゃり"っていうワードが新しく入って、たから認められてるのかなって思いました。

小町:(笑)

たから:たから必要じゃんって思って、超嬉しくて。

-この"やばちゃり"ってなんなんですか(笑)。

メイ:はははは(笑)。

たから:本当に意味はないんですけど、好きな言葉で。

个喆:好きな言葉だったんだ。

たから:そういうところが入っていて、嬉しかった。

メイ:ところどころであるんですよね。「Doppelgänger」のたからのセリフ部分も、"激し過ぎるんですけど?"っていうたから仕様になっていて。認められてる感じがありますね。

-これまでにはなかった独特のキャラクターが、ゆくえしれずつれづれの曲の中に生まれましたね(笑)。

小町:今までもそれぞれのキャラにあったセリフは、歌の中にあったんですけど、さすがに"やばちゃり"が入るのは想像つかなかったですね。ついに、すごいのがきたっていうか。

メイ:このタイミングで、こんなギャルが入ってきたんだっていうのがね。ゆくえしれずつれづれ、どんな方向にいっちゃうんだろうっていう。

たから:まさかゆくえしれずつれづれの歌詞にギャルの言葉が入るとは、私も思わなかった(笑)。

メイ:「つれづれ賛歌」と「逝キ死ニ概論」だけ比べてみても、だいぶテンション感が違いますしね(笑)。

-この1枚の中でも、だいぶいろんなアップダウンがあって楽しめるアルバムだと思います。「つれづれ賛歌」は、そういう意味でそれぞれ個性が立った歌っていて楽しい、いいテンションでいける曲になりました?

メイ:再録してから、よりすごく好きになりました。自分たちの曲になったなっていうのがあって。それはたからのおかげかもしれない(笑)。

小町:こうやってヘラヘラしてる──

たから:(笑)

小町:ヘラヘラしているように見えて、実はとても戦闘曲なんです(笑)。今までよりも、攻撃を受けてもへっちゃらさ、攻撃もしてやるさっていう強い部分も見えて、とてもいい戦闘ができるようになったなと思ってます。

メイ:うん、前よりも強くなった気がするよね。