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INTERVIEW

AA=×J.M.(0.8秒と衝撃。)

2015.08.12UPDATE

2015年08月号掲載

AA=×J.M.(0.8秒と衝撃。)

Member:上田剛士(AA=) J.M.(0.8秒と衝撃。)

Interviewer:吉羽 さおり Photo by SHINGO TAMAI

-上田さんのキャリアから見て、ハチゲキのような世代のバンドや若いバンドたちをどうご覧になっているんですか。

上田:自分がバンドをやっていた、例えば20歳くらいでやっていたころとの世界とは明らかに景色が違うと思うので。わりと面白く、こういう世界があるんだなっていうのをどんどん若い人たちから見せてもらっている感じですね。特にゴリゴリとしたラウド系の方だとなんとなくどういうものか想像はつくんだけど、もっと新しい感じのもの、自分ではあまり通ってきてないようなものを取り入れて進化している子たちっていうのは、不思議半分、面白い半分で見てますね。

-おそらくは楽器を始めるときの状況っていうのも、全然違うでしょうね。

上田:全然違うと思いますね。最初からコンピューターがある時代ですしね。

-そういう音楽の始まりの違いであるとか、作曲方法の違いってうのは見ていてもわかる感じでしょうか。違う脳みその使い方で音作りなどをしているのかとか。

上田:感覚的に違うような気がする。自分が若いときの若者が持っていた音楽のベクトルとは、また違うベクトルがあるような感じがして。それは今っぽいなと思うし、面白いなと思うし。

-上田さんが音楽を始めたころっていうのは、音楽活動のハングリーさっていうのはどこに向いていたんでしょう。自分たちが新しいものを生み出していくんだっていうところですか。

上田:基本的には今の時代も、その点は変わってないと思うんです。例えば自分のことでいうと、海外の音楽が基本になっていたので目線はわりと海外に向いていたんだけど、今の子たちはあまりそういう感じがしないですよね。インターネットがあって、世界をより近い存在に感じているんだと思うんです。自分たちの世代で言えば、"世界"というと基本的にはアメリカやイギリスのロックというものが上にどーんと存在していて、そこにいかにして挑んでいくかという気持ちだったですね。でも今はもう少し並列で、その他にアジアの音楽もあれば、それこそ世界中が繋がってるし、アクセスし合ってるような状況があるから、影響の受け方も全然違うんじゃないかな。戦いを挑んでいくような感じではないかもしれないですね。もっとみんな、楽しんで繋がってるような感じがするし。もちろんそれぞれにはあるんだろうけどね。

J.M.:レコーディングでは、上田さんがこういうふうに音楽をやってきたんだなっていう話を近くで聴ける時間があったので。もう、ワクワクしながら聞いてましたし、インタビュアーみたいになってました(笑)。

上田:曲作りの話とか機材の話をよくしてましたね。

J.M.:はい。すごく興味津々で。

上田:J.M.さんは機材だったり、音楽をクリエイトするということに興味を持っていますよね。

-それを直に聞けるチャンスなんて、贅沢ですよね。

上田:自分たちの世代の音楽は、機材やハードウェアの進歩とリンクしてるので、機材から受ける影響が実はすごく大きいんですね。サンプラーが出る前は、やっぱり全然違ったし。シーケンスにしてもそれこそシーケンサーが出てきた時代から、コンピューターでやり、それがオーディオも扱えるようになったり、アナログのシンセサイザーからデジタルが出てきてと進化していった時代なので。機材やハードウェアの訴えてくる音があると思うんです――ギターでもそうですけど、このギターから、こういうふうに音を鳴らしてくれっていうのがあると思うんですね。そういうのを感じられるようになると、機材への興味が出てくるんだと思うし、作る面白さが出てくるんですよね。

J.M.:こういうお話って、お金出しても聞けないこともあるじゃないですか。ライヴを観に行っただけではわからないこともありますし、お話を直に聞ける環境がすごくありがたかったです。

上田:今はパソコンひとつでやろうと思えばいくらでもできるけど、今でも機材をMIDIで繋げてて、アナログでやったりしてるんですよね?

J.M.:やり方を知らないだけなんですよ(笑)。

上田:パソコンひとつで作ってる人も大勢いると思うんだけど、でもその機材の良さを知ってるか知らないかで、大きく違うんですよね。たとえ最終的にコンピューターだけで作るようになったとしてもね。そこの空気感を知っているのと知らないのでは、全然違う。そういうことをやっているのは、すごくいいと思う。