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LIVE REPORT

the GazettE

2024.05.27 @豊洲PIT

Writer : 杉江 由紀 Photographer:KEIKO TANABE、KYOKA UEMIZO

死というものについて。そして、生というものについても。ここまで22年にわたる活動を通じ、the GazettEはことあるごとに死生観を題材にしながら、重く激しい音像や、それとは真逆の深邃(しんすい)なる情景をも描き出してきたバンドだと言えるだろう。今思えば、2009年にアルバム『DIM』が発表されたときにもRUKI(Vo)はインタビューにてこう答えてくれていた。"日々現実に起きることや、死の重さ。そういうもの全部から逃避しないっていうことを前提に作ったのが、このアルバムなんです"と。そう、the GazettEはいつだって逃避するという選択はしないバンドなのだ。

REITA(Ba)が"the GazettEは永遠であってほしいと願う"との投稿をSNSに遺して急逝したのが、4月15日。翌日には公式サイトにて事実が告げられ、翌々日にはRUKI、麗(Gt)、葵(Gt)、戒(Dr)の4人がファンに向けてのメッセージを発信したうえ、わずか10日後の4月25日にはREITAの誕生日である5月27日に追悼公演"HERESY LIMITED 「SIX GUN'S」"を豊洲PITにて開催すると発表した。その迅速な対応はまさに目の前の出来事から逃避どころか、悲嘆する間さえ取らずに彼らがREITAと向き合ったその結果であったのではなかろうか(※ちなみに、"SIX GUN'S"とはメンバー5人とファン=6人目のメンバーという意味で以前にもライヴ・タイトルに使われていた言葉)。 "いつものthe GazettEのライヴのあり方っていうのは、日常でやり場のない気持ちだったり、苦しくて、苦しくて、どうしようもない気持ちをみんなに吐き捨てて帰ってもらえる場所だし、それが俺らのライヴなんですよ。だから、今日お前らは泣いても、思いっきり暴れてもいいんです。いろんな感情のすべてを、メンバー全員で受け止めて、背負って、全力で引っ張っていく。そういう覚悟で歌います......!"(RUKI)

まず、冒頭で演奏されたのが"君が教えてくれた/生きる意味を重ねた今を"という歌詞を含む「LAST SONG」であったこと。「TOMORROW NEVER DIES」で、RUKIが"聞こえているかい?"という歌詞をステージ上空を何度も見上げながら歌っていたこと。REITAが好きな曲として公言していた「痴情」も、しっかりとセトリに入れられてていたこと。「Hyena」では既存録音の音源から、いつも通りにREITAのシャウトが場内に響き渡ったこと。「未成年」でも、RUKIが大きく"On Bass, REITA!"と叫んでからのベース・ソロが観衆たちから拍手喝采を受けたこと。「春雪の頃」では、曲後半で戒以外のメンバーがステージのフロントに集合する恒例シーンで、葵がREITAの入るスペースをキープしていたことなど。挙げれば切りはないものの、今宵のライヴはREITAを追悼する公演でありながら、随所にREITAの存在を確かに感じることができるものにもなっていたと言っていい。

"メンバーの総意として決めたことを言わせてください。これから先も、the GazettEにREITA以外のベーシストは入れません。今までやったライヴのテイクがあるものは、一生REITAの音を使うのをやめないし、新しい作品だってこれからもREITAのベースや機材をずっと使い続けて、最大限あいつの遺志を尊重していきたいと思ってます"(RUKI)この言葉のあと、9月12日には再び豊洲PITにてライヴを行うと告げた彼らが最後に奏でたのは「UNFINISHED」。"君に見せたい 明日を"というその詞もまた、the GazettEとしての総意であると推察する。the GazettEよ永遠なれ――。

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