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LIVE REPORT

Non Stop Rabbit

2022.03.15 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer 吉羽 さおり Photo by 菊島明梨( @voulpiw )

Non Stop Rabbitが3月14日、15日の2日間にわたり、2年ぶりとなるワンマン・ライヴ"メジャー入り初のワンマンライブ!2年もLIVEしてなかったからリハビリさせてや!本気の2DAYS、4番勝負!~あの日の俺らを取り戻す~(エモぉー)"を開催した。もともとは"本気の2DAYS、2番勝負"で発表されたライヴだったが、多数のチケットの応募を受けて昼夜2公演、全4公演と拡大。Non Stop Rabbitの3人にとってはかなりハードな2日間だったと思うが、ここでレポートする15日の最終ステージまでフルスロットルだ。特に最終ステージは、メンバーが"地獄のセットリスト"と称し暴れまくった。

2020年末にアルバム『爆誕 -BAKUTAN-』でメジャー・デビューしたNon Stop Rabbit。その年の2月には、全国ツアー"LiveTour 2020~武道館を狙うたてがみの生えたウサギ~"をスタートしたが、ツアー完走を目前にして、新型コロナウイルス感染拡大の影響でファイナルの豊洲PIT公演が中止になってしまった。その後もホール公演を企画するが同様に中止となった経緯がある。インタビューでは"配信ライヴはやらない。会場に100パーセント観客が入れられるようになるまで、ライヴはしない"と語っていたところから2年。時間はかかってしまったが、ようやくメジャー・デビュー後初となるライヴが実現した今回の2デイズは、バンドはもちろんファンにとっても格別の日になっただろう。平日にもかかわらず、フロアは期待と興奮を背負った観客で埋まった。矢野晴人(Vo/Ba)の"出し切れるか"という声とともに「是が非でも」でスタートしたライヴは、終始大きな手拍子が鳴り響いて、フロアの温度も上がっていく。田口達也のメロディアスなギターと力強い太我(Dr)のビートが冴える「BIRD WITHOUT」から、今のアンセムとしてぴったりの「上向くライオン」に続く。シンガロングはできないけれど、観客もまた自身の声を重ねるかのようにグッと手を上げる。

MCでは4公演目となってさすがに、喉も酷使して、太我も足がつりそうだと久々の"ライヴ"での実感や、この2日でのハプニングなども語り、3人の矢継ぎ早なトークで会場を沸かせて、前のめりに力の入った観客をリラックスさせつつも、"4公演で一番の記録を出したい"と「偏見じゃん」、「推しが尊いわ」でポップにアッパーに盛り上げて、観客を飛び跳ねさせると、最新アルバム『TRINITY』からのバラード「大丈夫じゃない」をじっくりと聴かせる。打ち込みのビートと生のドラムがどっしりとまた華やかに曲を支え、哀愁感のあるメロディアスなギターと、レンジの広いヴォーカルが描くエモーショナルな歌が、大きく広がっていく。ミディアム・テンポの曲を紡いでいくバンド・アンサンブルは伸びやかで、"後半戦、楽しんで"と続いたインディーズ時代の曲「私面想歌」では、スピード感抜群のアンサンブルで疾走する。さらにここからが"地獄のセットリスト"の本領発揮。田口が組んだというこの回のセットリストでは、"今までやったことないことをやろうと思います"(田口)と「音の祭」、「Needle return」で矢野、田口が楽器を置いてツイン・ヴォーカルでガンガンと暴れ、盛り上げていく異端ぶりで、フロアではタオルが振り回され拳が高く上がる。ライヴハウスの"ライヴ"が帰ってきたなという光景であり、ダンサブルなEDMチューン「Needle return」では、さらにアッパーなビートに観客が身体を揺らす。"運動不足の人は、この時間を使って痩せて帰ってください"(田口)と煽ると、「Refutation」では早口の歌でパンキッシュに攻めていく。曲中に再び楽器を持ちボリューム感のあるバンド・サウンドを響かせると、"心の中で歌おう"(矢野)と、「PLOW NOW」へと突入。イントロで大きな拍手が起こり、待っていた! という観客の興奮が伝わる「PLOW NOW」ではフロアにも照明がついた明るいなかで、ステージとフロアが一体となった心の声をぶつけ合う。ノンストップの祭りが熱い。

"4公演やって最高の笑顔を見せてもらった。照れ臭いけれど、正直言うとみんなの顔、笑顔、跳ねている姿を見れて嬉しい"と田口は語る。コロナ禍では自分たちもみんなもしんどいことがあったと思うし、もう会えない人がいるのかもしれないと思うと悲しい歌詞が浮かんできたそうだが、"強く生きる、頑張らないとと奮い立たせた結果次の曲が生まれた"と最後の曲にしたのが「優等生」。"優等生でなくていい、自分のために生きてください。頑張っているみなさんに送ります"とその強く温かなメッセージとエネルギーがこもった曲をまっすぐに伝え、会場を笑顔で一体化した。演奏後の写真撮影のときに、太我は"肉離れしそうだったけどみんなのおかげで繋がりました!"と元気に言って笑いを誘う。汗だくだが、晴れ晴れとした3人の表情は、2デイズ、4公演の充実感を物語っていた。

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