LIVE REPORT
SEX MACHINEGUNS / ASTERISM
2019.06.29 @下北沢LIVEHOLIC
激ロックエンタテインメントが手掛けるライヴハウス、下北沢LIVEHOLICの4周年を記念したライヴ・イベント"LIVEHOLIC 4th Anniversary series"の21日目として、ASTERISMとSEX MACHINEGUNSのツーマン・ライヴが開催された。Z世代のへヴィ・メタルを牽引する若き新星と、昨年デビューから20周年を迎えたベテランという、キャリアこそ違えど、それぞれ高純度のヘヴィ・メタルを鳴らす2組による対決に、開演前から多くの観客が詰めかけていた。
この日の先陣を切ったのはASTERISM。「155」からスタートし、続けざまにスリリングな疾走曲「Midnight Hunter」、スラッシーなリフから多様な展開を見せる「FULL THROTTLE」とアッパーな楽曲をプレイし、冒頭からトップ・ギアで突き進むライヴを展開していく。HAL-CA(Gt)がMCで"めちゃめちゃ気合マックスで楽しみにしてきました!"と語ったとおり、この日の彼女たちのパフォーマンスや、観客へと向ける表情からは、並々ならぬ気迫が感じられた。続いて、東京では初披露だという新曲を披露。HAL-CAとMIYU(Ba)のユニゾンによる、緊張感に満ちたタッピング・フレーズからスタートする新曲「STARS」は、1stアルバム『IGNITION』以降のバンドの着実な進化が感じられるようだ。HAL-CAとMIYUがそれぞれ中央に立ってソロを弾き倒す「Light In The Darkness」、MIOのアグレッシヴなドラミングに合わせてヘドバンが巻き起こる「Warning」と、高いテンションを維持したまま畳み掛け、観客も拳を突き上げてそれに応えていく。
後半戦では、"死の博物館"をイメージしたという、ダークな雰囲気を纏った新曲をプレイ。これまでとは違ったオルタナティヴなサウンドと複雑な変拍子が絡み合った楽曲に、演奏後のMCでは、HAL-CAが思わず"めちゃめちゃ難しいんですけど......"とこぼすひと幕もあったが、この曲もバンドの新たな側面を感じさせるものだった。MIOの新しい髪型についてのMCで和やかなムードになったあとは、キレのあるドラミングを見せる「Stand Up And Shout」、「BLAZE」、「Rising Moon」と、矢継ぎ早に3曲をドロップ。最後はしっとりとしたメロディが心地よい「Disperse」を披露し、盛大な拍手のなか、ステージをあとにした。
SEとともにスクリーンが上がると、揃いのベースボール・シャツに身を包んだSEX MACHINEGUNSのメンバーが姿を現す。"シモキタ! 激ロック! 愛媛のみかん!!"というANCHANG(Vo/Gt)の叫びとともに初っ端から代表曲「みかんのうた」を投下。LIVEHOLICではめったに聴くことのないような爆音で、会場のボルテージを一気に高める。続く「ファミレスボンバー」では、歌詞に登場するファミレスのメニューを、会場の下の階にある"Music Bar ROCKAHOLIC"で限定販売されていたコラボ・ドリンクに置き換えるアドリブまで披露。歴戦のライヴ・バンドらしい応用力も見せつけた。MCではANCHANGが、会場に対して"なんだこの狭さは!"、そしてASTERISMには"親のような目でしか見れない"、"そんなに首を振っちゃいけないよ"と舌好調っぷりを発揮。この日サポート・ギターを務めたSUSSYに至るまで全方位をイジり倒し、会場を爆笑の渦に巻き込んでいく。続いては、SUSSYの"熊だー!"という叫びからスタートした「森のくまさん」、ツイン・リードが冴えわたる「JAPAN」をプレイ。フロントマン3人が並ぶとギターと身体がぶつかってしまいそうなほどの狭さだが、それでも普段と変わらぬステージ・パフォーマンスを見せる姿はさすがのひと言だ。
寸劇からスタートした「サスペンス劇場」ではANCHANGがハイトーン・ヴォイスを響かせ、「愛人28」ではこの日サポートを務めた下田武男(Dr)がキレのあるツーバスを鳴らし、ヘドバンを誘発。MCで"49歳であることを忘れてしまいました"とANCHANGが感慨深げに語ったあとは、怒濤のラスト・スパートに突入した。"俺たちと炎を燃やそうぜ!"というANCHANGの叫びとともに「BURN~愛の炎を燃やせ~」を投下すると、キャッチーなサビが印象的な「桜島」、そしてスラッシュ・アンセム「German Power」で締めくくり、"シモキタ魂 Holic Power"という遊び心溢れる替え歌も。全力投球のライヴに、大きな歓声が飛び交っていた。
この日はアンコールこそなかったものの、最後にASTERISMの3人とSHINGO☆(Ba)が登場し、観客とともに、SEX MACHINEGUNSのライヴではお馴染みの"ヘヴィ・メタル・シャウト"を披露。まるで下北沢全体に響きわたるような叫びが、この日のライヴの満足度を物語っていた。
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